しずくな日記

書きたいなあと思ったときにぽつぽつと、しずくのように書いてます。

眠れ眠れ

2012-04-22 23:38:44 | 日記
寝ぼけ眼で家の中を歩いていたら、机の角で足をひどく強くぶつけてしまう。痛い・・。
家に帰ると、何より真っ先に眠ってしまった。やっぱりご飯も食べていない。
最近、何故だかものすごく眠い。
今日は日曜だというのに職場に人がわりにいて、朝からなんだか気を遣ったからかも。

部活でデッサン練習に使ったリンゴ3つ、その場で普通に食べればいいのだけど、
気まぐれで生徒が「ジャムにして食べたい!」というので、
調理室を部活で使えなくなっているから自宅でやってくることにした。
今朝2時頃からジャム作りを始める。丑三つ時。
レシピを見たら、砂糖の量がリンゴの重さと同量なのに焦る。
コンビニにグラニュー糖を買いにいく。夜中でもコンビニは賑わっている。
明るいところに集まって来る虫のように、人がたくさんいた。
雑誌を立ち読みする人、デザートを物色するカップル。
のんびりとした空気はなんだか懐かしい。
夜中にコンビニに来たのなんて何年ぶりだろうと思いながら目的のものとオレンジジュースを買った。

リンゴ550グラムに対して砂糖同量。
レシピにはそうあったけど、多すぎるのでは。
120グラムくらいにしてみた。あんまり少ないと固くなるし、保存がきかないという。
2時間弱ほど焦げ付かないように煮込んで、リンゴが半透明になったら砂糖を入れる。
味見したら、リンゴの甘さでちょうど良い甘さだった。
4時すぎ、もう外はちょっと明るくなりかけていたけど、
眠ると起きられないだろうから、本を読みながら起きていた。
帚木蓬生さん『閉鎖病棟』を読んでいる。まだ全て読み終わっていないけど、
作者は現役の精神科医らしい。設定が細やかだ。

そういえば、実家の近くに精神科の病院があった。
病院は山沿いにあって、あまり近所の人は近づかなかった。
その病院を示す隠語まであったように思う。とにかく患者さんは世間から差別されていた。
そこの患者さんを送り迎えするバスの運転手を、今は亡き祖母の、年の離れた弟さんがしていた。
患者さんたちは世間からひどく差別を受けていたけど、
そこの人たちは、周囲の人が思ってるよりずっとしっかりとしてると、
親戚の集まりのとき、弟さんが言っていた。それを思い出した。

やむにやまない事情や先天的なもので、取り返しのつかないことをして、
閉鎖病棟で人生を送る人々、その一人ひとりにスポットがあたる。
人を理解するには、その人の全バックグラウンドまで踏み込まなければいけないときもある。
それがとても辛いときもある。
人を相手にする職業だから、そこらへんは大切なことだ。
うまくまだ表現できないけど、読んで良かったと思う。

社会の端で生きる人や底辺で生きる人の心のありようも少しでも汲める人間でありたい。
大学のとき、ゼミの担当教授から学んだことの一つだと思い出した。

教授は元高校の教員で、心優しい正義感溢れる先生だった。
ゼミ生4人で先生の自宅で奥さんお手製のご飯をいただいたこともある。
ゼミ生の中で私だけが女性だったこともあり、とても大事にしていただいた。
食が偏っている私に対していつも、ちゃんと食べなさいよ、とずっと言っていた。
先生が主催した社会調査にも、一週間の泊まりがけで参加した。
一軒一軒家を回り、お話を聴いた。たくさんの他大学の学生とも親しくなった。
温かい人の回りでは、温かい輪ができた。懐かしい。
諦めがちでさめた世間の中で、先生はずっと熱い人だった。
学問をというより、先生の熱い生き方を何より学んだ。
あんな風でありたいとずっと思っている。

心が弱って冷えるとき、温かい仲間が自分にもたくさんいたことを思い出す。
昔のことを思い出すのは、
新年度、気を遣っているわりには心は全然開けていなくて心底疲れているからかもしれない。
一人だけ周囲とテンションが違うように思えるときがある。
それでもいいと割り切っていても、時々何かが押し寄せて来る。よくわからない。

考えても答えも出ない。
そんな日はとにかく眠って眠って、夢も見ないでひたすら眠る。