(01)
① (学生であるか、または、学生である)ならば、学生である。
②{(学生で、男子である)か、または、学生である}ならば、学生である。
③{(学生で、女子である)か、または、学生である}ならば、学生である。
といふ「命題」は、3つとも、明らかに、「真」である。
従って、
(02)
P=学生である。
Q=男子である。
~Q=女子である。
として、
① (P∨ P)→P
②{(P& Q)∨P}→P
③{(P&~Q)∨P}→P
といふ「論理式」は、3つとも、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1 (1) P∨P A
2 (2) P A
3(3) P A
1 (4) P 12233∨E
(5)(P∨P)→P 14CP
(ⅱ)
1 (1)(P&Q)∨P A
2 (2) P&Q A
2 (3) P 2&E
4(4) P A
1 (5) P 12344∨E
(6){(P&Q)∨P}→P 15CP
(ⅲ)
1 (1) (P&~Q)∨P A
2 (2) P&~Q A
2 (3) P 2&E
4(4) P A
1 (5) P 12344∨E
(6){(P&~Q)∨P}→P 15CP
従って、
(02)(03)により、
(04)
① (P∨ P)→P
②{(P& Q)∨P}→P
③{(P&~Q)∨P}→P
といふ「論理式」は、3つとも、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(05)
(ⅲ)
1 (1) (P&~Q)∨P A
2 (2) (P&~Q) A
3 (3) P→ Q A
2 (4) P 2&E
23 (5) Q 34&I
2 (6) ~Q 2&E
23 (7) Q&~Q 56
2 (8)~(P→ Q) 3RAA
2 (9)~(P→ Q)∨P 2∨I
ア(ア) P A
ア(イ)~(P→ Q)∨P ア∨I
1 (ウ)~(P→ Q)∨P 129アイ∨E
1 (エ) (P→ Q)→P ウ含意の定義
(ⅳ)
1 (1) (P→Q)→P A
2 (2) ~P∨Q A
2 (3) P→Q 2含意の定義
12 (4) P 13MPP
1 (5) (~P∨Q)→P 24CP
1 (6)~(~P∨Q)∨P 5含意の定義
7 (7)~(~P∨Q) A
7 (8) P&~Q 7ド・モルガンの法則
7 (9) (P&~Q)∨P 8∨I
ア(ア) P A
ア(イ) (P&~Q)∨P ア∨I
1 (ウ) (P&~Q)∨P 179アイ∨E
従って、
(05)により、
(06)
③(P&~Q)∨P
④(P→ Q)→P
に於いて、
③=④ である。
従って、
(06)により、
(07)
③{(P&~Q)∨P}→P
④{(P→ Q)→P}→P
に於いて、
③=④ である。
従って、
(04)(07)により、
(08)
① (P∨ P)→P
②{(P& Q)∨P}→P
③{(P&~Q)∨P}→P
④{(P→ Q)→P}→P
といふ「論理式」は、4つとも、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(09)
(ⅴ)
1 (1) (P→~Q)→P A
2 (2) ~P∨~Q A
2 (3) (P→~Q) 2含意の定義
12 (4) P 13MPP
1 (5) (~P∨~Q)→P 24CP
1 (6)~(~P∨~Q)∨P 5含意の定義
7 (7)~(~P∨~Q) A
7 (8) P& Q 7ド・モルガンの法則
7 (9) P 8&E
ア(ア) P A
1 (イ) P 679アア∨E
(ウ){(P→~Q)→P}→P 1イCP
従って、
(09)により、
(10)
⑤{(P→~Q)→P}→P
は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
① (P∨ P)→P
②{(P& Q)∨P}→P
③{(P&~Q)∨P}→P
④{(P→ Q)→P}→P
⑤{(P→~Q)→P}→P
といふ「論理式」は、5つとも、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(01)(02)(11)により、
(12)
P=学生である。
Q=男子である。
~Q=女子である。
として、
① (学生であるか、または、学生である)ならば、学生である。
②{(学生で、男子である)か、または、学生である}ならば、学生である。
③{(学生で、女子である)か、または、学生である}ならば、学生である。
④{(学生であるならば、男子であるならば)、学生であるならば}、学生である。
⑤{(学生であるならば、女子であるならば)、学生であるならば}、学生である。
といふ「命題」は、5つとも、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(13)
命題計算では、パースの法則は ((P→Q)→P)→P のことを言う。この意味するところを書き出すと、命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる(ウィキペディア)。
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
④{(P→ Q)→P}→P
④{(学生であるならば、男子であるならば)、学生であるならば}、学生である。
は、「パースの法則」である。
然るに、
(11)(12)(14)により、
(15)
④{(P→ Q)→P}→P
④{(学生であるならば、男子であるならば)、学生であるならば}、学生である。
が、「パースの法則」である以上、
⑤{(P→~Q)→P}→P
⑤{(学生であるならば、男子でないならば)、学生であるならば}、学生である。
も、「パースの法則」である。
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる(ウィキペディア)。
といふ「言ひ方」が、私には、全く、理解出来ない。
(17)
④{(学生であるならば、男子であるならば)、学生であるならば}、学生である。
⑤{(学生であるならば、男子でないならば)、学生であるならば}、学生である。
の両方が、「恒真式(トートロジー)」である。
といふことは、
⑥{(学生であるならば、男子であっても、男子でなくとも)、学生であるならば}、学生である。
といふ、ことである。
然るに、
(01)(17)により、
(18)
① (学生であるか、または、学生である)ならば、学生である。
②{(学生で、男子である)か、または、学生である}ならば、学生である。
③{(学生で、女子である)か、または、学生である}ならば、学生である。
⑥{(学生であるならば、男子であっても、男子でなくとも)、学生であるならば}、学生である。
といふ「命題」は、4つとも、明らかに、「真」である。
従って、
(14)~(18)により、
(19)
「パースの法則」は、少しも、「変」ではなく、極めて、「普通」である。