2022年2月4日
福島県知事内堀雅雄 殿
◎ 抗議 兼 質問書
原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(原自連)
会 長 吉原 毅
幹事長 河合弘之
幹 事 近江屋信広
事務局次長 木村 結
会 長 吉原 毅
幹事長 河合弘之
幹 事 近江屋信広
事務局次長 木村 結
本年1月27日、欧州委員会議長に宛てた5人の元首相の書簡「脱炭素・脱原発は可能ですーEUタクソノミーから原発の除外をー」に対して、福島県知事たる貴殿から異議ある旨の書面(以下「貴信」といいます。)が届きましたので、5人の元首相の意見をとりまとめ、事務局を務める原自連から反論し、かつ、質問いたします。
貴信は、
「2022年1月27日付け欧州委員会委員長宛ての書簡の中で、福島第一原子力発電所の事故において、『多くの子供たちが甲状腺がんに苦しみ』とする記述がなされております。と述べております。
福島県では、チェルノブイリ原発事故後に明らかになった放射線による健康被害として、放射性ヨウ素の内部被ばくによる小児の甲状腺がんが報告されたことから、福島県の放射性ヨウ素の被ばく線量はチェルノブイリに比べて低いとされるものの、子どもたちの甲状腺の状態を把握し、健康を長期に見守ることを目的として、県民健康調査甲状腺検査を実施しております。」
そこで質問します。
この県民健康調査甲状腺検査の結果、約10年間で266人の甲状腺がんが発見され、そのうち222人が摘出手術を受けているのではないのですか。それを県として認めますか(質問①)。
この266人という数字は、福島原発事故前の年間発生率100万人に1~2人と比べると35~70倍となりますが、県としてはこの数字をもってしても「多く」ないと言いますか。県としては福島原発事故前と後では発生率が何倍だと認識していますか。その数字と算出根拠をお答えください(質問②)。
福島原発事故後の約10年間で266人に甲状腺がんが発生しているにも拘らず、福島原発事故との因果関係がない、もしくは認めがたいとするならば、その266人の甲状腺がんの原因は何だと考えますか(質問③)。
県民の健康を預かる県としては266人もの大量疾病が発生しているのに、その原因の調査をしないのは間違いです。福島原発事故後、県と政府はこの11年間、甲状腺がんの大量発生と福島原発事故との因果関係を否認することにのみ急で、それをもってこと足れりとし、「それならば真の原因は何なのか」を全く究明しようとしません。県民の健康に責任をもつ県としては誠に無責任です。
このように当方が言うと、県は「いや、大量発生はしていない。266人というのは過剰診断によって発見された数字に過ぎないのだ。」と反論するかもしれません。
しかし、266人中222人が実際に甲状腺の片摘または全摘手術を受けている(そのほとんど全部が福島県立医大の鈴木眞一教授執刀)事実をどう説明するのですか。
そこで質問します。県としては222人の手術は過剰診断もしくは過剰手術であった、不要・有害な手術であったと考えますか。その結論と理由を明確にお答えください(質問④)。
222人の手術が過剰診療であったか否かを判断するにはそれに関する医療情報開示(個人情報保護のうえ)とそれに基づく科学的かつ公正、公平な討議(鈴木眞一教授の参加も得て)が不可欠です。県にはその用意がありますか。結論と理由をお答えください(質問⑤)。
最後に当方の意見を述べます。
国は原発の再稼働確保のため、
福島原発事故由来の放射能被ばくと小児甲状腺がん発生には因果関係はない
→よって放射能は恐くない
→よって原発事故はたいしたことはない
→原発を再稼働しても大丈夫だ、
という論理を貫徹しようとしています。
しかし、福島県は県内の原発を全て無くすという方針を決定しているのですから、そのような国の企図に忖度する必要はないはずです。
県民本位に県民の健康を守れば良いのです。
そのためには、県民健康調査をより拡充し、学校での検査も網羅的にして完全な実態把握をし、体系的かつ有機的な健康対策を構築すべきであります。
以上のとおり、反論かつ質問を致します。
2022年2月15日までに明確にお答えください。回答の有無及び内容は公開します。
以上
(問い合わせ先:原自連 木村結090-6183-3061 03-6883-3498)
『原自連(原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟)』(2022年2月6日)
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