◆ 誘導・洗脳の「道徳」教科書
~「徳目」の自己評価?!~ (ひのきみ通信 Web版)
この4月から、小学校に「特別の教科 道徳」なるものが導入された。
文部科学省の学習指導要領によると、「道徳的な判断力,心情,実践意欲と態度を育てる」教科だということになっている。しかし、その内容たるや、「自分自身に関すること」「人との関わりに関すること」「集団や社会との関わりに関すること」「生命や自然,崇高なものとの関わりに関すること」の4項目についていくつもの徳目が羅列されており、全体的に子どもたちを各徳目に誘導する構造になっている。
この指導要領にもとづいて作られた教科書であるわけだから、各社とも徳目誘導という特質は免れない。また、各社とも紋切り型の「よい子」を作ろうという姿勢が目立っている。なかでも「教育出版」は、誘導的な内容が目立つということで、きわめて異質である。
来年の4月からは、中学校でもこの「特別の教科 道徳」が始まることになっている。現在、検定に合格している教科書は、つぎの8社のものである。
日本教科書 (日科)
光村図書 (光村)
学研みらい (学研)
廣済堂あかつき (あかつき)
日本文教出版 (日文)
東京書籍 (東書)
教育出版 (教出)
学校図書 (学図)
そして、各採択区では、来年度用の中学校「道徳」教科書の選定作業が進行中である。
このうち、「教育出版」は、小学校「道徳」教科書に引き続き、貝塚茂樹氏が著者の代表格である。また、「日本教科書」は八木秀次氏が「道徳」教科書出版のために設立した会社であり、「日本会議」直系と位置づけるべきものである。
各教科書の詳しい内容については、「子どもと教科書全国ネット21」などが分析を公表しているので、そちらを参照していただきたい。
ここでは、各教科書にある、生徒の自己評価という欄に注目してみたい。
自己評価欄を設けているのは「日科」「あかつき」「日文」「東書」「教出」の5社であるが、そのうち徳目そのものについて自分自身を数値評価させているのは「日科」「あかつき」「教出」の3社である。
この3社のうち、「日科」について詳しく見てみよう。
「日本教科書」は、各学年末に「一年間を振り返りましょう」というページがあり、そこに「○年生の心の成長を振り返りましょう」という自己評価項目がある(文末に引用)。
ここでは、27項目の徳目について、つぎの4つのレベルで自己評価することになっている。
たとえば、「国を愛し、伝統や文化を受け継ぎ、国を発展させようとする心」という徳目に対して、客観的かつ批判的に「意味はよく理解しているが、強調しすぎると危険なこともある」という評価は選択できないようになっているし、批判的評価が選択できないようになっていること自体が巧妙に隠されているのである。
つまり、「わたしはどのレベルにあてはまるだろう」と考えた時点で、すでに誘導に絡め取られているという構造になっているわけである。
このように、本当に伝えたいメッセージを隠して、相手に意識できないようにしながら誘導するやりかたは、典型的な洗脳のテクニックに見られるものである。

日本教科書の数値による自己評価表
「廣済堂あかつき」は、単純に数値のみ5段階の自己評価である。
「教育出版」は、「心かがやき度」という3段階の☆印に自己評価をつけるものである。
しかし、いずれにせよ、誘導された徳目を自己評価させることによって、自らすすんで自分自身を束縛するように仕向けるという点では、「日本教科書」と変わるところはない。
このような教科書は、とても子どもたちに渡せるものではない。この原稿が読まれている時点では、各採択区はまだ採択すべき教科書を決定していない段階であろう。子どもたちの「心」に対する誘導を許さないために、いまできることをやっておく必要があるのではないか。
『ひのきみ通信 Web版』(2018年6月30日)
http://hinokimitcb.web.fc2.com/html/18/213.htm
~「徳目」の自己評価?!~ (ひのきみ通信 Web版)
みつはし ひさお(千葉高退教)
この4月から、小学校に「特別の教科 道徳」なるものが導入された。
