イタリアの展示会で作品の展示が決まった小波津有希さん(左)と、友人の米盛亜伊里さん(右)と、母親の智恵美さん=9月18日、与那原町の就労継続支援B型事業所ゆいまーる
沖縄のピカソ、イタリアへ―。重度のダウン症のある小波津有希さん(22)の絵画が、12月12日からイタリアで開催される展覧会「翔(かける)―未来を和凧に乗せて―」(日伊芸術文化教育実行委員会主催)に展示されることが決まった。
3歳から絵を描き始め、“沖縄のピカソ”と評され、テレビや全国の小学校図書館に配布されている美術雑誌で紹介される小波津さん。母親の智恵美さんによると「最近は創作意欲も湧いて、たくさん描くようになっている」と言う。
小波津さんの絵は、9月に全国の各小学校図書館へ配布された「美術ぷらす」(国民みらい出版)という雑誌の中で紹介された。
雑誌では「重い障がいがあって、言葉や文字での意思表示ができないそうです。(中略)みんなはこの作品からどんなメッセージを受けますか?」と記され、「沖縄のピカソ」(墨絵絵画)として作品が掲載されている。
展覧会の企画運営をしているM・Y・Yコミュニケーションズの担当者がこの雑誌を目にし、小波津さんに出品を依頼した。
小波津さんは普段、与那原町にある就労継続支援B型事業所ゆいまーるで、友人の米盛亜伊里さん(23)らと一緒に働いている。小波津さんにとって、仕事仲間と過ごす時間と、絵を描いている時間は元気の源だ。
智恵美さんからイタリアでの展示会に展示されることを聞いたときは、にこっと笑顔を見せて、すぐに絵の創作に戻ったという。
智恵美さんは「本人にとっては、どこで展示されようと、絵を描ければそれで幸せなんだと思う」と話した。