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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「一億総中流社会」は終わり、巨大な下層階級「アンダークラス」が新たに出現してきた

2018年08月25日 | 格差社会
 ◆ 2025年「アンダークラス」1000万人超の絶望 (日経ビジネス)
 かつての日本は長く「一億総中流社会」などと言われてきたが、今やその影もなくなってしまった。格差拡大が進み“階級”が固定化してきている。
 そして、巨大な下層階級「アンダークラス」が新たに出現してきた。
 アンダークラスの平均年収はわずか186万円で、男性の未婚率は66.4%。その数はおよそ930万人だが、2025年には1000万人を突破するとみられている。
 雇用情勢の改善により人手不足が深刻化する日本で、10年ほど前に話題となった「ワーキングプア」の問題は今や消えてしまったかのようだ。しかし、格差は「自己責任」の名目の下で放置され、日本は今や「階級社会」と呼ばれる状態になっている。

 ◆ 家族さえ持てない貧困

 早稲田大学教授の橋本健二さんの研究によれば、現代日本は上図に示すような5階級に分断されている。
 最大の問題は、貧困層を含む「アンダークラス」と呼ばれる階級が拡大の一途にあることだ。
 「アンダークラスの中心となっている非正規雇用の労働者は、正規雇用の労働者と比べると、不安定な状態に置かれており貧しい。貧困のために結婚して家族を形成することさえできない状況は、倫理的にも非常に問題です」
 アンダークラスの平均年収はわずか186万円、世帯年収でも343万円にとどまる。そして男性の実に3分の2が未婚だ。
 大量の非正規労働者が登場し始めたのはバブル経済末期の1990年頃からだが、その頃、まだ20歳前後の若者だった非正規雇用第1世代が今や50代前後
 そして、大学生の就職率が6割を切っていた"就職氷河期"の大卒者(70年代生まれ)の一部が非正規雇用のまま働き続け、あと十数年すれば順次60代に。彼らの中には年金を受給できず、生活保護を受けることが確実な人たちもいる。
 「日本はかつて『一億総中流』と呼ばれていた時代が長かったが、80年代以降、富裕層の所得税の引き下げなど格差を拡大する政策が取られてきた結果、これほどまでに激しく階層分化してしまったのです」(橋本さん)。
 ◆ 転落すると、抜け出せない

 たとえ現在、新中間階級正規労働者階級に属していても、病気や親の介護などで一度会社を辞めてしまうと、アンダークラスから再出発せざるを得ないケースが少なくない。そして、いったんアンダークラスに転落すると、そこから抜け出すのは容易ではない。
 「アンダークラスは現時点では、929万人。日本の人口は減少するにもかかわらず、25年には1000万人を超える。アンダークラスの多くは子供を持たず”一代限り”の人が多いはずですが、企業が非正規労働者を求めるため、中間層の子供たちが新たにアンダークラスに流れ込む可能性が高い」と橋本さんは言う。
 アンダークラスの人たちを経済的に引き上げないと、社会全体としても大きな問題がある。
 例えば、社会保障費の増大や、犯罪増加のリスク上昇、また財政悪化により医療給付水準が低下し、国民全体の平均寿命が短くなる可能性も。
 では、急速に進む階級社会化を改善するためにはどうすべきなのか?橋本さんは、
   ①最低賃金の引き上げ、
   ②累進課税の強化、
   ③相続税率の引き上げ、
   ④資産税(金融資産に一定の控除枠を設けたうえで、税金をかける)の導入
 など、所得再配分の強化策を挙げる。

 最低賃金はさしあたり時給1200円程度(最終的に同1500円程度)まで引き上げることが望ましいという。
 「最低賃金で働いても大学初任給くらいになるなら、さほど恐れる必要はなくなる。最低賃金引き上げで生活保護を利用する人が減るのであれば、コンセンサスも作りやすい」(橋本さん)。
 貧困の連鎖を断ち切り、日本を活性化させるには、アンダークラスの生活の向上が急務である。
 *本記事は、「日経ビジネス アソシエ」2018年9月号掲載の記事を一部改編したものです   柳生 譲治
『日経ビジネス - Yahoo!ニュース』(2018/8/22)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180822-41439423-business-soci
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