東京の個展終了いたしました
お出かけいただいた皆様、ありがとうございました
またゆっくりその時の話ができたらと思うのですが、今日はその前の大阪での不思議な出会いの話を記録しておこうと思います

ハイ、その前にもう1つの出会いの話で、写真を1枚追加しました
これは大阪で売れたポットの姉妹作品なのですが、売れたポットは今頃スピーカーになって何か奏でているかもしれません
カップや花瓶などからスピーカーを作っている方が購入して行かれました、私の名前が音で、音彩工房、というのにも関心を持たれて何かのご縁と買っていかれました、どんな感じなのか聴いてみたいわね、見てみたいしね
さて、近鉄あべのハルカスの催事で出会った3人目の師匠ですが、謎のおじさん、たまたま私の炭化の焼締酒器、ぐい呑などが目について、高台の高さなどの作り、なぜこういう風に作っているのか聞かれ、あまり考えずに作っていることが露呈し、厚さ、薄さ、の話やら形のシンメトリー、アシメトリーなど、不定形の美の話、器上下の重心バランスの話、お酒を美味しくするために釉薬をかけずに残すところ、かけるところの話、などなど興味深い話をいろいろしてくれました、作る量の話、焼成の話、販売の話、展示会における商品構成の話、伝統工芸の生き残りに必要なのはテクノロジーじゃないか?とか閉店までレクチャーしてくださいました
で、私の展示に関しては、渾身の力が注がれたものが、なんでないんだ⁈と、お嬢様陶芸(おばさん陶芸だけどね)だそうで、例えば紙みたいに薄くてギュッと持ったら割れてしまうような器とか、皿を持ったら手が切れるような、そういった緊張感、もっと極まった物作りを期待しているようでした、危なさが無いんだって、フムフム、無いです、安定して取れるのを目指してます
私にそういうの期待する??でも、危ないのも嫌いじゃないかも
獺祭とか酒作りの話もされて、他ではできない特別な物を作る厳しさ、そういったものづくりをしなきゃもう未来は無いと、うん、そりゃそうだな、と思いました
自分ちの窯で最大大きいものはどのくらいのものができるのか?聞かれました、
展覧会にはそういった全力を尽くした物を出さないと、と言われました、ああそういうことか、洋二の発想と同じだな、自分の全力を見せてみろということでしょうか、林檎さんにも通じます
そしてなんと翌日も来てくださいました、この方陶芸家ではないのですが相当な技術はあって自身が昔作った焼酎を飲むような大きさの酒器を実際に持ってきて見せてくれました、で、高台は高く、底はペラペラに薄い、下の方は厚手に作りザクザクとしのぎが入っている意匠、上は薄い作り、
この作りと焼成方法で実際にお酒を飲むと全然味が違うそうです、それはもう感じとかではなく機能だそうで、酒を注いだ瞬間にもう味が変わっているそうな
たくさん作り、厚さの違いなど乾燥でだいぶ切れる、素焼きで切れる、本焼きを4,5回するそうで、最終的にいいのは少し取れるだけで、もちろん高価、それを海外の富裕の人に販売するんだって、へー
何を私に期待してるのかな、
焼成方法も特別なようでちょっと危険な感じもして怖くなりました、
24時間の陶芸教室をやることも勧められたり、この人の言うことを聞いていたら私死ぬな、と思い、だいぶ引き、
なんか全然できる気がしません、と言いましたら
それならもう未来はないな、このままどんぶり会館(これは駄知の陶器関係の施設です)の周りをグルグル回り続けるんだな
とおっしゃり、うん、そうかもしれないな、とも思いましたが、この方の言われる道へ進んだら私の今までの作品、制作はどうなるんだろう、今のお客様も失うことにもなるだろう、行けないなと思いまして、結局そのまま帰られるのをご連絡先を聞くこともできず見送りました
謎ばかり残り、2日間お話ししていただいたのに申し訳なかったな〜、追いかけてご連絡先やお名前を聞けばよかったと思いました
どうしようかと思ってもどうしようもない、結局、申し訳ないけどおじさんに教えていただいたことをいいとこ取りすることにしました、自分のできそうなことだけ取り入れる事にしました、自分の甘さにも気付き、何か少しだけ変われた気もします
そして大阪から帰ってまた急いで制作して2かま焼いて東京に臨みました
酒器も何度も本焼きなんてことはやりませんがせめて、形状による味の変化(前にワインと日本酒の研究会でも話題になったり、昨年セラパのイベントでも地元作家の酒井甲夫先生とちごの岩酒造が検証してました)を体感してみようとそれ用のぐい呑作ってみました
でも自分あまりわからないかもしれないんで、まずはお酒好きの知り合いに委託してみました🍶
おじさんの考える成功と、私の望む未来は多分ちょっと違っているのだろう、おじさんの意向を丸ごと取り入れるよりも器で家族の食卓を応援するというコンセプト、今までの自分の足跡をやっぱし大切にしていきたいと思います
きょうはまたほぼ日記の長い文章だけで、すんまへん、ペコリ