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イオンが放射能対策を強化

2011年11月29日 | ノンジャンル
 ▼ 検出されたら販売中止 イオンが放射能対策を強化
坂井敦(フリーランスライター)

 大手スーパーのイオンは11月8日、生鮮食品やコメの放射性物質に関する自主検査を強化すると発表した。
 約7ヵ月で約3600件だった検査件数を、3カ月で約5000件に増やす。検査結果は、放射性物質の有無にかかわらず、同社のホームページや店頭で公開する(http://www.aeon.info/)。
 さらに検出限界値を超えた放射性物質が検出された場合、原則として産地を変更するとともに、その産地と同じ商品群の販売を見合わせる。11月18日現在までに、石巻港で水揚げされたマダラやブリなどの販売を中止している。
 イオンはこれまでも、「トップバリュ」などの自社ブランドを中心に生鮮食品やコメのサンプル調査などを実施してきた。また、国の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)より厳しい「イオン基準」(同50ベクレル)を設け、これを上回る場合は販売を中止してきた。
 今回は、自社ブランド以外の商品も対象とし、検査体制や基準を厳しくしたという。
 放射能に対する取り組みを強化した理由について、同社では「消費者の声に応えた結果」と説明する。
 震災以降、同社には放射能に関する約6000件の問い合わせが寄せられた。そのうちの約9割は放射性物質の検出数値や産地の表示を求めるものだったという。
 「原発の問題が長期化するなか、検出数値や産地情報が十分に開示されないと、消費者は国内のすべての生鮮品に対して不安感を抱いてしまう。その結果、日本の農水、畜産業が大きなダメージを受けることになりかねない。しっかりと情報を開示することは、消費者、生産者、われわれスーパーのいずれにもプラスになると判断した」(同社)
 スーパーなどに放射能対策の徹底を求める声は、市民団体からも出ている。環境NGOのグリーンピース・ジャパンでは、大手スーパーや業界団体に生鮮水産物の自主検査や検査結果の公表、独自の基準の策定などを求めてきた。
 今回のイオンの取り組みについて、同団体では「そもそも政府の暫定基準値は高すぎる。そんななかでイオンがより厳しい検査体制や基準を採用したことは評価できる。市民の声で企業の姿勢を変えていけるというメッセージでもある」と話している。

『週刊金曜日』(2011/11/25 873号【くらしのニュース】)

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