おせっちゃんの今日2

こちらでお仲間入りいたします。
よろしくお願いいたします

神経細やかな言葉遣い

2021-06-28 13:34:31 | 言葉

土曜日に2回目ワクチンの報告を書きましたが、その中の男性同期生のこまやかな心遣いをする句創りに、つくづく自分の神経の粗さを思ったことでした。

彼は富永鳩山と言う書家です。毎年年末に新国立美術館で展覧会があり、それに出品しています。上京してきますので、時間が取れるものが集まって、直接解説を聞きながら鑑賞会をするのが例になっています。コロナで中止になっていますが。ついでに書きますとその集まりの予定をカレンダーに書き込んでいると、夫が「あんた、鳩山さんに会いに行くのか、どうした伝手だ?」と驚くのです。彼は鳩山(きゅうざん)ですよ~。

彼はふるさと山口県の防府市で暮らしています。いろいろ地域活動に活躍しているようです。その一つに自由律句の同人誌「群妙」を主宰しているのです。
防府市は種田山頭火の生誕地です。それなのに、地域で自由律句の会もない、同人誌もないのはあまりに情けない、ということで建てあげたのです。年2回発行しています。
3号まで持てば上等、などと揶揄されていましたが、先日30号が送られてきました。

それだけでも大変な献身と思いますのに、30号を記念して、「自選10句」の句集を発行するとのこと。今までの「群妙」にのせた自分の句から10句を選んで送ってっくれたら記念号にするというのです。

毎号、やっつけ仕事で投稿していますが、我ながら駄句ばかり。やめとこう!!と思いましたが、折角の彼の気持ちを傷つけるような気がして送ったのでした。
10句選ぶ時、各号に載っている自分の句を見なおしてここはこうのほうがいいかな、と思う句は少し手直しをしました。
その時、いままでの「群妙」を見ながら、パソコンでワードに打ち込み、適当に添削したのでした。パソコンはパソコンの好みで変換します。変換された句を目で読むと音は合っていて自分では間違いなく書き写したと思っても仮名遣いは違うことがあります。

例えば、「あのY字路でむこうの道をえらんでいたら」の「むこう」が「向こう」になっていたようです。音が同じだから読んだだけでは違いに気が付かなかったのですね。

彼がわざわざ電話をかけてくれたのは、どちらにするの?今度送ってきた方でいいの?という確認だったのです。

「いいのいいの、どちらでも、言葉一つに拘るほどの句でもなし」などと益々荒っぽい神経をむき出しにしてしまったのでした。「はい。はい。向こうでいいわ」と電話を切ったのでした。

あとで落ち着いて考えたら、向かっていく方向を詠むわけではないので「むこう」のほうがよかったかな、と後悔したのでした。

句をつくるということは、こう言うところまで繊細に、正確に選ばなければと反省しきりでした。