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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

女性・平和・安全保障に関する行動計画案(第2稿)についての意見募集

2014年10月17日 | 人権
 ◆ 文書発言:女性・平和・安全保障に関する国内行動計画 意見交換会in仙台/外務省国際情勢講演会
2014年7月5日
人権NGO 言論・表現の自由を守る会
国連経済社会理事会特別協議資格NGO

「個人通報制度の批准を35年間さぼり続け、
2000年の安保理決議を13年間も放置してきた政府の責任において、
最優先で個人通報制度批准を閣議決定し、
日本の人権を開国するよう安倍内閣に求めましょう!」

 外務省国際情勢講演会 女性・平和・安全保障に関する国内行動計画 意見交換会in仙台「講演会」にご参加のみなさま、こんにちは。
 ジョネットのみなさま、ご準備大変ご苦労様です。
 私は、言論・表現の自由を守る会の事務局長の垣内つね子と申します。
 私は、看護師として20年間民間病院や診療所などで患者中心の看護を実践し、10年前から人権NGOを立ち上げ活動しています。
 今回初めて、被災地の東北で開催される本日の会議に、何とか参加したいと調整しましたが、大変残念ですが仕事の都合上参加できず文書発言とさせていただくことをお許し下さい。
 当会の会員には女川町と仙台出身者もいるため、3・11直後から何度も仙台経由で石巻市・女川町での調査・集会等に参加し、2012年の世界防災閣僚会議in東北に出席した際、地元の会員からみやぎジョネットの草野代表を紹介していただきました。
 当会は、3・11直後、国連経済社会理事会に、プロジェクト・ピースナインを提案してNGO特別協議資格を申請し、翌12年に(NGO特別協議資格)取得し、以来国連人権理事会で国連公認のサイドイベントを開催し、フクシマの被災者の方々にも参加していただいて活動しています。
 7月15~16日にジュネーブの国連欧州本部で自由権規約委員会第6回日本政府報告書審査が行われます。
 当会は、この審査に向けて外務省・総務省・人事院等への要請を行っています。
 7月15日までに安倍内閣が閣議決定すべき課題は「個人通報制度の批准」です。
 2期目の安倍自民党内閣は35年前の宿題を、子どもたちが夏休みに入る前に、直ちに済ませるべきです。
 構造改革・規制緩和によって労働者派遣業も規制緩和され、男性の貧困化も加速する中で、女性の貧困はさらに加速し深刻になっています。“3・11”で被災されたみなさんと日本の市民にとって、今“人間の安全保障”を確立させることが大変急がれています。
 日本政府は、2001年の社旗県規約委員会第3回日本政府報告書審査の結果勧告された「原発の情報開示と万が一の事故の際の万全の対策をとること(パラグラフ22)「震災弱者」「2重ローン」に関する勧告も完全に無視してきました。それどころか翌年、委員会に対して反論までして勧告の実施を拒否しています。
 その結果、2011年の東日本大震災と東京電力福島第1原発爆発による核惨害によって、万が一の事故に対する備えさえなかったために、子どもたちに甲状腺がん予防の安定ヨウ素剤すら効果的な時間に投与されていません。
 震災弱者や2重ローンの問題に対する救済施策も、(日本政府は社会権規約委員会から)勧告された翌年、委員会に対して反論まで行って勧告の実施をさぼったために、被災者の被害がさらに拡大し続け、今なお有効な政策がとられず深刻な人権侵害が続いています。
 日本国憲法第99条で「天皇または摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官、その他の公務員はこの憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」都、大臣や国会議員に対する遵守義務往立っている“日本政府が批准済みの人権条約”を遵守させることが不可欠です。
 日本の人権保証を国連の人権水準に引き上げるためには、そのための通行証のような“個人通報制度の批准”が不可欠です。
 三度世界大戦をおこさせないために、1945年に国際連合が創設され、1948年に世界人権宣言を発し、1976年に人権条約として法的拘束力を持つ国際人権規約(自由権規約・社会権規約)を発効させ、国連における人権尊重の流れは様々なせめぎあいの中でも確実に前進しています。
 第2次世界大戦の侵略国である日本の政府は、本来なら2000年の国連安全保障理事会で採択された第1325号決議を世界に先駆けて実施すべきだったのです。
 しかし、日本政府はこの決議を無視し続けてきました。
 2006年に国連人権委員会が人権理事会に昇格し、日本政府は現在3期目の人権理事国であるにもかかわらず人権鎖国政策を続けています。この日本政府に対して、2012年の第2回UPR(普遍的定期的)日本政府審査においてオーストリアが「個人通報制度の批准」と「フクシマの人々に対する抜本的対策」を求め勧告しました。
 日本政府が、今回この1325号決議の国内行動計画を策定する途中でも、直ちに行わな得ればならないことは、人権条約に備わっている個人通報制度を即時批准して人権鎖国を解いて人権を開国することです。
 人権鎖国の重い扉を開けるカギはただ一つ、「個人通報制度」の批准です。
 この課題は、緊急かつ実現可能な課題です。


