<転送歓迎>(重複ご容赦)
・「都教委包囲首都圏ネットワーク」・「千葉高教組」・「新芽ML」の渡部です。
(東京地裁判決批判3回目)
今回は「第4 争点に対する判断(56~154頁)」のうち、
<1 判断の前提となる事実関係>の
(2)東京都における国旗・国歌の指導状況等(平成10年まで)
(3)東京都における国旗・国歌の指導状況等(平成11~12年まで)
(4)東京都における国旗・国歌の指導状況等(平成13~14年まで)
(5)東京都における国旗・国歌の指導状況等(平成15~16年まで)
(6)東京都における国旗・国歌の指導状況等(平成17年以降)
に関する部分についてですが、(結局(2)(3)だけになりましたが)、ここでは、「判断の前提となる事実関係」(といっても行政側の)が、<棄却判決>は当然とばかりに、これでもかこれでもかと整理されています。
(2)について
(以下(3)~(6)でも同じようなことが出てきますので、
ここでは少し詳しく述べ、(3)~(6)では簡略化します)
都教委は、「学習指導要領の改訂を受けて、平成2年(1990年)2月3日、『新学習指導要領の移行措置について ー入学式・卒業式における国旗・国歌の扱い―』、を作成」し、「各学校の入学式、卒業式などにおける国旗の掲揚、国歌の斉唱指導が、平成2年(1990年)度から、新学習指導要領に即して行われるよう、区市町村教育委員会並びに都立学校において指導する」とし、 「・・・共通理解が得られず実施が困難な状況においては、学習指導要領の法的根拠を示し、校長の責任により実施すること・・」とした、と述べています。
さらに、
・同年2月20日に、同趣旨の内容を盛り込んだ『学年末・学年始めの生活指導について(通知)』・平成6年(1994年)、1月18日、『入学式や卒業式などにおける国旗掲揚及び国歌斉唱の指導について(通知)』を出したことを紹介、
・平成5年度卒業式から平成10年度入学式まで毎年の卒・入学式での「国旗掲揚実施率」・「国歌斉唱実施率」を(小)(中)(高)ごとに紹介し、とくに「国歌斉唱実施率」に関しては、(高)が如何に低いか、ということを全国との比較で紹介しています。
例えば「平成10年度(1998年)入学式」については以下の通りです。
(a)国旗掲揚の実施率 <略>
(b)国歌斉唱の実施率
全国 東京都
小学校 86.6% 83.8%
中学校 84.7% 86.0%
高等学校 80.6% 3.4%
都立養護学校 23.2%
・この結果を受けて都教委は同年11月9日に、都立高等学校長等に対し、『公立小・中・高等学校における入学式及び卒業式での国旗掲揚及び国歌斉唱に関する調査について(通知)』を出し、「指導が適切に行われるよう指導を徹底することを求めた。」としています。
・さらに、同年11月20日に、都立高等学校長に対し、『入学式及び卒業式などにおける国旗掲揚及び国歌斉唱の指導の徹底について(通知)』を≪実施指針≫とともに出した、としています。
要するに、学習指導要領の改訂以来、1999年の「国旗国歌法」制定まで、都教委は一貫して「日の丸・君が代」義務化に向け努力してきた、と述べているのです。
何故反対が強かったのかなどには、全く触れられていません。
(3)(平成11~12年まで)について
この間の大きな出来事は、平成11年(1999年)の「国旗国歌法」の制定でした。
これについてここでは、
・<内閣総理大臣による発言>(二つ)
・<文部大臣による発言>(三つ)
・<内閣官房長官による発言>(四つ)
が紹介され、さらに
・文部省初等中等教育局長及び高等教育局長の(通知)(平成11~12年まで)
・平成10年度卒業式、平成11年度入学式・卒業式、平成12年度の入学式の「国旗掲揚」「国歌斉唱」の実施率の表
・都教委の(通知)
などが事細かに紹介されています。
つまり、「国旗国歌法」の制定により、強制の法的な根拠ができたと言いたいのでしょう。
ここでは、この中の<内閣官房長官による発言>の以下のものについてコメントしておきたいと思います。
「君が代の歌詞は、我が国憲法のもとでは、天皇を日本国及び日本国民統合の象徴とする我が国の末永い平和と繁栄を祈念したものと理解することが適当であると考えており、憲法の主権在民の精神に合致するものである」(1999年6月29日開催の衆議院本会議)
