7月17日の東京新聞の記事にあるように、豊多摩高校の屋上にドコモ基地局を設置することは中止させました。このことについて、豊多摩高校の教員から、報告が寄せられましたのでアップします。
☆★☆ ドコモついに豊多摩高校屋上への基地局建設を断念 ☆★☆
3月30日に、断りもなくいきなり始まった都立豊多摩高校屋上のドコモの携帯基地局工事は、4月6日の始業式の日に中断してから、何度か工事再開の動きがあったものの、広範な反対の声を説得しきれず、ついに7月14日ドコモは工事続行を断念しました。
建設されれば、東京都の公立学校では初めてのアンテナになるところでした。これが阻止された意味は大きい。これで今後、都立高に基地局という安全性に疑問がある施設が建てられる恐れはなくなったでしょう。
★ 電磁波の安全性を説明しきれず ☆
ドコモ広報部は
「保護者や地域のみなさんに説明を重ねてきたが、工事再開のめどが立たないため、別の施設に設置することにした」
とコメントしたそうです。(『東京新聞』(2009/7/17))
つまり、電磁波の安全性や、学校施設の営利目的使用について、関係者の理解を得られなかったことを認めたのです。(「別の施設」というのも、これだけ地元の反対が強いのだから簡単に見つかるとは思われず、強がりに過ぎないと思われます。)
都教委は
「手続きに問題はなかったが、今後は保護者や地域住民らが反対している場合は慎重に判断したい」
とコメントしたそうです。(同上)
保護者や地域住民の反対を押し切ってまで建設はしないという方針を示したことになります。
★ 学校施設へ建てることに公益性はない ☆
都教委は「手続に問題はなかった」と自己弁護を企てていますが、とんでもない。十分な調査もせずに安易に営利企業体に「学校施設使用許可」を出したことが問題の発端であり、自らの判断の誤りを素直に認めて「施設使用許可」を取り消すことこそ真の解決なのです。「管理運営事項」とか「専決事項」と威張って交渉に応じなかったのだから、それだけの責任を取ってもらわなければ困ります。
電磁波の人体に与える影響は未知数の部分が大きく、WHOは2012年に向けて疫学調査を進めていると言います。いくら携帯電話が便利だからと言って、リスクとのバランスを考えなければなりません。ほとんどの国民が保有するようになった現在、これ以上の高性能化・高機能化のために基地局を際限なく増やしていくことにどれだけ意味があるでしょうか。これから、学校や病院まで設置の対象になるとしたら、社会的リスクがあまりにも大きいと言わなければなりません。
★ 生徒のため、学校のため、地域のためのネットワーク ☆
「工事再開の目処が立たない」ことになったのは、保護者や地域の皆さんが、生徒や住民の健康と安全を心配して、キッパリ反対の声をあげたからです。
【マスコミで】
4月5日の『東京新聞』で、「高校屋上に携帯基地局」の大きな見出しで記事が掲載されました。これをきっかけに校長・都教委はそれまでの「無用の混乱を招きかねないから説明は必要ない」の問答無用路線から、慎重姿勢に路線転換しました。
【地域住民から】
3月末の工事着工の直後から、地元から苦情の声が上がり、何度も校長に申し入れが行われ、「基地局建設反対する会」が結成され、反対署名活動が始まり、183筆の署名を校長と都教委に提出し、納得のいく説明と工事の見直しを要求し続けました。
【専門家による勉強会】
地元住民主催の「電磁波被害問題勉強会」には、市民研究家の大久保貞利氏が招かれ、日本のマスコミでは報道されない海外の研究成果や厳しい規制の現状などが紹介され、目に見えない電磁波の危険性を基礎から学ぶことが出来ました。
【保護者から】
事前に何の連絡もないまま工事が始まったことに反発が広がり、PTA総会ではドコモの説明に納得せず「臨時総会」で改めて会員の総意を問うことになりました。その「臨時総会」の前にドコモの撤退が決まりましたが、保護者の理解と協力なしには学校運営は成り立たないことがはっきりしました。
