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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

東京都の人権施策見直しに向けて東京都総務局へ要請(1)

2015年04月27日 | 人権
 ◎ 国際都市東京にふさわしい社会の実現を目指すための人権施策提言
 言論・表現の自由を守る会の垣内つね子事務局長は17日都庁で、東京都総務局人権部小河原静子企画課長と面会し、都の人権施策の見直しにあたり、国連も評価している会の"プロジェクト ピースナイン"について紹介し、国連人権理事国の首都の自治体として国際水準の人権保障を実現するよう「国際都市東京にふさわしい社会の実現を目指すための人権施策提言」を提案し要請しました。
 要請には、日の丸・君が代裁判の原告、元原告、元都職員の会員が参加し、かつては人権を大切にしてきた自治体だった東京が、石原都政によって国際人権水準とかけ離れていること、昨年国連勧告が出た経過を説明し、直ちに「10・23通達」を撤回し、規約の「厳しい条件」を満たす人権施策に取り組むよう要請しました。
 ※ 東京都の人権施策(13年前の「人権施策推進指針」を見直す取り組み始動)
http://www.soumu.metro.tokyo.jp/10jinken/tobira/sesaku01.html
 統一地方選挙後半戦目前に、緊急要望として、選挙弾圧を許さず正当な選挙を実現するため、都が警視庁及び東京都選挙管理委員会に対し、2008年の自由権規約及び第5回日本政府報告書審査自由権規約委員会総括所見(勧告)パラグラフ26(※)、第6回日本政府報告書審査総括所見を周知し、表現の自由と参政権の保障について周知徹底するよう求めました。
 さらに、首都東京都の責任において、安倍首相・自民党政権が36年間さぼり続けている個人通報制度批准を今国会最優先課題として即時閣議決定し批准手続きを終了するよう要望しました。
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2015年4月17日
◎ 国際都市東京にふさわしい社会の実現を目指すための人権施策提言

国連経済社会理事会特別協議資格NGO
言論・表現の自由を守る会(JRFS)
Japanese Association for the Right toFreedom of Speech

 活動紹介:プロジェクト ピースナイン
 個人通報制度の批准で日本の人権鎖国を解いて法の支配を実現し、公職選挙法(文書配布禁止と戸別訪問禁止規定)と一般国家公務員の政治活動を全面一律に禁止している国家公務員法102条(人事院規則14-7,国家公務員法110条)の弾圧規定廃止で参政権を確立させ、憲法9条を守りぬき、9条を世界の憲法にして未来永劫の平和を築くプロジェクト。
 日本国憲法前文は、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し・・・」とはじまっている。これは、法律を決めることができるのは国会議員だけであり、自分(国民)が望む法律を作ることを約束した候補者を当選させることによって、憲法の精神を実現することを保障している。
 しかし、戦後においても日本政府は、戦前から続く選挙の自由を侵害し、弾圧するための弾圧規定である文書配布禁止と戸別訪問禁止規定を残した公職選挙法によって、草の根民主主義の根幹であるビラを配り・受け取る自由と、候補者や支持者が有権者を戸別訪問して直接対話をすることによって、候補者の人柄や経歴を知り、候補者も有権者から直接切実かつ個々具体的な要望を聞き、公約を伝え、さらに支持者も候補者の政策を普及し指示を広げるという行為を、憲法と自由権規約違反の法律によって犯罪化し、弾圧し続けている。
 国家公務員法の制定によって、本来、大臣や課長以上の高級官僚の政治的地位を利用した選挙活動を犯罪化し罰する法律を制定すべきところ、そうではなく、逆に、1948年に、アメリカの弾圧法であったハッチ法を手本にして罰則規定をもって、一般国家公務員の政治活動を投票行動以外全面一律に禁止した。
 一般国家公務員には、休日等仕事以外の場で、職務以外の時間の一市民としての市民的政治的権利を保障すべきすべきところ、自由権規約違反の国家公務員法を振りかざし、21世紀の首都東京の警視庁が、1967年猿払事件以来37年ぶりに弾圧を再開した。
 これらの憲法と国際人権条約違反の悪法を利用した弾圧に次ぐ弾圧によって、戦後の日本においてもなお国民の参政権は確立しておらず、一度たりとも正当な選挙によって国会議員を選ぶ選挙が実施されていない。
 日本の民主化を実現し憲法の精神を実現するためには、戦後日本においても、未だ参政権が確立していないということを憲法に国際人権規約を照らして正確に認識し、参政権を確立する課題を解決することが極めて重要である。
 現政権が、今国会において進めている戦争政策に基づく憲法第9条改悪を目的とした一連の行為は、「政府の行為によって再び戦争の参加がおこることのないようにすることを決意し」とした憲法前文と憲法第9条違反であるとともに、世界人権宣言と自由権規約第20条に明確に違反している不法行為である。
 1,国際人権基準を全ての人権施策の根本に据えること。
   ~目標は、東京において、国際水準の人権保障を実現すること。


