◆数字に表れた計画破綻~鳴り物入りの主幹制度
平成19年度主幹級職選考実施要領(5/16)発表
申込み締切は、6月21日(木)
果たして今年は、昨年みたいに「二次募集」にならないで済むのか?
【都教委の発表した資料】
充足率69.3%(高校60.1%)
〔2003年当初計画では、小中は2007年、高は2009年に充足完了予定だった〕
・小中は、目標の7割止まりで期限が来てしまい、計画は見事に破綻した。
・高校の未配置数は、516名。あと2年で半数の258人ずつ充足しなければならないのに、昨年の受験者数はA区分B区分併せてわずか122名(合格は114名)。
誰が見ても絶望的な数字である。受験者数自体が、年々右肩下がりでジリ貧なのだ。
【苦し紛れの弥縫策】
(1)募集人数の削減。<総枠の縮小>
募集人員900名(←昨年1000名)
〔昨年は、応募577、合格532(1.1倍)と、募集枠を大きく下回った。〕
(2)欠員の生じた小中の設置数の見直し(削減)。<総枠の縮小>
小学校は11学級以下で1名(←2名)。〔=削減数371〕
中学校は8学級以下で2名(←3名)。〔=削減数217〕
見直し効果で、定数減計588名。それでも不足数1357名を補うにはほど遠い。
(3)受験資格年齢の2歳引き下げ。<受験者拡大策>
36歳から受験可能。(←38歳)
(4)10年経験、都歴の枠を外す。<受験者拡大策>
私立・他府県の経験者にも枠を拡げる。
(5)現任校の在職可能期間5年に延長。<現主幹懐柔>
これまでの主幹昇任3年で必異動を大胆に緩和。
(6)持ち時数軽減の弾力化。<現主幹懐柔>
各学校の実情に応じた時数軽減の割り振りを可能とする。
(7)処遇の改善。<現主幹懐柔>
主幹の職責に見合った水準になるよう、都人事委員会に要望していく。
(8)主幹の降任を制度化。<自己矛盾の露呈>
健康、家庭状況など、真にやむを得ない事情に限定している。
とは言え、合格させたものの使い物にならない主幹の存在に苦慮し始めている様子がうかがえる。
逆に、有能な主幹の自発的降任が続出すれば、降任数が昇任数を上回る恐れもないとはいえない。
特に、異動の時のゴタゴタが、「自由降任」を認めれば解決するのは目に見えているのに。そこまで認める気はないのだろう。
数の確保と質の維持で、ジレンマに陥った都教委の苦しいあがきが垣間見られる。
【浅知恵で煽った奴=未達成の責任は誰が取るのか】
○古賀委員
それでは、この主幹というのは、主任と比べてどう違うのか。学校経営にどのように貢献しているのか。もう少しわかりやすくお願いいたします。
○賓藤学校経営指導担当部長
主幹でございますけれども、主任と異なりまして、指導監督権限を持ちまして、教員に対して職務命令を発することが可能な職として位置づけられております。主幹は、管理職と教員とのパイプ役になりまして働くことで、校長の学校経営計画がこれまで以上に、校内の各分掌に周知徹底されるとともに、新しい課題が発生した際にも、主幹が中心となって連絡処理に当たるなど組織的対応ができるようになり、学校経営に大きく貢献していると多くの校長から聞いております。
○古賀委員
東京都が全国に先駆けて主幹制度というものを導入し、一定の権限も与えられて、学校の運営等に加わることによって学校の正常化もこれから図られるということで、他の自治体、県でも東京都の知恵に習おうという動きもあるそうで、見習った他県がよかったといわれるような成功例にしなきやいけないというふうに思うわけです。
まだ完全に主幹というのは全校に配置されていないわけでありますけれども、現在の主幹級の職員はどのように配置されているのか今後、完全に配置が終わるのはいつごろになるのか その計画を示してください。
○江連人事部長
平成十六年度に学校に配置されております主幹級職員の人数は三千百二十五名でございます。
これらの職員の配置先でございますが、小学校につきましては千三百四十二校中千三十二校に配置されておりまして、学校数に占める割合は約七七%でございます。中学校につきましては六百五十一校中五百七十九校に配置されておりまして、学校数に占める割合は八九%でございます。高等学校につきましては、全日制、定時制合わせて二百八十七課程中二百十六課程に配置されておりまして、学校数に占める割合は約七五%。盲・ろう・養護学校につきましては六十一校中五十三校に配置されておりまして、学校数に占める割合は約八七%となっております。