小泉首相がイラクへの自衛隊の派遣の際、憲法前文の一部を都合よく利用して、自衛隊の海外派遣は「違憲ではない」と言いましたが、この発言も同じ性質を持っています。
まず、「君が代の歌詞」は、「天皇の世の中が末永く続くように」という意味でどう読んでも官房長官の言っているような意味ではありません。
そのそも「君が代」は、象徴天皇制の下で作られた歌ではなく、絶対主義天皇制の下で作られた歌であり、天皇制(「天皇」ではない「天皇制」である)賛美、天皇主権を謳った歌に他なりません。
その歌が、歌詞・メロディーも変えられないままで、どうして「憲法の主権在民の精神と合致する」などといえるのでしょうか。
「君が代」は決して「象徴天皇制国家」の歌などではなく、「絶対主義天皇制国家」の歌なのです。
官房長官は、当時国会内外で追い詰められ、苦し紛れに上のような発言をしたのです。
まさに、子供だましの「こじつけ」であり、「ごまかし」であり、「詭弁」であり、「強弁」である以外の何物でもありません。
このような発言を無批判に受け取る裁判所も裁判所です。
長くなりましたので今日はここまでとします。
次回(4)(5)(6)について述べたいと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『第2回 8・12~13「日の丸・君が代」裁判 全国学習・交流集会』
<場 所> 社会文化会館(メトロ永田町下車徒歩6分)
<内 容>
・8月12日(金)
13時 社会文化会館第2会議室集合
14時~17時 諸行動(最高裁要請、文部科学省交渉など)
17時30分~19時30分 交流集会 (社文地下食堂)
・8月13日(土) 社会文化会館第1会議室
9時30分~12時30分 1、諸行動の報告
2、各地からの報告
13時30分~17時 3、討論
*********************************************************
「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
http://kenken.cscblog.jp/
「千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
http://homepage3.nifty.com/hinokimi/
・「都教委包囲首都圏ネットワーク」・「千葉高教組」・「新芽ML」の渡部です。
(東京地裁判決批判3回目)
今回は「第4 争点に対する判断(56~154頁)」のうち、
<1 判断の前提となる事実関係>の
(2)東京都における国旗・国歌の指導状況等(平成10年まで)
(3)東京都における国旗・国歌の指導状況等(平成11~12年まで)
(4)東京都における国旗・国歌の指導状況等(平成13~14年まで)
(5)東京都における国旗・国歌の指導状況等(平成15~16年まで)
(6)東京都における国旗・国歌の指導状況等(平成17年以降)
に関する部分についてですが、(結局(2)(3)だけになりましたが)、ここでは、「判断の前提となる事実関係」(といっても行政側の)が、<棄却判決>は当然とばかりに、これでもかこれでもかと整理されています。
(2)について
(以下(3)~(6)でも同じようなことが出てきますので、
ここでは少し詳しく述べ、(3)~(6)では簡略化します)
都教委は、「学習指導要領の改訂を受けて、平成2年(1990年)2月3日、『新学習指導要領の移行措置について ー入学式・卒業式における国旗・国歌の扱い―』、を作成」し、「各学校の入学式、卒業式などにおける国旗の掲揚、国歌の斉唱指導が、平成2年(1990年)度から、新学習指導要領に即して行われるよう、区市町村教育委員会並びに都立学校において指導する」とし、 「・・・共通理解が得られず実施が困難な状況においては、学習指導要領の法的根拠を示し、校長の責任により実施すること・・」とした、と述べています。
さらに、
・同年2月20日に、同趣旨の内容を盛り込んだ『学年末・学年始めの生活指導について(通知)』・平成6年(1994年)、1月18日、『入学式や卒業式などにおける国旗掲揚及び国歌斉唱の指導について(通知)』を出したことを紹介、
・平成5年度卒業式から平成10年度入学式まで毎年の卒・入学式での「国旗掲揚実施率」・「国歌斉唱実施率」を(小)(中)(高)ごとに紹介し、とくに「国歌斉唱実施率」に関しては、(高)が如何に低いか、ということを全国との比較で紹介しています。
