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雨降り予報だったとある祝日の朝.ベッドから起きてみると,外はからりとした秋晴れだった.天気予報は外れたようだ.何の計画もなしに慌てて支度をして,オートバイに乗って出掛けることにした.出遅れたせいで,交通量は非常に多かった.ここは下手に焦らずに,秋桜を愛でながら,ゆっくり気ままに走ることにした.
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自然と行き着いた先は,池原ダムだった.R425は崩落によって,坂本ダムまで通行止めになっていた.そう言えば,上北山村のツキ谷に,まだ行ったことのない無名の名瀑―千尋滝―があったことを思い出す.ツキ谷までなら走行できるはず.急遽,池原ダムから千尋滝を目指すことにした.
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この選択は,最近の台風や大雨のことを考えると,賢い選択ではなかった.この日のR425は,道路脇の斜面から,小さな瀑布が至るところに形成されていた.
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この水量の多さに少し不安を感じながらも,通行止めのR425を進んで行くことにした.急に開けた視界に現われたのは,緑の世界に自然と溶け込んだ赤い橋―備後橋―だった.ツキ谷は備後橋から目と鼻の先だ.千尋滝まで走行できることを確信した.
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思惑通り,無事にツキ谷までたどり着くことができた.そして,折り畳み式のリュックを広げて,カメラと飲み物を突っ込んで,国道脇から山へと入って行くのだった.看板によると,千尋滝まで約300メートルで20分ということだ.しかし,奥へと進んで行く内に,台風や大雨の影響か,道なき道を進んで行くことになるのだった.
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川は増水していて,岩場や路面もとても滑りやすく,山を歩き慣れていない自分にとって危険な状況だった.しかし,ここまで来た以上,引くに引けない状況で,とにかく川の上流へ向かって,道なき道を進んで行くことにした.
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両手を駆使しながら,這いつくばる様にして進んで行かなければならない所もあった.次第に大きな瀑布の噪音が,耳に響いてくるようになった.徐々に,その音量は増していった.そして,鬱蒼と生い茂る木々の間から見えたのは,大きな白い壁の様なものだった.
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