次に、今後の配置計画でございますが、平成十九年度を目途に、小学校各二名、中学校各三名、平成二十一年度を目途に、高等学校の全日制課程各六名、定時制課程各一名、盲・ろう・養護学校各玉名を配置する計画でございます。
○古賀委員
主幹級の職員の配置は、平成二十一年度に完了するということでありますので、現状、ご説明を聞きますと、着実な配置というものが有効だというふうに私どもも思いますので、計画の着実な実行をお願いいたします。
(2004/10/26 都議会)
http://wind.ap.teacup.com/people/143.html
…なぜ受験者数が増えないのか。必要がないから、に尽きる。子どもの教育のためではなく、教員管理の目的のみで発想された制度がうまくいくわけがない。
これまで主任をおいていたところでも、年数制限を設けて持ち回りにしていた。仕事の偏りをなくした方が、集団の一人一人が持てる力をフルに発揮できる、経験の知恵だった。半永久的にきついポジションにいたら身が持たない。元々教育現場はそれくらい忙しいというか、やることがいくらでもあるのだ。
経済面で優遇されたら喜んでやると思ったら大間違いだ。もしそんな動機で主幹になりたい奴がいたら、先生としては使い物にならない。杉並区立中の民間人校長が、「教員集団は『賞与』や『昇進』をインセンティブとしては働いてくれない」と見抜いた通り、私企業のサラリーマンと同じではないのだ。「数値目標」を作ってみても、職務の改善には結びつかない。
●「管理職任用試験選考状況」
http://wind.ap.teacup.com/people/1338.html
●「今、学校で何が起きているのか」
http://wind.ap.teacup.com/people/1358.html
平成19年度主幹級職選考実施要領(5/16)発表
申込み締切は、6月21日(木)
果たして今年は、昨年みたいに「二次募集」にならないで済むのか?
【都教委の発表した資料】
充足率69.3%(高校60.1%)
〔2003年当初計画では、小中は2007年、高は2009年に充足完了予定だった〕
・小中は、目標の7割止まりで期限が来てしまい、計画は見事に破綻した。
・高校の未配置数は、516名。あと2年で半数の258人ずつ充足しなければならないのに、昨年の受験者数はA区分B区分併せてわずか122名(合格は114名)。
誰が見ても絶望的な数字である。受験者数自体が、年々右肩下がりでジリ貧なのだ。
【苦し紛れの弥縫策】
(1)募集人数の削減。<総枠の縮小>
募集人員900名(←昨年1000名)
〔昨年は、応募577、合格532(1.1倍)と、募集枠を大きく下回った。〕
(2)欠員の生じた小中の設置数の見直し(削減)。<総枠の縮小>
小学校は11学級以下で1名(←2名)。〔=削減数371〕
中学校は8学級以下で2名(←3名)。〔=削減数217〕
見直し効果で、定数減計588名。それでも不足数1357名を補うにはほど遠い。
(3)受験資格年齢の2歳引き下げ。<受験者拡大策>
36歳から受験可能。(←38歳)
(4)10年経験、都歴の枠を外す。<受験者拡大策>
私立・他府県の経験者にも枠を拡げる。
(5)現任校の在職可能期間5年に延長。<現主幹懐柔>
これまでの主幹昇任3年で必異動を大胆に緩和。
(6)持ち時数軽減の弾力化。<現主幹懐柔>
各学校の実情に応じた時数軽減の割り振りを可能とする。
(7)処遇の改善。<現主幹懐柔>
主幹の職責に見合った水準になるよう、都人事委員会に要望していく。
(8)主幹の降任を制度化。<自己矛盾の露呈>
健康、家庭状況など、真にやむを得ない事情に限定している。
とは言え、合格させたものの使い物にならない主幹の存在に苦慮し始めている様子がうかがえる。
逆に、有能な主幹の自発的降任が続出すれば、降任数が昇任数を上回る恐れもないとはいえない。