【教員組合から】
豊多摩分会からの呼びかけに対して、都高教各分会から、多数の抗議打電、2290筆の反対署名、分会代表者会議での「携帯基地局建設に反対する決議」と、組合総体をあげた支援活動が展開され、建設阻止の大きな力となりました。
【議員から】
ご近所にお住まいで元PTA会員でもある結柴誠一杉並区議(無所属区民派)が地元の反対運動の先頭に立ち杉並区議会でも問題を取り上げ、現PTA会員の松尾ゆり杉並区議(杉並わくわく会議)が保護者の立場から反対の論陣を張り、地元住民の要請を受けた保坂展人代議士(社民党)が総務省・文科省・ドコモの各々担当者を呼んで説明を求めるなど、社会問題としての広がりも拡大していきました。
こうして、ドコモ・都教委・校長も、一旦立ち上げた工事の途中断念を余儀なくされたのです。
生徒のため、学校のため、地域のため、おかしいことはおかしいと抗議の声をあげ、自然発生的に反対運動のネットワークが形成されていったことが、一旦動き始めた工事を止める力になったのです。
★ 正常な教育活動に復帰できた豊多摩高校 ☆
基地局なんてそもその学校教育には何の必要もないものです。
校長は、当初都教委のいいなりに基地局建設を強引に推進しようとしていましたが、7月15日付で全家庭宛に配布された文書で次のように謝罪しました。
「4月以後、保護者の皆様には、様々なご心配をおかけしたことをお詫びするとともに、ご理解・ご協力いただきましたことに感謝いたします。」
これで豊多摩高校は、ようやく正常な状態に戻り、本来の教育活動に専念できることになりました。天文部の46年ぶりの日食観測も屋上天文台で予定通り行えます。受験を考えている中学生・保護者の皆さんも、安心して豊多摩高校をその選択肢に加えていただけます。生徒の自主・自立を大切し、PTA活動も活発な、しっかりした伝統に支えられた信頼できる学校です。
『都教委包囲・首都圏ネット』(2009/7/19)
http://kenken.cscblog.jp/
☆★☆ ドコモついに豊多摩高校屋上への基地局建設を断念 ☆★☆
3月30日に、断りもなくいきなり始まった都立豊多摩高校屋上のドコモの携帯基地局工事は、4月6日の始業式の日に中断してから、何度か工事再開の動きがあったものの、広範な反対の声を説得しきれず、ついに7月14日ドコモは工事続行を断念しました。
建設されれば、東京都の公立学校では初めてのアンテナになるところでした。これが阻止された意味は大きい。これで今後、都立高に基地局という安全性に疑問がある施設が建てられる恐れはなくなったでしょう。
★ 電磁波の安全性を説明しきれず ☆
ドコモ広報部は
「保護者や地域のみなさんに説明を重ねてきたが、工事再開のめどが立たないため、別の施設に設置することにした」
とコメントしたそうです。(『東京新聞』(2009/7/17))
つまり、電磁波の安全性や、学校施設の営利目的使用について、関係者の理解を得られなかったことを認めたのです。(「別の施設」というのも、これだけ地元の反対が強いのだから簡単に見つかるとは思われず、強がりに過ぎないと思われます。)
都教委は
「手続きに問題はなかったが、今後は保護者や地域住民らが反対している場合は慎重に判断したい」
とコメントしたそうです。(同上)
保護者や地域住民の反対を押し切ってまで建設はしないという方針を示したことになります。
★ 学校施設へ建てることに公益性はない ☆
都教委は「手続に問題はなかった」と自己弁護を企てていますが、とんでもない。十分な調査もせずに安易に営利企業体に「学校施設使用許可」を出したことが問題の発端であり、自らの判断の誤りを素直に認めて「施設使用許可」を取り消すことこそ真の解決なのです。「管理運営事項」とか「専決事項」と威張って交渉に応じなかったのだから、それだけの責任を取ってもらわなければ困ります。
