とあるスナックで
コー
小林君、君はどう思うんだい。「なぜ公共貨幣でなければいけない」と思うんだい。
小林
一言でいえば、今の金融制度は、構造上、制度上で大きなとてつもなく大きな「欠陥」があるということだと思います。
まず
「部分準備銀行制度」、いわゆる「信用創造」ですね。
この制度そのものに大きな大きな欠陥があるということだと思います。
コー
そうなんだな。
まず「信用創造」の説明は、
この講師の先生の言う通りだと思う。100%正しいと思う。
でもこの時に、増えた900万円は、「銀行が無から作った」ということを必ず教えないといけないんだと思うね。最初に100万円を預けたAさんも、そこから90万円を借りてそのお金を預けたBさんも、そしてCさん、Dさん・・・。
銀行に預けた人は誰だって、定期預金でない人はいつだって、全額引き出せると思っているわけだろう。銀行もそう説明していると思うよ。
でもこれは事実とは違うだろ。一斉に引き出されたら銀行は払えないんだよ。払えるわけがないんだよ。
もし預かったお金を回して貸出しているんなら、預けた人は、全額引き出せないはずだよ。何割かは貸出に使われているわけだから。
たとえば、俺がママに100万円預けたとする。そしてママがその100万円のうち90万円を小林君に貸したとする、俺に内緒でね。
ママ
ちょっとコーさん、そんな人聞きの悪いことしませんよ私は。
コー
ごめんごめんママ。例として話しているわけだからね、許してください。
このときママが、俺の100万円のうち90万円を小林君に貸出したとすれば、そのあと俺がママに預けた100万円を引出したいと言ったときに、ママは俺に100万円を返せるんだろうか?
無理だよね。もうママの手元にないわけだから。
ママはこのとき最大100万円しか小林君に貸し出せないよね。でも銀行は最大900万円(準備率を10%として)を貸し出せるんだよ。「無からお金を作って」。
ここなんだな、ポイントは。銀行は「無からお金を作って」、もともとないお金を貸し出しているんだよ。
このことを学校の先生は知っているんだろうか?
小林
これじゃ最初から引き出せるわけないんでしょう、ある程度の額がまとまって引き出しされたら、銀行は払えないのは当たり前なんですね。
コー
そう、だから言葉を変えていえば、今使っている大部分のお金は「バーチャルなお金」、お札や硬貨に変えることのできない、口座の間を動く「バーチャルな数字」=「銀行預金」といえるんじゃないんだろうか。
小林
この制度、「信用創造」、「部分準備銀行制度」そのものが、大いに問題だということですね。
銀行の経営の不安定さはもともとこの制度自体にあるということでしょう。
銀行は「実体経済」という体に、「お金」という「血液」を送り込んでいるポンプなわけですから、そのポンプがおかしくなったら、当然「実体経済」がおかしくなるわけですね。
コー
そういうことだと思う。