 自由権規約・子どもの権利条約・拷問と禁止条約・女性差別撤廃条約など日本政府が批准済みの人権条約に備わっています。1979年に自由権規約(人類普遍の基本的人権:市民的政治的権利を保障)と社会権規約(経済的・社会的・文化的権利)の批准を採択した国会では、同時に「自由権規約第1選択議定書(個人通報制度)も早期に批准する」と当時の国会では全会一致で採択しています。
 しかし、35年後の今尚、国連人権条約機関やUPR審査において再三個人通報制度の批准を求められているにもかかわらず、一つも批准していません。OECD加盟国の中で、いずれの個人通報制度も批准していないのは日本だけです。すでに、お隣の勧告も自由権規約の第1選択議定書(個人通報制度)を批准しています。
 安保理決議1325国内行動計画を策定するためにと今年の4月、外務省人権人道課の中に「女性参画室」を新たに設置しましたが、4年前の2010年に外務省は個人通報制度を批准するために「条約履行室」を開設しています。拷問等禁止条約の個人通報制度は、閣議決定だけ批准でき、2011年5月に、この拷問等禁止条約の個人通報制度批准の動きを読売新聞が報じていました。
 子どもの権利条約の個人通報制度も4月に発効しており、日本政府は子どもの権利の個人通報制度の国連総会への提案国です。もう時間の問題であり、第2次世界大戦侵略国日本が、憲法違反の集団的自衛権を認める行為は自由権規約第20条に明確に違反する行為であり、閣議決定を撤回しなければ、国連人権理事会資格をはく奪され、国連から追放されるべき事態なのです。
 黒船が来て日本経済は開国し、明治時代の富岡製糸工場はすでに文化遺産としてユネスコに登録されました。しかし、人権は未だ鎖国状態です。
 日本の女性差別の民法や公職選挙法こそ、「負の遺産」としてユネスコ登録すべき事態です。
 「世界人権宣言」は、人権及び自由を尊重し確保するために「すべての人民と全ての国とが達成すべき共通の基準」を定めたものであり、人権の歴史において重要な地位を占めています。世界人権宣言の内容をふえんし、条約化したものが「国際人権規約(自由権規約・社会権規約)」です。
 日本国憲法第98条で、「この憲法は、国の最高法規であってその条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部または一部は、その効力を有しない。
 日本国が締結した条約及び国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」と日本が批准した条約の遵守義務をうたっています。
 日本政府が批准済みの人権条約を憲法第98条第2項で遵守義務をうたっているにもかかわらず、日本政府が、無視し続け、憲法第9条改悪路線に突き進む事態を目の当たりにし、当会は「プロジェクト・ピースナイン」を提唱し、日本における人間の安全保障の危機的状態について国連にレポートを提出し、国連欧州本部で国連公認のサイドイベントを開催し、人権理事会や自由権規約委員会などで発言しています。
 2012年の世界防災閣僚会議in東北には、人権NGOとして国連において政府と対等な立場で発言できる経済社会理事会特別協議資格を取得して参加しました。内閣府主催の会議でも提言し、玄葉光一郎外務大臣(当時)にも直接(個人通報制度を)即時批准するよう要望しました。
 昨年8月、2000年に安保理決議第1325号を採択した当時の国連総会議長のチャウドリー氏の講演会に参加し、その後、外務省が9月から主宰した会議及び少人数グループ会議に参加し「1、説明会を47都道府県で開催すべきである。2、国連の人権条約機関審査の結果、日本政府に対して出された勧告を誠実に実施すること」等提言し、今年3月に日本記者クラブでの、UNウィメンのムランボ・ヌクカ事務局長講演の際にも、ムランボ事務局長に対して「女性の問題を解決するためには経済も重要であるが、それ以前に、日本政府が批准している国連の人権条約に備わっている個人通報制度を批准して司法を独立させて三権分立を確立し、さらに表現の自由と参政権に対して課された日本の公職選挙法(文書配布禁止・戸別訪問禁止規定)と国家公務員法(第102条・人事院規則14-7および第110条)などに組み込まれている弾圧規定を破棄させて、市民の参政権を確立させることが不可欠」であることについて発言しました。
 是非皆さんも、代表を国連に派遣して、みなさんの声を直接国連に届けてください。
以上

