ここのところ毎日レイトンビルでは、氷点下の寒い朝を迎えている。 先週から都合のよいバーン・デーを待っていたのだが、昨日やっと夏からたまっていたゴミを燃やすことが出来た。
一口に家庭のゴミを燃やすと言ってもそんなに簡単な事ではない、「地球温暖化」関連で燃やす物、燃やせる時間などかなりの制限・規制がある。 メンドーシノ・カゥンティでは自分の土地から出た植物系のゴミ以外は燃やせないことになっている、簡単に言えば自分の庭から出たゴミ以外は燃やしてはいけない。
規制が始まった頃に話題になったのは、日本でもお馴染みになった角材2x4(ツーバイフォー)、これは主に杉の木などで作られるのだが、この切りくずも加工品になるので燃やせない事になる。
丁度たき火を初めて煙が上り始めた頃に雁らしき鳥の群れが鳴きながらこちらに向かって飛んで来た。 どうするか見ていると、やはりコースを少し変えてチャンと煙を避けて飛んでいった、やはり鳥だって煙いのは嫌だろう。
鳥の詳細は遠すぎて写せない、ここでもう一度もっとましなカメラがあったらと思った。
バーン・デーのこの日は、この間のスモークド・チキンの「改良版」を行う予定だったので、ゴミ燃やしと両方で家の回りが煙だらけになった。
先回の反省から、マリネを3日に変更、前に使った赤ワインをシェリー酒に変えた。 今回は、同じ8時間のチャーコルを使うのならスモーカーに入るだけのチキンをスモークする方が経済的なのでぎっちぎっちに入れた。
今回のチキンのできばえは、最高でした。 ディナーはスモーカーで一緒に焼いたベークド・ポテトに芽キャベツをスティームしたもの。 そして家で採れたレッドペパーとイエロー・ズッキーニにオニオンをソテーした後ガーリック、ミソ、醤油のソースで似た物、そしてワインは先回のシラーからメンドーシノ産のジンファンデルに。
折角のスモークド・チキン・ディナーの写真はありません、食べるのにむちゅうでした。
ブログに載せたかったのでゴミ燃やしの写真を初めて撮したのだが、ダイナミックに動く炎と煙は非常に興味深く面白いと思った。 後でビデオも撮っておけばと思ったが、やってるときは燃やす作業に夢中で、それどころではなかった。
マルセル・デュシャンがレディメードのバイセクル・ウィールの説明に暖炉の踊る炎のヴィジュアル・エフェクトを引用したと覚えているが、こういった炎の動きからキネティック・アートのコンセプトに入っていったのかなと思ったりした。
バーン・デーの時間は、午前9時から午後3時までに決まっている。 3時になったら水をかけて止めろと言う訳でもないだろうが、規制を作る以上時間も決めなければならないのだろう。
規制を作るサイド、規制をエンフォースするサイド、規制されるサイドとそれぞれどちらにしても楽ではない。 サイドは違っても同じ人が関わる事である。
こういったタイプの規制はどこの国でも同じだろう、集団生活をする上で必要なことなのだが、何処かで線を引かなければ区別が出来ないやり方は非常に原始的で規制に縛られてしまう。
規則やルールといったものは、人の生活をしやすくするためにあるのであって、決してそれによって苦しめられてはならないと思う。
くすぶっていたゴミの煙も夕暮れと共に薄れていった。
まだ明るい西の空に珍しくほんの少し雲があって木々のシルエットの間からマグリット風にシュールに見えた。
沈む夕日で最後に照らされた杉や松の背の高い木の先端がまだ明るくひかっている、そろそろたき火も終わりだ。