 人権は、人類普遍の原理であり、『国連憲章』『世界人権宣言』にあるように、その尊重は国際社会の共通の課題である。
 国際連合は「われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小の各国の同権とに対する信念を改めて確認し、正義と条約その他の国際法の源泉から生ずる義務の尊重と維持することができる条件を確立し、一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上を促進すること」(国際連合憲章前文冒頭)に基づいて1945年に設立され、1948年12月10日、第3回国連総会の決議として「世界人権宣言」が「すべての人民と全ての国とが達成すべき共通の基準として」宣言された。それはすべての国の人々が持っている市民的、政治的、経済的、社会的、文化的分野にわたる多くの権利を内容としている。
 戦争を放棄した日本国憲法を制定した日本は、国連創設から11年後の1956年12月18日に国連加盟を認められ、国際社会の一員として1979年6月21日、国際人権規約「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」(A規約)、「市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)」を批准し、同年9月21日に発効し効力が生じている。その後、日本政府は女性差別撤廃条約、こどもの権利条約、拷問等禁止条約、障害者権利条約等、国際人権諸条約も批准している。
 しかし、国際人権規約や女性差別撤廃条約、こどもの権利条約、拷問等禁止条約等に備わっているいずれの個人通報制度も批准していない。その結果、裁判所において現時点でも、国際人権条約を適応した人権救済判例が皆無である。
 現行の『東京都人権施策推進指針』(2000年11月)においても、今回の『有識者懇談会提言』においても、世界人権宣言と国連人権条約および各条約機関の日本政府報告書審査に基づいた勧告を反映していない。
 21世紀に入り、2003年3月の米軍によるイラク戦争開始後、翌4月の統一地方選挙を機に、東京都を管轄する警察組織である警視庁の下で、政府を批判するビラを配布した市民を尾行・盗撮し、次々に逮捕し(立川テント村弾圧事件:2004年2月、国公法弾圧堀越事件:同年3月、板橋高校君が代弾圧事件同年、葛飾ビラ配布弾圧事件:同年12月、国公法弾圧世田谷事件:2005年9月)、起訴し、裁判官らも次々と不当判決を出し、最高裁でも堀越明男さん以外全員不当判決を受け、現在も尚有罪とされたままであり人権救済の途についていない。
 同年10月23日、東京都教育委員会は、憲法とともに世界人権宣言と国連人権条約に反している「10・23通達」によって「日の丸・君が代」起立斉唱の強制を開始し、翌年3月の都立高校卒業式の開式前に保護者に対して10・23通達に関するビラを配布した元職員が威力業務妨害罪で起訴され最高裁においても裁判官は国際人権規約違反を認めず有罪とし、この4月の入学式でも都教委は君が代を起立斉唱しなかった教師を不当に処分し、さらに精神的拷問を科した。都教委は、教師に対して自由権規約18条及び19条違反の重大な人権侵害行為を犯している。都教委は教師を通じて、子どもたちに君が代斉唱を強制しているのである。「日の丸君が代」の強制は、子どもの権利条約違反の重大な人権侵害行為である。
 日本の司法・立法・行政にかかわる政府機関や全国組織の中央機能が立地し、日本国内外の1000万人以上の人々が住み働き行き交っている日本の首都である東京都においては、国際都市に相応しく、東京で生活し働く全ての人が幸せを追求できる持続可能なまちづくりを実現するため、その施策の根本に、国際人権水準を据えるべきである。
 国連では2006年、人権委員会を発展的に解消して新たに人権理事会(United Nations Human Rights Council、UNHRC)を設け、人権尊重の取り組みを強化している。日本政府は現在3期目のアジア地域から選出された人権理事国であり、2012年10月には2クール目の定期的普遍的審査(UPR)を受け、個人通報制度の批准、パリ原則に基づいた国内人権救済機関の創設、「福島の放射線警戒区域の住民の健康と生活の権利を保護するための全ての必要な措置を講じること」等、174(重複あり)もの勧告を受けている。
 1979年に自由権規約、社会権規約を批准した日本政府は、批准済みの各人権条約機関における審査は、昨年2014年には、7月に自由権規約委員会第5回日本政府報告書審査、8月には人種差別撤廃委員会第7‐9回日本政府報告書審査が行われ、日本政府は各委員会から勧告を受けている。
 私たちが、東京都を通じて日本政府に対して、日本国憲法と国連人権条約等に基づき、すでに日本政府に対して勧告している人権救済施策の実施を求める憲法の根拠は以下にある。
※『憲法』第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
※『憲法』第97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
※『憲法』第98条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
※『憲法』第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
 上記を踏まえ、私たちは、現行の『東京都人権施策推進指針』(2000年11月)とそれを見直した『有識者懇談会提言』(2015年2月10日)について、以下のような意見を持っている。
 (1)『指針』と『提言』を読んで、国際人権の視点から、評価できる点。
 ①『東京都人権施策推進指針』「第2章,1,人権をめぐる国内外の動向」の現状分析

