自由の風、教科書ネットなど7団体が呼びかけ人となり開催した
「教育に自由を!2.10集会」に参加しました。
(中野ゼロ小ホール 参加者550人)
プログラムは下記です。
1 「東京都教育委員会」を告発する!
渡部謙一さん(都立高校 元校長)
2 リレートーク
3 「教え子を学校に送れるか?」
安藤聡彦さん(元国立市教育委員・埼玉大学教授)
4 ミニコンサート 岡 史明さん
5 「日の丸・君が代」裁判報告
水口洋介弁護士&原告
6 対談 鈴木邦男さんVS小森陽一さん
7 行動提起 俵 義文さん
渡部さんは退職3年目の元校長で、
都教委による最近の都立高校の特徴
すなわち成果主義、評価制度、競争化、経営化などを解説され
これらは">「指導と助言」から「命令と強制」への変質であり
すべて憲法否定のうえに成立していると
結論されました。
渡部さんは、勤務していた学校が今春閉校になるのに
「来賓にふさわしくない」として招かれなかったそうです。
(板橋高校・藤田先生を思い出させる対応ですね)
リレートークは5人の方がスピーチされました。
印象に残った発言をいくつか紹介します。
○都立高校2年の生徒の発言
「校長が私服から標準服制定を強引に行なおうとした。
生徒にアンケートを取ったら7割が反対だったので、生徒会で申し入れた。
副校長は『校長先生がお決めになったことだから』と言うばかり。
せめて外部発表する前に在校生に説明してほしいと申し入れたが、
何の返事もないまま2週間後の学校説明会で既定事項として説明されていた。
本来、学校は強制とは無縁な場所のはず。
「どうしてそんな大人のいうことを聞かないといけないのか」
○家裁調停官の方の発言
「少年犯罪の凶悪化、低年齢化が叫ばれている。
しかし統計をみると1960年ころは少年の殺人事件(未遂含む)が
年間300人くらいだったのが、2005年、2006年は50人で
けしてそんなことはない。
いま14歳未満の少年も警察で取り調べようという少年法改悪が
進行しつつある。国家のための国民を育成しようとする動きは
憲法や教育基本法改悪の流れと軌を一にしている」
○新宿教組の方の発言
「新宿では昨年採用されたばかりの女性教諭が6月1日に自殺するという
痛ましい事件があった。背景には教科担任制を強引に導入したこと、
校長のパワハラがある。また全国では毎年70―80人の教員が
自殺している。しかし公務災害に認定されていない。
新宿教組ではではこの方の死をムダにするな、と単学級への新採者の
担当をしないように、また研修や報告を軽減するように申入れをしている」
(なお、この事件の詳細は「世界」2月号に掲載されているそうです)
安藤さんは、1999年10月から1年間、国立市の教育委員を務められたが
ちょうど2000年3月に国立2小、5小の卒業式問題が起こり
サンケイは書き立てるは、右翼が押し寄せるは、大変なことになった。
8月に教員が処分されたが、「子どもは教え込まれる存在であり、
自分の意見は持たない、裏に教員のさしがねが
あるはずだ」ということで、それまで国立にあった
「子どもの声の声を聞く文化」が消え、子どもを信用しなくなった。
また「話し合いで解決する」カルチュアもなくなった。
そしてこの風潮は国立から東京都全体に、さらに埼玉にも波及している。
また自分の教え子が着任2週間で図工室で自殺する事件が起きた。
教委が即戦力となる学生を採用しようとする一方で、
最近の若者は、自分のことを話そうとすると体が震えてしまう。
そこで若い教員向けのシェルターが必要だと感じている。
闘うシンガーソングライター・岡史明さんのミニコンサートをはさみ
後半は、君が代強制解雇訴訟原告団と弁護士から始まりました。
水口洋介弁護士は
「都立高校の教員には65歳まで1年契約で再雇用される制度がある。
交通事故や地教行法に違反した人も含め1000人いれば997人が
採用されている。原告団の方も2004年1月にいったん合格したものの
国旗国歌に従わなかったことで3月末合格取消しになった。
これは思想良心の自由を理由にした処分であり、
