じいじのひとりごと

高齢者の悲哀と愚痴を綴っています
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量的緩和の解除?

2006年03月12日 | 日々のこと
新聞やテレビでいくら説明を聞いてもよく理解できない。
5年前に景気回復やデフレ是正を狙って始められていたということは知っていたけど、理屈など知らないまま来ていた。もう止めますという段階になってやっと、これは如何なる政策だったのだろうと調べている始末・・・

いつもの私のひがみ目理解によれば、「量的緩和」政策とは日銀がお金をジャブジャブ準備して(印刷さえすればいい?)、市中銀行に対して「なんぼでも好きなだけ使うてくれい」とばかりに、それもほとんど無利子で貸してくれた。市中銀行はそれを低金利ながら利子を取って企業や個人にどんどん貸し付ける→景気回復に繋がる。これによって投資家や銀行は金利や配当や手数料収入で濡れ手に粟、莫大な利益が転がり込んだ。一時は公的資金に頼むほど喘いでいた銀行はたちまちにして息を吹き返し公的資金も前倒し返済して、黒字にもなった。IT企業や投資ファンドに膨大な資金が流入した。

また企業も不況時の大リストラでスリムになったうえ、量的緩和政策の恩恵で低利子で資金が借りれて設備投資も思うまま、大企業は軒並み史上最高の利益を上げていた。日本の景気はマクロ的にはほぼ回復してきたし、金余りだから物価もジワジワと上がってきた。思惑どおりというわけである。

そもそも、30兆とも35兆円ともいわれるお金を積み上げ、いくらでも使ってくれといわれても、市中銀行はそれを貰うわけではないし、無担保で日銀から貸してくれるわけでもない。市中銀行が保有している証券とか国債と引き換えに借りているわけだから、今回日銀が「量的緩和はもう止-めた」ということは、銀行が日銀へ借金を返済していく、つまり市中からお金をどんどん引き上げていくことになる。これからは従来に戻り、限られた準備金(5~6兆円)と金利(公定歩合)だけで景気コントロールをしていく金融引き締め政策に戻っていく。これからも景気回復が今のまま続くかどうかである。

一方市民生活はどうだろう、大企業は賃上げもボーナスも景気の良いことだが、多くの庶民にとっては賃上げどころか賃下げされたままの給料で、中にはリストラで失職したり再就職ではパートやアルバイト、運よく正規社員として雇われても低賃金に喘いでいる人たちの割合が非常に増えたといわれる。子供の教育費が負担できないとか、生活保護世帯数が急増している。小泉さんは「格差は無いしあって当たり前」と訳のわからないことを言っているけど、所得格差が広がる一方なのが問題である。皺寄せが庶民のそれも底辺層にきているのではないか・・・

下げ代はないから、これからは金利を上げる方向のコントロールしか残されていない。徐々に金利は上がっていくことは必至。本来の健全さを取り戻すための金融政策の転換といわれるが、はたしてこれが国民の生活にとってこれからどういうことをもたらしてくるのか、傍観者としては分らないのである。

それと引っかかるのは量的緩和の“解除”? ペイオフ“解禁”?
解除とか、解禁、とかって、どちらも開放を意味しているような耳ざわりだけど、これはどちらも「引き締め」とか「制限・制約」といった束縛的な言葉のほうが当たっているのではと思うのだが・・・


コメント
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