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「私の中のペルーと沖縄」 世界のウチナーンチュの日、若い沖縄県系人、ルーツ探る

2018-10-31 05:44:18 | ニュース

ペルーの伝統舞踊マリネラを披露した後、記念撮影する菊田モニカさん(右から5人目)、夫の真志さん(同4人目)、父のアルベルト城間さん(同2人目)ら=19日、沖縄市役所(玉城直美沖縄キリスト教学院大准教授提供)

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10月30日は沖縄から世界各地に移民した人たちやその子孫らにちなんで制定された「世界のウチナーンチュの日」。2016年の制定から2年を迎え、県系3世、4世以降の若い世代の間にもルーツを確認し、人生の糧にしていく動きが出ている。南米ペルー生まれで県系3世の歌手、アルベルト城間さんの長女の菊田(旧姓・城間)モニカさん(25)もその一人。沖縄とペルーの両方のルーツを大切にするモニカさんは、ペルーの伝統舞踊マリネラを夫婦で続けている。沖縄で三線を学ぶ父の姿に刺激を受け、三線などにも挑戦したい考えだ。

モニカさんは宜野湾市で生まれ、読谷村の小中学校に通った。中1の夏休みに東京へ引っ越してからは県外で暮らした。20歳ごろまでは自らのルーツについて深く考える機会は少なかったという。しかし、21歳の時に経験した1年間のペルー留学で意識が変わった。日系人のイベントではエイサーが披露され、文化として受け継がれているのを目の当たりにした。

夫の真志さん(25)と留学中に出会い、一緒にペルー各地を旅行したことで父の存在も近くに感じるようになったと明かす。「父はここで生まれ育ったんだと愛着が湧いた。ペルーや沖縄について知りたいと思った」。ペルーの文化を知るため、父が奈良県出身、母がペルー人の真志さんも一緒にマリネラ教室に通い、帰国後も稽古を続けた。

現在、モニカさんと真志さんは大阪を拠点に、夫婦で全国各地のマリネラのコンクールに出場している。夫婦は「世界のウチナーンチュの日」をPRするため、沖縄市の招聘(しょうへい)で18日から20日まで来沖し、同市役所や沖縄キリスト教学院大学で体験談などを市民や学生らに語った。

沖縄キリスト教学院大の講義でモニカさんは「自分のことを深く知るためにも一度は外に出てほしい。自分のルーツをしっかり持つことは世界でたくさんの人と関わっていく中で軸になる」などと呼び掛けた。

受講した當眞采子さん(20)=同大2年=は「日本人は自国や自分の生まれた土地のアイデンティティー、ルーツを考える機会が少ない。もっと自分を詳しく知ろうと思った」との感想を寄せた。大嶺来夏さん(20)=同=は「沖縄について何も知らずに過ごすのはもったいない。沖縄や外国の文化や価値観を学びたい」と刺激を受けた。

モニカさんは取材に対し「ルーツを知ることで自分や家族を大事に思える」と語り、ペルーや沖縄の文化を学び続けたい思いを込めた。 (古堅一樹)


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ペルーもブラジルも“兄弟” 世界のウチナーンチュの日 コザ小、ネットで交流

2018-10-31 05:39:58 | ニュース

10月30日は「世界のウチナーンチュの日」。特別企画としてペルー、ブラジルと沖縄をインターネットでつないで子どもたちが交流する出前講座が同日、沖縄市のコザ小学校で行われた。

海外の子どもたちと対話した児童たちは「沖縄の人が世界にいることが分かった」「身近な感じがした」と話し、交流の芽を育んだ。

「レッツスタディーウチナーネットワーク出前講座」と題して県、沖縄市が主催した。4、6年生を対象に行われた。

講座では「さどやん」こと佐渡山安博さんが沖縄移民の歴史や、終戦直後に海外県系人から多くの支援物資が寄せられたことなどを紙芝居で説明。児童の父親で、ペルー出身の県系人、屋比久カルロスさん、ブラジル出身のドス・サントス・エドアルド・クリマシオさんが母国について説明をした。

屋比久さんは空手に励んでいることにも触れて「沖縄とペルー、どちらの文化も誇りで、大切にしている」と語った。FC琉球でコーチを務めるドスさんは鮮やかなボールさばきを披露し、子どもたちは大きな歓声を上げた。

ブラジルとペルーの県人会には、時差のため夜間にもかかわらず、多くの子どもや若者が集まった。コザ小の児童が「お菓子は何が好き?」「学校には何を持っていくの?」などと質問すると、現地の子どもたちはカメラに向けてかばんを開き、中身を見せた。子どもたちは「同じだ」などと盛り上がっていた。質問した4年の岡田瑛伝君は「自分と同じで、案外普通だった」と話し、交流を喜んだ。

児童らはカメラの前で琉舞やエイサーも披露した。地謡を務めた6年の米須亜美さんは「地球の反対側でも三線を弾く人がいると分かってうれしい」と笑顔を見せた。

/琉球新報

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