 「20世紀における二度にわたる世界大戦の反省から、平和の実現にとって人権の尊重が大切であるということが国際的な認識となりました。このため国際連合(国連)は、昭和23年(1948年)の世界人権宣言をはじめとして、いわゆる国際人権規約の採択など人権の国際保障に積極的に取り組んできました。・・・『人権教育のための国連10年』に関する国内行動計画・・・では、・・・地方公共団体等に対し、計画の趣旨に沿った自主的な取組の展開を期待するとしています。」
 ②『有識者懇談会提言』「2 (1)人権施策の基本理念」
 「・人間としての存在や尊厳が尊重され、思いやりに満ちた東京、
  ・あらゆる差別を許さないという人権意識が広く社会に浸透した東京、
  ・多様性を尊重し、そこから生じる様々な違いに寛容な東京」

 (2)有識者懇談会の提言の問題点
 ①国際人権の専門家の不在

 「有識者懇談会」のメンバーである弁護士や学者には、国際人権の専門家がいない。
国連経済社会理事会特別協議資格等を持つ人権NGOの代表も参加していない。
 よって、東京都人権施策推進指針に関する有識者懇談会設置要綱第7項(意見の聴取)に基づき、有識者懇談会に当NGO関係者の出席を求め、意見聴取を行い、今後の東京都の人権施策に反映するよう求める。
 ②人権危機意識の希薄さ
 東京都が、日本政府とともに勧告の実効性のある自主的施策を具体化しないどころか、逆に世界人権宣言と国際人権規約に敵対し、政府と共に貧困化政策を推し進め、2000年当時まで進めてきた経済的、社会的及び文化的権利をことごとく後退させ、人権を蹂躙し続けた。その結果、子育て世代の貧困と、地域社会の人間の関係性の貧困等に原因する子どもの貧困と、おびただしい数のこどもと大人が自ら命を絶つという自殺問題、ヘイトスピーチによる犯罪行為等、人権侵害行為が横行し、危機的事態に陥っている。
 この危機的な現状にかんがみ、直ちに人権条約を司法の場で裁判官に活用せしめるために、個人通報制度を批准し、法の支配を実現することが不可欠である。
 ③学校における「人権教育」の軽視
 成長期の教育が人格形成に与える影響が極めて大きいにも関わらず、学校における「人権教育」が、項目のみで具体性に欠ける。日本政府が2012年9月12日、社会権規約13条2b・c項の留保を撤回し批准手続きをとったにもかかわらず、政府は高校の学費無償化を後退させ、大学の学費の無償化にも取り組んでいない。平和のためには何よりも教育施策の拡充であり、直ちに社会権規約・子どもの権利条約で保障する人権保障の拡充に政府と共に取り組むことが、東京都の責務である。
 ※『人権教育及び人権啓発の推進に関する法律』 第5条(地方公共団体の責務)
「地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、人権教育及び人権啓発に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。」
 (3)実効ある差別撤廃・人権救済策を!
 ①人権を保障する国際的な仕組みを、『新指針』の中に分かりやすく組み込むこと