再雇用を人質に取る悪代官のような卑劣なやり方である。
3月末か4月初めに出る判決に注目してほしい」
と訴えられました。
鈴木邦男さん(新右翼団体顧問、評論家、河合塾講師、
日本ジャーナリスト専門学校講師)と小森陽一さん
(東京大学教授・「九条の会」事務局長)の対談は
愛国心教育をテーマにしたものでした。
鈴木さんは生長の家学生道場に入っていたころから数えると
通算5000回以上国旗掲揚国歌斉唱をやっている、
その自分にすら愛国心など教えられない。
いったいどうやって愛国者資格A,B,Cなどと判定するのだろうか。
卒業式に都教委の職員がチェックに来るようだが
チェックしている人が歌っていないはずだ。
その人こそ非国民である。
自分は日の丸君が代が大好きで大切にしたい。
だが、強制される国旗国歌はかわいそうだ。
また最近愛国心を叫ぶ右翼系大学教授には免疫がない。
素人なので危ない面がある。
愛国心は自己申告なので、声の大きい人が勝つ傾向がある。
(自分以外は)売国奴、非国民で、それなら「殺してもよい」とも
なりかねない。愛国心を教えられたために、放火・殺人をする人も
出てくるかもしれない。
改憲について、わたくしは「自由のない憲法」より「自由のある占領憲法」
のほうがましだと思う、と述べられました。
小森さんは、愛は知識ではない。
人間の判断は2種類に分けられる。カントの用語を使うと
好き嫌いや好みは「美的判断」で正しいかどうかは問えない。
もうひとつは認識論的判断である。
愛を証明することは不可能である、と述べられました。
最後に俵義文さんから、今国会で目論まれている教育三法改悪を
阻止し、憲法改悪の動きをストップをかけよう、との
行動提起がありました。
☆終了したのは9時半、とても充実したプログラムでした。
そのため報告も長文になりました。
☆鈴木邦男さんのお話は抱腹絶倒で、
「愛国者は信用できるか」(講談社現代新書)などの著書も
飛ぶように売れていました。
「教育に自由を!2.10集会」に参加しました。
(中野ゼロ小ホール 参加者550人)
プログラムは下記です。
1 「東京都教育委員会」を告発する!
渡部謙一さん(都立高校 元校長)
2 リレートーク
3 「教え子を学校に送れるか?」
安藤聡彦さん(元国立市教育委員・埼玉大学教授)
4 ミニコンサート 岡 史明さん
5 「日の丸・君が代」裁判報告
水口洋介弁護士&原告
6 対談 鈴木邦男さんVS小森陽一さん
7 行動提起 俵 義文さん
渡部さんは退職3年目の元校長で、
都教委による最近の都立高校の特徴
すなわち成果主義、評価制度、競争化、経営化などを解説され
これらは">「指導と助言」から「命令と強制」への変質であり
すべて憲法否定のうえに成立していると
結論されました。
渡部さんは、勤務していた学校が今春閉校になるのに
「来賓にふさわしくない」として招かれなかったそうです。
(板橋高校・藤田先生を思い出させる対応ですね)
リレートークは5人の方がスピーチされました。
印象に残った発言をいくつか紹介します。
○都立高校2年の生徒の発言
「校長が私服から標準服制定を強引に行なおうとした。
生徒にアンケートを取ったら7割が反対だったので、生徒会で申し入れた。
副校長は『校長先生がお決めになったことだから』と言うばかり。
せめて外部発表する前に在校生に説明してほしいと申し入れたが、
何の返事もないまま2週間後の学校説明会で既定事項として説明されていた。
本来、学校は強制とは無縁な場所のはず。
「どうしてそんな大人のいうことを聞かないといけないのか」
○家裁調停官の方の発言
「少年犯罪の凶悪化、低年齢化が叫ばれている。
しかし統計をみると1960年ころは少年の殺人事件(未遂含む)が
年間300人くらいだったのが、2005年、2006年は50人で
けしてそんなことはない。
いま14歳未満の少年も警察で取り調べようという少年法改悪が
進行しつつある。国家のための国民を育成しようとする動きは
憲法や教育基本法改悪の流れと軌を一にしている」