特に、異動の時のゴタゴタが、「自由降任」を認めれば解決するのは目に見えているのに。そこまで認める気はないのだろう。
数の確保と質の維持で、ジレンマに陥った都教委の苦しいあがきが垣間見られる。
【浅知恵で煽った奴=未達成の責任は誰が取るのか】
○古賀委員
それでは、この主幹というのは、主任と比べてどう違うのか。学校経営にどのように貢献しているのか。もう少しわかりやすくお願いいたします。
○賓藤学校経営指導担当部長
主幹でございますけれども、主任と異なりまして、指導監督権限を持ちまして、教員に対して職務命令を発することが可能な職として位置づけられております。主幹は、管理職と教員とのパイプ役になりまして働くことで、校長の学校経営計画がこれまで以上に、校内の各分掌に周知徹底されるとともに、新しい課題が発生した際にも、主幹が中心となって連絡処理に当たるなど組織的対応ができるようになり、学校経営に大きく貢献していると多くの校長から聞いております。
○古賀委員
東京都が全国に先駆けて主幹制度というものを導入し、一定の権限も与えられて、学校の運営等に加わることによって学校の正常化もこれから図られるということで、他の自治体、県でも東京都の知恵に習おうという動きもあるそうで、見習った他県がよかったといわれるような成功例にしなきやいけないというふうに思うわけです。
まだ完全に主幹というのは全校に配置されていないわけでありますけれども、現在の主幹級の職員はどのように配置されているのか今後、完全に配置が終わるのはいつごろになるのか その計画を示してください。
○江連人事部長
平成十六年度に学校に配置されております主幹級職員の人数は三千百二十五名でございます。
これらの職員の配置先でございますが、小学校につきましては千三百四十二校中千三十二校に配置されておりまして、学校数に占める割合は約七七%でございます。中学校につきましては六百五十一校中五百七十九校に配置されておりまして、学校数に占める割合は八九%でございます。高等学校につきましては、全日制、定時制合わせて二百八十七課程中二百十六課程に配置されておりまして、学校数に占める割合は約七五%。盲・ろう・養護学校につきましては六十一校中五十三校に配置されておりまして、学校数に占める割合は約八七%となっております。
次に、今後の配置計画でございますが、平成十九年度を目途に、小学校各二名、中学校各三名、平成二十一年度を目途に、高等学校の全日制課程各六名、定時制課程各一名、盲・ろう・養護学校各玉名を配置する計画でございます。
○古賀委員
主幹級の職員の配置は、平成二十一年度に完了するということでありますので、現状、ご説明を聞きますと、着実な配置というものが有効だというふうに私どもも思いますので、計画の着実な実行をお願いいたします。
(2004/10/26 都議会)
http://wind.ap.teacup.com/people/143.html
…なぜ受験者数が増えないのか。必要がないから、に尽きる。子どもの教育のためではなく、教員管理の目的のみで発想された制度がうまくいくわけがない。
これまで主任をおいていたところでも、年数制限を設けて持ち回りにしていた。仕事の偏りをなくした方が、集団の一人一人が持てる力をフルに発揮できる、経験の知恵だった。半永久的にきついポジションにいたら身が持たない。元々教育現場はそれくらい忙しいというか、やることがいくらでもあるのだ。
経済面で優遇されたら喜んでやると思ったら大間違いだ。もしそんな動機で主幹になりたい奴がいたら、先生としては使い物にならない。杉並区立中の民間人校長が、「教員集団は『賞与』や『昇進』をインセンティブとしては働いてくれない」と見抜いた通り、私企業のサラリーマンと同じではないのだ。「数値目標」を作ってみても、職務の改善には結びつかない。
●「管理職任用試験選考状況」
http://wind.ap.teacup.com/people/1338.html
●「今、学校で何が起きているのか」
http://wind.ap.teacup.com/people/1358.html
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