文部科学省の学習指導要領によると、「道徳的な判断力,心情,実践意欲と態度を育てる」教科だということになっている。しかし、その内容たるや、「自分自身に関すること」「人との関わりに関すること」「集団や社会との関わりに関すること」「生命や自然,崇高なものとの関わりに関すること」の4項目についていくつもの徳目が羅列されており、全体的に子どもたちを各徳目に誘導する構造になっている。
この指導要領にもとづいて作られた教科書であるわけだから、各社とも徳目誘導という特質は免れない。また、各社とも紋切り型の「よい子」を作ろうという姿勢が目立っている。なかでも「教育出版」は、誘導的な内容が目立つということで、きわめて異質である。
来年の4月からは、中学校でもこの「特別の教科 道徳」が始まることになっている。現在、検定に合格している教科書は、つぎの8社のものである。
日本教科書 (日科)
光村図書 (光村)
学研みらい (学研)
廣済堂あかつき (あかつき)
日本文教出版 (日文)
東京書籍 (東書)
教育出版 (教出)
学校図書 (学図)
そして、各採択区では、来年度用の中学校「道徳」教科書の選定作業が進行中である。
このうち、「教育出版」は、小学校「道徳」教科書に引き続き、貝塚茂樹氏が著者の代表格である。また、「日本教科書」は八木秀次氏が「道徳」教科書出版のために設立した会社であり、「日本会議」直系と位置づけるべきものである。
各教科書の詳しい内容については、「子どもと教科書全国ネット21」などが分析を公表しているので、そちらを参照していただきたい。
ここでは、各教科書にある、生徒の自己評価という欄に注目してみたい。
自己評価欄を設けているのは「日科」「あかつき」「日文」「東書」「教出」の5社であるが、そのうち徳目そのものについて自分自身を数値評価させているのは「日科」「あかつき」「教出」の3社である。
この3社のうち、「日科」について詳しく見てみよう。
「日本教科書」は、各学年末に「一年間を振り返りましょう」というページがあり、そこに「○年生の心の成長を振り返りましょう」という自己評価項目がある(文末に引用)。
ここでは、27項目の徳目について、つぎの4つのレベルで自己評価することになっている。
1レベル:意味はわかるけれど、大切さを感じない。これ自体がじつに巧妙な誘導になっていることに、お気づきだろうか。これら4レベルは、各徳目について肯定的な評価しか選択肢がないのだ。
2レベル:大切さや意味はわかるけれど、態度や行動にすることができない。
3レベル:大切さや意味は理解していても、態度や行動にできる時とできない時がある。
4レベル:大切さや意味は理解していて、多くの場面で態度や行動にできている。
たとえば、「国を愛し、伝統や文化を受け継ぎ、国を発展させようとする心」という徳目に対して、客観的かつ批判的に「意味はよく理解しているが、強調しすぎると危険なこともある」という評価は選択できないようになっているし、批判的評価が選択できないようになっていること自体が巧妙に隠されているのである。
つまり、「わたしはどのレベルにあてはまるだろう」と考えた時点で、すでに誘導に絡め取られているという構造になっているわけである。
このように、本当に伝えたいメッセージを隠して、相手に意識できないようにしながら誘導するやりかたは、典型的な洗脳のテクニックに見られるものである。

日本教科書の数値による自己評価表
「廣済堂あかつき」は、単純に数値のみ5段階の自己評価である。
「教育出版」は、「心かがやき度」という3段階の☆印に自己評価をつけるものである。
しかし、いずれにせよ、誘導された徳目を自己評価させることによって、自らすすんで自分自身を束縛するように仕向けるという点では、「日本教科書」と変わるところはない。
このような教科書は、とても子どもたちに渡せるものではない。この原稿が読まれている時点では、各採択区はまだ採択すべき教科書を決定していない段階であろう。子どもたちの「心」に対する誘導を許さないために、いまできることをやっておく必要があるのではないか。
『ひのきみ通信 Web版』(2018年6月30日)
http://hinokimitcb.web.fc2.com/html/18/213.htm
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