オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

楯ヶ崎原生林と二木島湾

2022年03月16日 | 楯ヶ崎


 英虞崎の景色,楯ヶ崎二木島灯台を思う存分に堪能することができたので,そろそろ引き返すことにしよう.ふと,灯台の方を見上げると,何か遺構のようなものがあることに気付く.あれは昭和34年の伊勢湾台風で大破した神武天皇上陸記念碑の台座だそうだ.



 さて,英虞崎から再び,楯ヶ崎原生林の中へ入る.太陽はすっかり上空まで昇り,鬱蒼と生い茂る樹林帯の中を明るく緑色に照らす.黄緑色に輝くシダが,とても美しかった.関西に越してきて紀伊半島を知ってから,シダに対する見方がこれまでとまるで変ったと思う.



 そして,青々とした樹木が重力に逆らうよう縦横無尽に走り,緑のトンネルを作り出している.冷え込みが強くまだ寒かった2月下旬の時期だったが,このあたりはすでに生物たちが冬眠から目覚め,春を通り過ぎて初夏のような雰囲気だった.



 飽きることのない緑の景色の中を歩いていると,あっという間に二木島湾の入り江,甫母町の熊野養魚を見下ろすポイントまで戻ってきた.生け簀では,クロマグロの養殖が行われているそうだ.



 それにしても,南国のようなエメラルドグリーンに輝く海がとてもきれいで,しばらくの間,見とれてしまった.少しだけ風が強く,水面にはさざ波が立っていたが,驚くほどに透明度の高い海水だ.さざ波立ってなければ,きっと魚影が見えたに違いない.



 そしてついに,国道の遊歩道入口の真下にある阿古師神社まで戻ってきた.楯ヶ崎散策もこれでフィナーレだ.エメラルドグリーンの海に真っ白な鳥居がとても爽やかに見えた.

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