じいじのひとりごと

高齢者の悲哀と愚痴を綴っています
唯一の相棒、mシュナウザーのベルが残り人生を伴走してくれます

ヒラメでいいから

2008年04月30日 | 急性骨髄性白血病

Imgp1966_2 かみさんは自他共に認める行動派であった。 休日などは一時として休まず朝から寝るまで動き回っていた。テニス、バトミントン、ジョギング、そして天気の良い日はテラス一杯に虫干し?の衣服や洗濯物やシーツなどがところ狭しといつもはためいていた。家事も徹底的にやり、いつの間にか1人で重い食器棚やテーブルを移動してはがらりと室内の雰囲気を変えてしまっていた。そばから見ていて恐るべしとさえ思われるほどであった。

彼女は、ゆったりとテレビなど見ていることが嫌いであった。じっとしているとかえって腰が痛くなったり体調が悪いといっていたなあ・・・そんな彼女を私はマグロとまでは行かないが、静止していると生きていられないというカツオかブリのようだと揶揄していたものである。(逆に私は底もののカレイかヒラメの類だと言われてた・・・)

・・・・

そのかみさんが今、まるで刑務所の独房のような無菌室に収容?されて2週間が経つ。

さぞ辛いことだろうと思う。大量の抗がん剤治療に耐え、副作用は比較的少なく推移してはいるものの、かなり体力を落として貧血のため顔色も悪い。

寛解導入療法が終わり、これからの2週間感染との戦い、それを乗り切ると又地固め抗がん剤治療が繰り返され延々と続く・・・・長丁場になる。

彼女にとって動けないことの痛手、辛さ何者にも増して大きいだろうと思う。

・・・・

BCR(バイオクリーンルーム)と呼ばれる無菌室は家族(登録した2人限定)だけ入室が認められている。入り口の二重ドアに囲まれたところで念入りな手洗いとアルコール消毒をしてから、看護師詰所(スタッフルーム)の中を通り抜け、又自動ドアの仕切りの奥に各部屋がある。

他の一般病室よりもスタッフの数が相当多いし、医師も常に詰めている感じである。

専任の人が一日中壁から窓から手摺や医療器具などを一日中消毒し拭いて回っている。

感染防止という点ではこれ以上のことは無いが、とにかく外界とは隔絶されている。

無菌室から患者は廊下にさえ出られない。小さな窓から隔離面会用廊下を隔てて外の緑が見えることにかろうじて救われるという閉鎖空間である。

手術などで半月経てば退院、とか自由に廊下を歩き売店にも行け、外の空気も吸えるような入院生活なら我慢もできるし希望もあるのだろうけれど。

こんな環境の中で数ヶ月を過ごさなければならないことを思うと、あの元気だった頃のかみさんが・・・・可哀想でならない。

・・・・

電話ではいつでも元気な声が返ってくるのだが、本当は辛いのだろうな、と想像しているうちに泣けてくるのである。病状からもある程度先の読めている私が代わってやりたい、そう思う。

そんな電話の後、かみさんから携帯メールが来た・・・

・・・・・

「泣かないでください。可哀そうだなど言わないでください。

私は泣きません。だならお父さんも泣かないで! お父さんが弱いと私も悲しくなる・・・

絶対治るという気持ちがないと抗がん剤と闘えないよ。

入院中、「負けてたまるか」の精神でやるからね。長丁場でも前向きに、二人であせらずゆっくり歩んでいこう。お父さんが明るく元気だったら私も頑張れる。だから心配しないで・・・

連休中お天気よさそうね。新緑の中で私の代わりに深呼吸いっぱいしてください。

写真もとって送ってね。観たいといっていた映画(犬との10約束)も観てね。・・」

・・・・・

今日面会に行く予定だったが、「気分がいいし大丈夫だから次(5/3)にして」と言われた。

連休を利用して久しぶりに息子が帰ってくる。そのとき孫を連れて面会に行くつもり。久しぶりに孫の顔を見てかみさん喜ぶだろうな。でも窓ガラス越しで抱っこは出来ない・・・

それを思うとまたまた・・ティッシュで目頭を押さえることに、だめだね。

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新聞

2008年04月29日 | 日々のこと

新聞の勧誘員がよく来る。

誰かが言ってた。「購読新聞で人のイデオロギーが変わり定着してくる」

私は数十年来、朝日新聞を読んできた。一時期地方紙を取ってみたことはあったが物足りなくてすぐにやめた。たまに目にする読売や産経新聞とは確かに少し違いがあるような気がするが、特にそういう意識で考えてみたことはなかった。朝日の論調は筋が通っていて、長年でしっくりと受け入れられる。勧誘されても今更他紙に変えるつもりは無い。

