☆ MIC声明 フジテレビの「締め出し」記者会見に抗議する
~会見をオープンにし、真摯に説明せよ~
2025年1月21日
日本マスコミ文化情報労組会議
議長 西村誠
フジテレビが1月17日、タレントの中居正広氏を巡る問題に同社幹部が関与していた疑惑について、疑惑報道後に初めて開いた記者会見に対する批判が広がっている。
フジテレビ側の強い意向で出席が新聞社やスポーツ紙、通信社などで構成される「ラジオ・テレビ記者会」と、クラブ非加盟のNHKや民放各社に限られ、問題を追及してきた週刊誌をはじめ、ウェブメディアやフリー記者は入れなかった。
さらに、NHKや民放各社はオブザーバー扱いで質問できず各社1人に限定。
テレビ局による記者会見にもかかわらず、中継はもとより動画撮影も禁止。写真撮影も冒頭のみ、情報の解禁は会見終了後と極端な規制をしいた。
記者会側は事前に会見をオープンにするよう求めていたがフジテレビは「会場が狭い」などとして拒否。記者会見では、記者から「非常に残念だ」との苦言が呈された。
記者会見においても、港浩一社長は謝罪し外部の弁護士を中心とした調査委員会の立ち上げを明言したが、疑惑を巡っては、今後の調査やプライバシー保護を理由に「回答を控える」と繰り返し、事実関係については説明を拒んだ。
報道によると、識者からは「信頼回復のチャンスを自ら逃した」「被害者保護を理由に事実を隠ぺいしようとしたとの疑惑がぬぐえない」などの声が上がっている。
報道機関である以上、自らの疑惑を説明するに当たってより真摯な態度が求められるにもかかわらず、これだけ閉鎖的な条件を設定し回答を拒み続けたことは、権力の監視を担う報道機関として使命や責任を放棄したに等しい。
大企業や政府機関が同様の記者会見を開いたときに反論ができなくなることにつながるからだ。
フジテレビで報道に携わる社員に対してのみならず、メディアに関わる全ての働く者に対する背信行為であり、強く抗議する。フジテレビに限らず、他のメディア企業でも今後、同様の手段を取る可能性がありメディア企業の労組が集うMICとしても監視していく必要がある。
さらに、今回のケースは「中居氏と女性のトラブル」で済ませていい問題ではない。
女性社員を犠牲にした「性接待疑惑」であり、女性の人権やキャリアをないがしろにしようとしたのではないかと疑われている。
それだけに、幹部社員関与の有無がこれだけ社会的に関心を集め、フジテレビのCMを差し替える企業が相次いでいる。会社側の意向からの独立や透明性を真に担保した調査委員会を設置した上で、徹底的な解明が必要だ。
今後も、フジテレビは疑惑に対して真摯な説明を続けていくことが求められる。
その際に開く記者会見は、週刊誌やフリー記者など取材を申請するすべてのジャーナリストが参加でき、動画撮影なども可能にするオープンな形で行うよう要求する。
日本マスコミ文化情報労組会議(M I C)
<新聞労連、民放労連、出版労連、全印総連、映演労連、映演共闘、広告労協、音楽ユニオン、電算労>
『レイバーネット日本』(2025-01-21)
http://www.labornetjp.org/news/2025/1737457356128staff01
※ 日本マスコミ文化情報労組会議(Japan Mass Media Culture Information Workers' Union Conference /略称:MIC)は新聞、印刷、放送、出版、映画、広告、音楽、コンピュータそれぞれの労働組合の連合会、協議会等で構成された組織です。平和と民主主義の課題をはじめ、各産業の発展とマスコミ関連労働者の権利・労働条件の向上のためにさまざまな活動を行っています。またMICは、市民の「知る権利」を保障し、民主主義社会を支える「報道の自由」「表現の自由」「出版の自由」を守る取り組みを行っています。
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