パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

本音のコラム_鎌田慧

2006年11月29日 | ノンジャンル
  低賃金と高金利       鎌田 慧

 いま日本は未曾有の好況だそうで、お歳暮用の高額商品が飛ぶように売れているとか。
 いったいどこの国のことか、と縁なき衆生は思う。
 前首相時代から実施されていた「企業は大減税、個人は大増税」の大改革は、これからも踏襲される。
 来年度は五千憶の企業減税がみこまれている一方で、「健康で文化的な最低限度の生活」を土壇場で保障してくれるはずの生活保護費は五百億円の削減。
 病気で働けなくなって、保護費の支給を申請したのに却下され、餓死した人もいる。
 駅前には「消費者金融」のケバケバしい看板があふれ、その利用者は全国で二千万人。このうち、多重債務者は二百万人といわれている。借金苦のどん底にいる人たちは自己破産予備軍でもあるが、暴力的に返済を迫られて犯罪に走ったり、自殺したりする人はあとを絶たない。
 自殺者が毎年、三万二、三千人。世界に冠たる自殺大国ニッポンはリストラ、失業、倒産の結果だが、消費者金融が受け取った死亡保険金のうち、一割が自殺者のものだ。
 「カネと命の交換」だが、これは借金のかたに胸の肉を要求した『ベニスの商人』シャイロック以上の冷酷無残だ。
 今月中旬、鹿児島市で開かれた「全国クレジット・サラ金被害者連絡会」の集会で、私は一億フリーター時代をつくった「労働者派遣法」の廃止を訴えた。
   (かまたさとし・ルポライター)
『東京新聞』(2006/11/21)「本音のコラム」

《法人税減税・消費税増税関連ニュース》
■企業減税を優先=来年度税制答申の大枠固まる-消費税問題は見送り・政府税調

 政府税制調査会(首相の諮問機関)は22日の総会で、来年度税制改正の答申について、企業減税などを通じた経済成長を優先する大枠を固めた。減価償却制度の拡充、法人実効税率引き下げの検討が柱。一方、財政健全化の必要性は指摘するものの、消費税問題への言及は見送る。
 企業の設備取得費用を損金として償却することを認める減価償却制度については、損金算入額を現行の95%から欧米同様100%に拡大。この場合、初年度は5000億円程度、企業の税負担(国税分)が軽減される見通しだ。
(時事通信) - 11月22日21時1分更新

■法人減税、「雇用者にも利益」=本間政府税調会長が大阪で講演
 政府税制調査会(首相の諮問機関)の本間正明会長は28日、大阪市内で講演し、経済界が強く求めている法人実効税率(現在約40%)の引き下げについて、「(減税による利益のうち)60~70%は雇用者が受け取る。また(利益による)配当で株価が安定し、外国(企業)から乗っ取られない」と述べ、改めて意欲を示した。 
(時事通信) - 11月28日17時0分更新

■政府税調・国民の視点第一に論議を
 陣容を一新した政府税制調査会が発足した。安倍晋三首相の意向に沿って、経済成長促進を視野に企業の税負担軽減などを優先して検討する。
 政府税調は首相の諮問機関でありながら、これまで財務省主税局が実質的に主導権を握り、増税を目指す傾向が強かった。
 安倍首相は、消費税引き上げなど増税に積極的な石弘光前会長の留任を軸に財務省が人選した候補者リストを却下。官僚から主導権を取り戻した。
 政府税調は「財務省の代弁者」から本来あるべき姿に戻ったと評価できる。しかし、安倍首相の思惑に縛られてはならない。国民の視点を第一に論議を深めてもらいたい。
 経済界は、国際競争力を高めるためには法人税減税が不可欠と主張している。
 しかし、地方税を合わせた法人の税負担は各種優遇税制を含めると、業種によっては先進各国の中でも低くなっているとの調査結果もある。
 そのような中で、税率そのものを下げる必要が果たしてあるだろうか。法人税減税は、技術開発の促進などの優遇措置に絞って検討するべきだろう。
 生活に大きく影響する消費税がどうなるのかは、国民が最も注目する事項である。
 しかし、政府税調の本間正明会長は消費税率引き上げについて「急いだ形の議論は必要ないのではないか」と述べている。安倍首相は来年の参院選を意識してか、2006年度の税収の伸びを見極めた上で、来秋以降、具体的な検討に入る考えを示している。
 消費税は、税率の引き上げだけが検討課題ではない
 負担能力にかかわりなく一律に課税する消費税は、低所得者に大きなしわ寄せがいく。その致命的な欠陥を是正し、生活必需品などの非課税対象を大幅に増やすことなど検討すべき事項は多い。
 構造改革の影の部分として多くの国民が感じる所得や資産格差の是正問題も重要だ。
 国民が納得のいく、バランスの取れた税制改革論議を求めたい。
『琉球新報』社説(11/9 10:05)

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