例えば「平成10年度(1998年)入学式」については以下の通りです。
(a)国旗掲揚の実施率 <略>
(b)国歌斉唱の実施率
全国 東京都
小学校 86.6% 83.8%
中学校 84.7% 86.0%
高等学校 80.6% 3.4%
都立養護学校 23.2%
・この結果を受けて都教委は同年11月9日に、都立高等学校長等に対し、『公立小・中・高等学校における入学式及び卒業式での国旗掲揚及び国歌斉唱に関する調査について(通知)』を出し、「指導が適切に行われるよう指導を徹底することを求めた。」としています。
・さらに、同年11月20日に、都立高等学校長に対し、『入学式及び卒業式などにおける国旗掲揚及び国歌斉唱の指導の徹底について(通知)』を≪実施指針≫とともに出した、としています。
要するに、学習指導要領の改訂以来、1999年の「国旗国歌法」制定まで、都教委は一貫して「日の丸・君が代」義務化に向け努力してきた、と述べているのです。
何故反対が強かったのかなどには、全く触れられていません。
(3)(平成11~12年まで)について
この間の大きな出来事は、平成11年(1999年)の「国旗国歌法」の制定でした。
これについてここでは、
・<内閣総理大臣による発言>(二つ)
・<文部大臣による発言>(三つ)
・<内閣官房長官による発言>(四つ)
が紹介され、さらに
・文部省初等中等教育局長及び高等教育局長の(通知)(平成11~12年まで)
・平成10年度卒業式、平成11年度入学式・卒業式、平成12年度の入学式の「国旗掲揚」「国歌斉唱」の実施率の表
・都教委の(通知)
などが事細かに紹介されています。
つまり、「国旗国歌法」の制定により、強制の法的な根拠ができたと言いたいのでしょう。
ここでは、この中の<内閣官房長官による発言>の以下のものについてコメントしておきたいと思います。
「君が代の歌詞は、我が国憲法のもとでは、天皇を日本国及び日本国民統合の象徴とする我が国の末永い平和と繁栄を祈念したものと理解することが適当であると考えており、憲法の主権在民の精神に合致するものである」(1999年6月29日開催の衆議院本会議)
小泉首相がイラクへの自衛隊の派遣の際、憲法前文の一部を都合よく利用して、自衛隊の海外派遣は「違憲ではない」と言いましたが、この発言も同じ性質を持っています。
まず、「君が代の歌詞」は、「天皇の世の中が末永く続くように」という意味でどう読んでも官房長官の言っているような意味ではありません。
そのそも「君が代」は、象徴天皇制の下で作られた歌ではなく、絶対主義天皇制の下で作られた歌であり、天皇制(「天皇」ではない「天皇制」である)賛美、天皇主権を謳った歌に他なりません。
その歌が、歌詞・メロディーも変えられないままで、どうして「憲法の主権在民の精神と合致する」などといえるのでしょうか。
「君が代」は決して「象徴天皇制国家」の歌などではなく、「絶対主義天皇制国家」の歌なのです。
官房長官は、当時国会内外で追い詰められ、苦し紛れに上のような発言をしたのです。
まさに、子供だましの「こじつけ」であり、「ごまかし」であり、「詭弁」であり、「強弁」である以外の何物でもありません。
このような発言を無批判に受け取る裁判所も裁判所です。
長くなりましたので今日はここまでとします。
次回(4)(5)(6)について述べたいと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『第2回 8・12~13「日の丸・君が代」裁判 全国学習・交流集会』
<場 所> 社会文化会館(メトロ永田町下車徒歩6分)
<内 容>
・8月12日(金)
13時 社会文化会館第2会議室集合
14時~17時 諸行動(最高裁要請、文部科学省交渉など)
17時30分~19時30分 交流集会 (社文地下食堂)
・8月13日(土) 社会文化会館第1会議室
9時30分~12時30分 1、諸行動の報告
2、各地からの報告
13時30分~17時 3、討論
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「千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
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