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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

根津公子の都教委傍聴記(2017年6月8日)

2017年06月12日 | 暴走する都教委
 ◆ 「非国民」のあぶり出しに通じる道徳の教科化
 公開報告事項4点のうち、①教科用図書選定審議会の答申について ②昨年度に発生した体罰の実態把握について報告します。非公開報告には今回も教員の懲戒処分がありました。
 ① 教科用図書選定審議会の答申について
 今夏は、来年度から始まる小学校道徳の教科書(8社)及び特別支援学校・学校教育法附則9条規定教科書(絵本等)の教科書採択が行われる。それに先立ち、都教委が教科用図書選定審議会に諮問した上で「教科書調査研究資料」を作成したとの報告。分厚い資料が配布された。
 資料には――
  調査項目は「主として自分自身に関すること(善悪の判断、自立、自由と責任、 正直、誠実 他)」、
  「主として人との関わりに関すること(親切、おもいやり 感謝 礼儀 他)」、
  「主として集団や社会との関わりに関すること(規則の尊重 公正、公平、社会正義 伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度 国際理解、国際親善)」、
  「主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること(生命の尊さ 自然愛護 感動、畏敬の念)」の4つ。
 それぞれの項目にどのような教材が使われているかが、またその教材数が示されている。
 それに加え、都教委の教育目標に照らして5点について記述があるかを調査している。
  「国旗・国歌の扱い」
  「防災や、自然災害の扱い」
  「性差と家族に関する表現」
  「オリンピック・パラリンピックの扱い」
  「北朝鮮による拉致の扱い」

 「国旗・国歌の扱い」ないのは光村と光文最も多いのが教育出版(2、5、6学年)。
 「北朝鮮による拉致の扱い」については調査項目にあげているが、当然ながら一社も取り上げていない。これまでの教科書採択においても、都教委は例えば数学の調査項目にさえ、「拉致」を入れていたから、今回もそれに準じたのであろう。
 また、自然災害を取り上げるが、原発災害は問わない。

 こんな調査をするのは東京以外にあるだろうか。

 ところで、「国旗や国歌を大切にする気もちのあらわし方」(教育出版)「東京オリンピック 国旗に込められた思い」(日文)など、「日の丸・君が代」は尊重することが前提となる。卒業式・入学式どころの話ではなく、学校教育において、洗脳と「非国民」のあぶり出しが教室で日常的に行われることになる。注意して見れば、教科・道徳の真の狙いはここにあり、と気づかされる。
 教育委員には教科書が渡されていたが、教科書の内容についても「教科書調査研究資料」についても発言はなかった。この人たち、大事なことになると、決まって沈黙する。
 定例会のあと、市の教科書展示会に回り、道徳の教科書を手にとった。
 1年生の教科書は光村を除く7社が最初のところで「あいさつ」を取り上げる。小学校に入学した君たちは元気に気持ちのいい挨拶をしようと促し、「心を込めたあいさつの練習をしよう」とまで書く。
 挨拶をしたくない対象があるとか、元気に挨拶する精神状態にはないとかは許されない。「だめな子」にされてしまう。このようにして子どもたちは心の管理を9年間されていく。戦前の「修身」の教科書を見るようだ。
 「正解」を教えるのではなく、教科書の教材を異なった視点からも取り上げてくれる教員が、一人でも多くいてほしいと願うばかり。
 短時間だったので、全学年のすべての教科書を読むことはできなかったが、「日の丸・君が代」の扱いが最多の教育出版教科書執筆者の中に武蔵村山市の教員が3人もいることが気になった。
 武蔵村山は育鵬社歴史・公民教科書を使っているし、また、昨年まで5中では横田基地の兵士を講師に新兵訓練を行事として行ってきた。
 教育長は2000年に国立市の小中学校に「日の丸」を強行し、2004年からは都教委で「君が代」処分のかなりの中心で動いた持田浩志という人物。2015年3月25日の市議会で共産党市議団から次のように指摘されている。
 「育鵬社教科書の執筆者などが顔をそろえる日本教育再生機構が事務局の教育再生首長会議の設立総会に市長と教育長が参加し、加盟をしました。教科書採択権者である教育長が参加したのは、全国でも武蔵村山市だけです。またその後の懇親会に教育長も参加しています。公務員は契約者の主催する懇親会などに参加してはならないと公務員倫理でもうたわれていることは、市長も教育長も知らないはずがありません。これまで培われてきた政治的中立や公正な教科書採択を教育長みずから侵すという行為は非常に問題で、子どもたちの見本となるべき教育長の資質に欠けると言わざるを得ません。」
 ② 昨年度に発生した体罰の実態把握について
 体罰の態様を「体罰」「不適切な行為」「指導の範囲内」と分類し、2014年度から2016年度までの人数を上げる。
 「体罰」は2014年度が68人、2015年度が62人、2016年度が34人。
 「不適切な行為」は324人、303人、236人。
 「指導の範囲内」は261人、184人、136人。
 減少したことの報告。

 ほかに、体罰の原因や体罰の認識の有無の調査結果が報告された。
 「感情的になって体罰に至った」者は、2014年度の42人、2015年度の47人に比べ、2016年度は20人に減。
 「過去に体罰により処分を受け、再び2016年度に体罰事故を起こした者」は3人で、前年度と比較して1人減。
 「体罰で処分を受けた者については再発防止研修を受講させた」と人事部長は繰り返したが、再任用・非常勤講師不採用とは言わない
 「君が代」不起立は許さないが、体罰は許すという都教委の姿勢が垣間見える報告だった。
『レイバーネット日本』(2017-06-09)
http://www.labornetjp.org/news/2017/0608nezu
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