■参考資料
 ※自由権規約委員会第5回日本政府報告書審査 最終見解:勧告 2008年10月
 ≪表現の自由と参政権≫
 パラグラフ26.委員会は、公職選挙法の下、事前選挙運動期間中に配布される文書の枚数や形式に対する制限と同じく、戸別配布の禁止のような、表現の自由や公的な活動に参加する権利に対しての不合理な制限に、懸念を有している。
 また、政治活動を行った者や公務員が、政府を批判する内容のビラを個人の郵便受けに配布したことにより、住居侵入罪あるいは国家公務員法で逮捕され、起訴される報告に関して懸念を抱く。(第19条、25条)
     締約国は、規約第19条及び25条で保証されている政治運動や活動を、警察や検察官、そして裁判所が不当に制限することを防ぐために、表現の自由や公的な活動に参加する権利を不合理に制限している法律を撤回すべきである。
 ※社会権規約委員会第3回日本政府報告書審査 勧告:2001年
 ≪原発事故の防止・対策≫
 パラグラフ22.委員会は、原子力発電所で事故が生じているとの報告があること、そのような施設の安全性に関して透明性が欠けておりかつ必要な情報公開が行なわれていないこと、および、原子力事故の防止および処理に関して全国規模および地域規模で事前の備えが行なわれていないことを、懸念する。
 パラグラフ49.委員会は、原子力発電施設の安全性に関わる問題について透明性を向上させ、かつ関係住民に対してあらゆる必要な情報をいっそう公開することを勧告し、さらに、締約国に対し、原子力事故の防止および事故に対する早期対応のための計画の作成を促進するよう促す。
 ≪震災弱者≫
 パラグラフ27.委員会は、阪神淡路大震災ののち兵庫県が計画および遂行した大規模な再定住プログラムにもかかわらず、もっとも大きな影響を受けた層がかならずしも充分な協議の対象とされず、その結果、ひとり暮らしの多くの高齢者が現在、個人的な注意をほとんどまたはまったく向けられないまま、まったく馴染みのない環境下で生活していることを懸念する。家族を失った人々に対しても、精神的または心理的治療がほとんどまたはまったく提供されていない模様である。再定住した60歳以上の被災者の多くは、コミュニティ・センターがなく、保健所を利用できず、かつ外来看護を受けることができないでいる。
 パラグラフ54.委員会は、締約国が、兵庫県に対し、とくに高齢者および障害のある人々に対するコミュニティ・サービスを改善および拡大するよう奨励することを勧告する。
 ≪2重ローン≫
 パラグラフ28.委員会は、阪神淡路地域に住む地震の被災者の貧困層にとって、住宅再建資金の調達がますます困難なものとなりつつあることに懸念とともに留意する。自宅を再建できないまま、すでに負っている住宅ローンを清算するために資産売却を余儀なくされた人々も存在する。
 パラグラフ55.委員会は、締約国が、規約第11条にもとづく義務にしたがい、継続する住宅ローンの支払いのため地震の被災者の貧困層が資産を売却しなければならなくなる状況を回避するのを援助することを目的として、このような被災者が倒壊した家屋の再建のために住宅金融公庫または銀行に対して負った財政上の義務を履行するのを援助するための効果的な措置を迅速にとるよう勧告する。
『今 言論・表現の自由があぶない!』(2014/10/14)
http://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729/26615348.html
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