ハンガリー「ポテチ」税を導入

　＝ナットクけいざいＱ＆Ａ＝
　◆ ハンガリーのポテチ税　導入は？

　Ｑ　復興増税の議論が本格化している。ハンガリーが始めた通称ポテトチップス（ポテチ）税」を日本でも導入し、財源の足しにしてはどうか。
　◆ 肥満率低く、消極姿勢
　Ａ　ハンガリーが今月始めたポテチ税は、塩分や糖分が高い食品に課税する。
　ポテチ税で国民の肥満を抑えられれば、医療費が削減でき、税収も塔える”一石二鳥”の効果がある。
　ハンガリーは経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）の基準で成人の肥満割合が１９・５％と高い肥満大国。また同国は財政再建中だ。
　ポテチ税は、ポテトチップス１キロ当たり約８０円、アイスクリームは約４０円を課税、年間約８０憶円の税収を見込む。
　財政が悪化し「メタボ」問題も気になる日本はどうか。財務省は「個別の食品に税をかける議論はしたことがない」と話す。
　日本の肥満人口比率は３・９％と低く、厚生労働省も「導入は検討していない」。どの食品が健康に悪影響か意見も分かれる。
　ポテトチップスを製造するカルビーは「ウチの製品の塩分は一部のパンなどより少ない。ビタミンＣも豊富で良質な食品」と話している。（西尾玄司）
　『東京新聞』（2011/9/9）

　◆ ハンガリー「ポテチ」税を導入
　ハンガリー政府は１日、スナック菓子や清涼飲料水など、糖分や塩分が特に高い食品に課税する通称*「ポテトチップス税」を導入した。
　世界でも異例のポテチ税は、７月に同国議会で法案可決された。課税対象は、ポテチ、市販のケーキ、清涼飲料など。
　税額は、ポテチは１キログラム当たり２００フォリント（約８０円）。標準サイズの袋は、値段が約１割～２割上がったという。市販ケーキ類は１キログラム当たり１００フォリント（約４０円）、清涼飲料水は１リットル当たり５フォリント（約２円）が上乗せされた。
　政府は国民を健康被害から守るとともに、財政再建を進めるためとし、導入に踏み切った。毎年約７４００万ユーロ（約８１億円）の税収アップを見込んでいる。健康増進で、医療費減も望めるとしている。
　ただ、地元経済団体は、国内の複数の食品工場が閉鎖され、多数の失業者が出ると反発。“闇ルート”で、ポテチが出回ると懸念する声もある。
　『スポーツ報知』（2011年9月3日06時02分）