今日の天声人語、この論調がいい。

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宅配食材

2008年04月29日 | 日々のこと

夕食はヨ○ケイの宅配食材でまかなっている。

これがなかなかのもので、大いに気に入っている。第一調理の手間がかからない。3,4種の決まった食器があればよく、食べ残しや生ゴミも一切出ないのが良い。ご飯だけはあらかじめ炊いて小分け冷凍しておく。調理はお湯で数分温めるか、レンジでチンすればよい。ちょっと濃い目の味付けが嗜好に合い、量もほどほどで言うことは無いのである。

毎日元気の良いお姉さんが配達してくねるのも嬉しい。もちろん不在時にも対応した完全断熱のスチロール容器で封がしてある。

調理の一例をお見せしよう。

我ながら・・でもないが、毎日これだけバラエティに富んだ献立で、温かい食事が楽しめるのが自慢したいほど。まるで自分で作ったかのように悦に入っているところなのだ。

日曜日だけは休みなので、このときばかりは好きなものを買ってきたり、握り寿司など食べに行く楽しみも残してある。

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孫便り

2008年04月29日 | 

Riku & yuuの元気メールが来た
世界一高いビルも今や次々と更新されていますが、元世界一だったマレーシアのツインタワーの前で・・・

F1マレーシアグランプリを見に行ったのだそうです。

・・・
そしてこれも今のところ世界一高い(大きい)観覧車「シンガポールフライヤー」に乗ったとさ。

一周一時間、注文すれば中でディナーパーティーもセットしてくれるそうです。
これもまもなく抜かれるそうですが・・・

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空気感

2008年04月28日 | 日々のこと

男1人暮らしにさせて、かみさんが最も気がかりなのが、家中のむさ苦しさではないだろうかと思う。その点は諦めているというが・・・・

私はどちらかというと几帳面なほうの性格だと思っていたが、やっぱりかみさんが居る時とは室内の雰囲気がだんだんと違ってきたようだ。何というか何処となくすっきり感、清涼感が失われてきて、澱んだ空気になってきたように感じられる。

かみさんは寒い時期でも窓を開け放って掃除をし、花の少ない冬場でも常に何がしかの小さな草花を探して来ては、さりげなく何箇所にも挿していた。

私も掃除機は時々かけるが窓を閉めたままであったり、拭き掃除が行き届かなかったりして、こまごまとした箇所に薄く埃がたまっていたりする。

散らかしてはいないものの、郵便物や新聞がうずたかく積まれていたり、台所のテーブルの上が物でいっぱいになっていたりするのである。どうも花が無いことも殺風景な原因だろう。

Imgp2024 「裏庭の隅に白い一重の空木(うつぎ)の花が咲いている頃かしら」、とかみさんから聞いて覗いてみるとなるほど咲いていた。私はこんな花があることも知らなかった。早速切ってきて玄関に挿してみた。ぶっきらぼうに挿しただけなのにそこがポッと明るくなった感じがして嬉しかった。

かみさんは昨日に続いて今日も輸血していると・・

・・・・・

ラヴを動物病院へ、

診察台に1人で載せられなくて看護師さんに助けてもらう。28kgであった。これは肥満ではなくほぼ標準。年齢は20歳相当とのことでした。

狂犬病注射とフィラリア検査と薬、〆て12,000円なり。

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ごくせんが面白い

2008年04月27日 | 日々のこと

人気ドラマが復活した。

「ごくせん」と「渡る世間は鬼ばかり」である。

「渡鬼」は相変わらずの筋書き、変り映えしない家族模様で食傷気味ながらもついつい見いっている。

「ごくせん」の方は対照的、絶対にあり得ないような設定と内容なのに、人情と痛快さと、仲間由紀恵のキャラクターに惚れ惚れしながら、年甲斐も無く嵌っているのである。実に面白い。

でも一番はやはり「篤姫」、これだけは見逃さない。日曜の夜が楽しみである。

崩壊していく徳川幕府と波乱の運命を生きてゆく篤姫の健気さ、どこか切なく頼りなかった尚五郎の成長も合わせて見ごたえがある。

・・・・

山口2区補選で民主党が勝った。ガソリン税は上げないで欲しいよ!

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思案橋

2008年04月26日 | 急性骨髄性白血病

私の通院も合わせて今月は6回、月末にもう一度行く予定なので都合7回岡山へ通うことになる。かみさんは安全のためにと電車を薦めるが、経費の面でも1人でなら電車のほうが圧倒的に安上がり、もちろんそれ知ってのことではある。