○新宿教組の方の発言
「新宿では昨年採用されたばかりの女性教諭が6月1日に自殺するという
痛ましい事件があった。背景には教科担任制を強引に導入したこと、
校長のパワハラがある。また全国では毎年70―80人の教員が
自殺している。しかし公務災害に認定されていない。
新宿教組ではではこの方の死をムダにするな、と単学級への新採者の
担当をしないように、また研修や報告を軽減するように申入れをしている」
(なお、この事件の詳細は「世界」2月号に掲載されているそうです)
安藤さんは、1999年10月から1年間、国立市の教育委員を務められたが
ちょうど2000年3月に国立2小、5小の卒業式問題が起こり
サンケイは書き立てるは、右翼が押し寄せるは、大変なことになった。
8月に教員が処分されたが、「子どもは教え込まれる存在であり、
自分の意見は持たない、裏に教員のさしがねが
あるはずだ」ということで、それまで国立にあった
「子どもの声の声を聞く文化」が消え、子どもを信用しなくなった。
また「話し合いで解決する」カルチュアもなくなった。
そしてこの風潮は国立から東京都全体に、さらに埼玉にも波及している。
また自分の教え子が着任2週間で図工室で自殺する事件が起きた。
教委が即戦力となる学生を採用しようとする一方で、
最近の若者は、自分のことを話そうとすると体が震えてしまう。
そこで若い教員向けのシェルターが必要だと感じている。
闘うシンガーソングライター・岡史明さんのミニコンサートをはさみ
後半は、君が代強制解雇訴訟原告団と弁護士から始まりました。
水口洋介弁護士は
「都立高校の教員には65歳まで1年契約で再雇用される制度がある。
交通事故や地教行法に違反した人も含め1000人いれば997人が
採用されている。原告団の方も2004年1月にいったん合格したものの
国旗国歌に従わなかったことで3月末合格取消しになった。
これは思想良心の自由を理由にした処分であり、
再雇用を人質に取る悪代官のような卑劣なやり方である。
3月末か4月初めに出る判決に注目してほしい」
と訴えられました。
鈴木邦男さん(新右翼団体顧問、評論家、河合塾講師、
日本ジャーナリスト専門学校講師)と小森陽一さん
(東京大学教授・「九条の会」事務局長)の対談は
愛国心教育をテーマにしたものでした。
鈴木さんは生長の家学生道場に入っていたころから数えると
通算5000回以上国旗掲揚国歌斉唱をやっている、
その自分にすら愛国心など教えられない。
いったいどうやって愛国者資格A,B,Cなどと判定するのだろうか。
卒業式に都教委の職員がチェックに来るようだが
チェックしている人が歌っていないはずだ。
その人こそ非国民である。
自分は日の丸君が代が大好きで大切にしたい。
だが、強制される国旗国歌はかわいそうだ。
また最近愛国心を叫ぶ右翼系大学教授には免疫がない。
素人なので危ない面がある。
愛国心は自己申告なので、声の大きい人が勝つ傾向がある。
(自分以外は)売国奴、非国民で、それなら「殺してもよい」とも
なりかねない。愛国心を教えられたために、放火・殺人をする人も
出てくるかもしれない。
改憲について、わたくしは「自由のない憲法」より「自由のある占領憲法」
のほうがましだと思う、と述べられました。
小森さんは、愛は知識ではない。
人間の判断は2種類に分けられる。カントの用語を使うと
好き嫌いや好みは「美的判断」で正しいかどうかは問えない。
もうひとつは認識論的判断である。
愛を証明することは不可能である、と述べられました。
最後に俵義文さんから、今国会で目論まれている教育三法改悪を
阻止し、憲法改悪の動きをストップをかけよう、との
行動提起がありました。
☆終了したのは9時半、とても充実したプログラムでした。
そのため報告も長文になりました。
☆鈴木邦男さんのお話は抱腹絶倒で、
「愛国者は信用できるか」(講談社現代新書)などの著書も
飛ぶように売れていました。
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