電磁波の人体に与える影響は未知数の部分が大きく、WHOは2012年に向けて疫学調査を進めていると言います。いくら携帯電話が便利だからと言って、リスクとのバランスを考えなければなりません。ほとんどの国民が保有するようになった現在、これ以上の高性能化・高機能化のために基地局を際限なく増やしていくことにどれだけ意味があるでしょうか。これから、学校や病院まで設置の対象になるとしたら、社会的リスクがあまりにも大きいと言わなければなりません。
★ 生徒のため、学校のため、地域のためのネットワーク ☆
「工事再開の目処が立たない」ことになったのは、保護者や地域の皆さんが、生徒や住民の健康と安全を心配して、キッパリ反対の声をあげたからです。
【マスコミで】
4月5日の『東京新聞』で、「高校屋上に携帯基地局」の大きな見出しで記事が掲載されました。これをきっかけに校長・都教委はそれまでの「無用の混乱を招きかねないから説明は必要ない」の問答無用路線から、慎重姿勢に路線転換しました。
【地域住民から】
3月末の工事着工の直後から、地元から苦情の声が上がり、何度も校長に申し入れが行われ、「基地局建設反対する会」が結成され、反対署名活動が始まり、183筆の署名を校長と都教委に提出し、納得のいく説明と工事の見直しを要求し続けました。
【専門家による勉強会】
地元住民主催の「電磁波被害問題勉強会」には、市民研究家の大久保貞利氏が招かれ、日本のマスコミでは報道されない海外の研究成果や厳しい規制の現状などが紹介され、目に見えない電磁波の危険性を基礎から学ぶことが出来ました。
【保護者から】
事前に何の連絡もないまま工事が始まったことに反発が広がり、PTA総会ではドコモの説明に納得せず「臨時総会」で改めて会員の総意を問うことになりました。その「臨時総会」の前にドコモの撤退が決まりましたが、保護者の理解と協力なしには学校運営は成り立たないことがはっきりしました。
【教員組合から】
豊多摩分会からの呼びかけに対して、都高教各分会から、多数の抗議打電、2290筆の反対署名、分会代表者会議での「携帯基地局建設に反対する決議」と、組合総体をあげた支援活動が展開され、建設阻止の大きな力となりました。
【議員から】
ご近所にお住まいで元PTA会員でもある結柴誠一杉並区議(無所属区民派)が地元の反対運動の先頭に立ち杉並区議会でも問題を取り上げ、現PTA会員の松尾ゆり杉並区議(杉並わくわく会議)が保護者の立場から反対の論陣を張り、地元住民の要請を受けた保坂展人代議士(社民党)が総務省・文科省・ドコモの各々担当者を呼んで説明を求めるなど、社会問題としての広がりも拡大していきました。
こうして、ドコモ・都教委・校長も、一旦立ち上げた工事の途中断念を余儀なくされたのです。
生徒のため、学校のため、地域のため、おかしいことはおかしいと抗議の声をあげ、自然発生的に反対運動のネットワークが形成されていったことが、一旦動き始めた工事を止める力になったのです。
★ 正常な教育活動に復帰できた豊多摩高校 ☆
基地局なんてそもその学校教育には何の必要もないものです。
校長は、当初都教委のいいなりに基地局建設を強引に推進しようとしていましたが、7月15日付で全家庭宛に配布された文書で次のように謝罪しました。
「4月以後、保護者の皆様には、様々なご心配をおかけしたことをお詫びするとともに、ご理解・ご協力いただきましたことに感謝いたします。」
これで豊多摩高校は、ようやく正常な状態に戻り、本来の教育活動に専念できることになりました。天文部の46年ぶりの日食観測も屋上天文台で予定通り行えます。受験を考えている中学生・保護者の皆さんも、安心して豊多摩高校をその選択肢に加えていただけます。生徒の自主・自立を大切し、PTA活動も活発な、しっかりした伝統に支えられた信頼できる学校です。
『都教委包囲・首都圏ネット』(2009/7/19)
http://kenken.cscblog.jp/
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