 現行『指針』・新しい『提言』には、共に、個別課題の紹介はあるが、人権を守る国際的な仕組みの説明がない(「1,東京都における人権状況」、「3,指針で取り上げる人権課題」、「4,施策の進め方」)。
 個別の人権に対応した国際人権条約の存在を明示し、人権の保障内容(理念とシステム)、人権侵害の禁止・抑止(加害の撲滅)、人権侵害からの保護・救済(被害の救済)を体系的に示すことが、人権を侵害されている当事者にとって課題解決の第一歩となる。
cf.現指針で取り上げられている個別課題○と、新たに取り上げるべき個別課題●
○女性:『女子差別撤廃条約』、
○子ども:『子どもの権利条約』●『拷問等禁止条約』
○障害者:『障害者権利条約』、
○同和問題:『人種差別撤廃条約』、
○アイヌの人々・外国人:『人種差別撤廃条約』、『難民条約』、
○高齢者・労働者『拷問等禁止条約』
●拉致問題:『強制失踪条約』、
●参政権:『自由権規約』
 ②可能な限り、直ちに取り組むことができることは、可及的速やかに取り組むこと。
 現在国会において18歳の選挙権に関する法案が提出され審議されているが、なぜ18歳なのか、子どもの年齢に関する法的根拠を明示していない。国連子どもの権利条約で児童(子ども)の年齢を規定している。(第1条「この条約の適用上、児童とは、18歳未満のすべての者をいう」)
 国連子どもの権利条約と子どもの権利委員会・第3回日本政府報告書審査に基づく最終見解(2010年6月11日)、武力紛争における子どもの関与に関する子どもの権利条約選択議定書に関する第1回政府報告審査後の国連子どもの権利委員会の最終見解及び子どもの売春等に関する子どもの権利条約選択議定書に関する第1回政府報告審査後の国連子どもの権利委員会の最終見解を、インターネットも通じ、日本の言語で広く入手できるようにすることは、すぐにできることである。可及的速やかに実施していただきたい。
 ③国際レベルの「人権教育」の推進
 差別をなくし人権が尊重される社会を実現するためには、人格形成期に行われる学校教育が極めて大事である。
 学校教育活動全体を通して、幼・小・中・高の発達段階に応じて、国際水準を満たした人権教育が行われるよう、人権の保障内容(理念とシステム)、人権侵害の禁止・抑止(加害の撲滅)、人権侵害からの保護・救済(被害の救済)を体系的に学ぶカリキュラムを、都独自にでも作成することを考えるべきである。
 ④立ち後れている課題を洗い出し、検討を始めること
 a,「機会均等」に留まらず、「積極的な差別撤廃政策」の採用を!
   男女共同参画社会の早期実現を目指して、クォーター制を取り入れるなど、国に先がけて差別撤廃積極策の積極的導入を。“affirmative action(差別撤廃積極策)”は、米国『公民権法』(1964年)以来の国際的潮流である。
 b,東京都教育委員会『人権教育プログラム』における男女平等の不適切な扱いの是正
   ・「ジェンダー・フリー」という用語の使用を禁止した、時代遅れの『見解』『通知』(16.8.26)の撤回。
   ・個別の人権課題「6.女性」の中で、『女子差別撤廃条約』への言及がないことの改善。
 c,制度の中にある差別の撤廃は、国及び地方公共団体の責務である。
   偏見に基づく個人間の人権侵害は、教育や啓発から内面の認識変革を迫ることによって解決に取り組むべき課題であるが、制度上の差別撤廃は、一義的に国及び地方公共団体に解決の直接の責務がある課題である。自治体の中で可能な取り組みを実行に移すべきである。
cf.民法の中の男女差別や婚外子差別、教育や社会保障の中の国籍条項による民族差別、外国人の地方参政権(※)の保障等々
憲法第93条第2項「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律に定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する」
(続)

『今 言論・表現の自由があぶない!』(2015/4/18)
http://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729/27095555.html
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