電車なら往復8,000円ほどだが、車で行くと往復270km、瀬戸大橋の通行料や高速通行料、燃料代合わせると15,00016,000円もかかってしまう計算になる。

ガソリン高のご時勢、ここはやっぱり電車にすべきかなぁ、週2は厳しいかなぁ・・・思案しているところ。

遠距離、このあたりもボディブローで響いてくることになりそう。

いやあ、行ける所まで行くしかない。

・・・・・・

無事、寛解導入治療が終了して、後は正常な白血球の増加回復を待つことになる。

しばらく無防備状態が続くので、これから1,2週間、感染や発熱の危険にさらされる。

髪の毛も抜けてくるらしい・・・・さらに「地固め治療」と先は長く心配は続く。

が、幸いかみさんはわりと元気で食欲もあり、電話の声も明るい。いままでのところ多少の湿疹があるほかは口内炎やその他のひどい症状は出ていない様子。このまま乗り切って欲しい。

検査機関からHLA遺伝子型の検査費用の請求が来た。ドナー登録手続き準備をしている。

こちらも旨くことが運んでくれるといいが・・・

・・

黄色いのは血小板輸血中。

アイスクリームが美味しいとペロリ、おっと臆面も無くツーショットで・・・(4/25)

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便利の反面

2008年04月24日 | 日々のこと

いつもは8時過ぎには起きるが、昨夜遅くなって今朝は珍しく朝寝坊してしまった。

9時半過ぎに近所の奥さん(いつもラヴの世話をしてくれている)がピンポーンと玄関に来ていた。かみさんに電話で様子を見てくれるよう頼まれたという。

丁度また電話が鳴って、出るとかみさんが半べそ声で、「無事だったの?何度電話しても出なくて、心配だった・・・」

・・

いつも枕元においている携帯を昨夜は別室の充電器にセットしていた。

みると5分おきに10数回の着信履歴が残っている。

・・・

いつも身に着けている携帯、出てくれないと、かえって心配が増幅することになる。便利の裏に不安の種ともなるのだなあ。

病院からも何かあれば携帯に連絡しますといわれている。心配かけないようにしよう。

・・・・

かみさんからの頼まれ品を買い揃えた。ワッフルが食べたいと言っていたので探したが無かった。明日はドライブで病院へ行く予定。

・・・・・

雨上がりの散歩道

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老親への思いやりか・・・

2008年04月23日 | 日々のこと

このところ子供達から毎日のように電話がかかってくる。

夕食後の時間帯にはskypeも繋がってきては、孫たちとの会話も設定してくれるのだが、最近では孫たちのほうが毎日話すこともないらしくて、さっさと画面から消えてしまう。

子供達にとっては、かみさんのことはもちろんだが、同様に1人暮らしで心臓に持病を持つ父親のことが気がかりだということらしい。察するところでは、多分かみさんからそのことを聞かされて、毎日確認電話と様子見ということだろう。

・・・・・

嬉しいことだが、私は今では1人暮らしのペースにも慣れて、のんびりとやっているのでそんな心配は要らない。薬も忘れずに飲んでいるので大丈夫、落ち着いている。

・・・・・・

毎日暇な身なので週に二回、岡山までのドライブも気分転換で楽しみである。

当初は車では絶対ダメ、電車でと釘を刺されていたが、一度利用して二度と電車はごめんだと思った。とにかく予讃線の乗り心地は最悪、待ち時間やバスへの乗り継ぎに辟易した。

車の運転は趣味とまではいかないが、ほとんど疲れることがない。四国の高速道は空いている。眠気がささないようにSAやPAで適当に休憩しながら、快適ドライブが楽しめる。

もちろん事故には絶対に遭遇しないように安全運転が大前提、100km未満のこと・・・

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なんと便利な時代

2008年04月22日 | 日々のこと

シンガポールの娘と電話で「食欲がなくて、ゼリーか「ごっくん馬路」のようなもの食べたいな」、と話したら、しばらくして馬路村のゼリーと「ごっくん馬路」が届いたよ」と、かみさんから嬉しそうな電話があった。

ほかにも「こんな感じのパジャマがいいのだけど、お父さんに買ってきてもらうわけにもいかないし・・・・」といっていたら希望に沿うような可愛いパジャマが送られてきたとも。そうなんですね、いまや海外から選んで注文すれば、日本のネット販売が自由に利用できるのでした。

病室のベッドから、かけ放題無料の携帯電話、携帯のTVコールでいつでも大写しの顔がライブで見られ顔色までうかがえる時代である。なんと便利なこと、入院する側にとってもこれは安心で心強いようだ。

私が5年ほど前、同じ病院に(放射線治療で)入院した当時、院内では公衆電話しか使えず、ずいぶん不便であったが。ITの進歩には驚きである。

・・・・・・・

きのう病院に行くと、寛解導入療法も5日目、大量抗がん剤にもかかわらず比較的元気だった。

赤血球と血小板の輸血がされていた。白血球はほとんど0近くになり、これから感染に要注意とのこと。どうか何事もなく うまく寛解に到達して欲しい。

がん治療についてもIT並みにもっともっと進歩するように願望して止まない。

・・

昨日帰りに休憩で立ち寄った予島PA、瀬戸大橋は今年で20周年になります。

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