<転送歓迎>(重複ご容赦)
・「都教委包囲首都圏ネットワーク」・「千葉高教組」・「新芽ML」の渡部です。
本日(7月28日)都教委は、無記名投票で、
①「都立中学校及び中等教育学校」10校が来年度使用する<歴史>と<公民>教科書に、いずれも「育鵬社」の教科書を採択しました。
②「都立特別支援学校(中学部)」には、<歴史>は「育鵬社」、<公民>は「自由社」の教科書を採択しました。
(新たな)戦前回帰の動きがさらに強まってきました。
――――――――――――――――――――――
(東京地裁判決批判4回目です)
今回は「第4 争点に対する判断(56~154頁)」のうち、
<1 判断の前提となる事実関係>の
(4)東京都における国旗・国歌の指導状況等(平成13~14年まで)
(5)東京都における国旗・国歌の指導状況等(平成15~16年まで)
(6)東京都における国旗・国歌の指導状況等(平成17年以降)
を取り上げます。
(4)について
ここでも、
・文部省の『学校における国旗及び国歌に関する指導について(通知)』(平成13年(2001年)5月25日)
・平成12年度卒業式の「国旗・国歌の実施率」の表
・平成13年度入学式の「 〃 」の表
・都教委の『学校における国旗及び国歌に関する指導について(通知)』(平成13年6月12日)
・文部省の『学校における国旗及び国歌に関する指導について(通知)』(平成14年7月31日)
・平成13年度卒業式の「国旗・国歌の実施率」の表
・平成14年度入学式の「 〃 」の表
・都教委の『入学式及び卒業式における国旗掲揚及び国歌斉唱の指導の徹底について(通知)』(平成14年11月1日)
などが繰り返し記述されています。
そのなかで、平成13年(2001年)初め頃の都教委の認識について、次のように紹介しています。
(都立高校における国旗・国歌の実施率は)「平成12年(2000年)度の卒業式から100%となったものの、国旗を掲揚した三脚を舞台袖の見えないところに置く、国歌斉唱を式次第に明記しない、国歌斉唱は単にCD等により曲を流すだけである。国歌斉唱時には、多くの教員が式典会場の外におり、国歌斉唱が終ってから、外にいた教員が式典会場の外におり、国歌斉唱が終ってから、外にいた教員が式典会場内に入ってくる、国歌斉唱時に教員が起立しないなどの実態があり、都教委は、その実施方法に課題があると考えていた。」
これは明らかに、『10・23通達』の正当性を引き出すための<事実関係?>を、都教委の資料にもとづいて記入したものです。
もちろん、当時の多くの教員の認識はここでは全く紹介されていません。
(5)(平成15~16年まで)について
ここでも、(4)と同じように、この期間の
・文部科学省の出した(照会)(平成15年(2003年)3月5日)
・それにもとづいて都教委の出した調査(依頼)ー国旗掲揚・国歌斉唱の方法ー
・その結果の「表」
・その結果に対する①「都教委定例会」、②「都議会」における報告
①「依然としてこうした実態がございますので、大きな課題として受け止めまして、今後引き続き指導の徹底を図ってまいりたい」
②「卒業式等が学習指導要領に基づき適正に実施されるように指導を継続する」
などがあり、その後の動きとして、
・『都立学校等卒業式・入学式対策本部』の設置と「対策(案)(平成15年(2003年)6月25日)
・都議会(平成15年7月2日)での<土屋たかゆき議員>と<横山教育長>のやりとり
そして、
・『10・23通達』(2003年10月23日)の「作成」と「発出」
・説明会とその後の指導
と、かなり詳しく述べてあり、
最後に、
・平成15年度の周年記念式典、卒業式及び平成16年度入学式における「職務命令違反」(と処分)、「再発防止研修」に関する事実経過等、が、またしても都教委だけの立場で詳しく紹介されています。
要するに、東京地裁(青野裁判長)は、全面的に都教委の立場に立って、『10・23通知』と「処分」、そして「再発防止」は不可避のものであった、と紹介しているのです。
ところで、ここではとくに2003年7月以降の、<土屋たかゆき議員>、<横山教育長>、<近藤指導課長>、<臼井人事部長>、<賀澤高等学校教育指導課長>、<指導部の小林副参事>、<半澤主任指導主事>、らの言動がかなり詳しく述べられています。
私はこれを読んでいて、一瞬、「青野裁判長は、将来彼らが裁かれる時のために、証拠(十分なりうる)をまとめておいたのか?」、とも思いました。
(6)(平成17年(2005年)以降)について
ここでは
・都教委の『再任用及び再雇用職員の任用について(通知)』(平成17年1月24日)
・平成16年度卒業式、平成17年度入学式の処分について
・「再発防止研修」について
・都教委定例会での報告
・平成18年2月の『入学式・卒業式等の適正な実施について(通知)』
・平成17年度卒業式、平成18年度入学式の処分について
・平成18年3月の『入学式・卒業式における国旗掲揚及び国歌斉唱の指導について(通知)』
が紹介され、「再任用及び再雇用職員の任用」のことにも触れられています。
これは今回、その対象になる教員たちがいたからでしょう。
また、最後の『・・・指導について(通知)』の説明では、次のようなことが紹介されています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「今般、一部の都立高等学校定時制課程卒業式において、国歌斉唱時に学級の生徒の大半が起立しないという事態が発生した」として、本件通達及び平成16年3月11日付け通知(「入学式・卒業式の適正な実施について」)の「趣旨をなお一層徹底するとともに、校長は自らの権限と責任において、学習指導要領に基づき適正に児童・生徒を指導することを、教職員に徹底する」ことを求めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
つまり、「学習指導要領」に基づいて、教職員は生徒に「君が代」起立斉唱を徹底せよということです。
以上、<1 判断の前提となる事実関係>について長々と紹介してきましたが、結局のところ裁判所は、
①1989年「学習指導要領改訂」で「国旗掲揚・国歌斉唱」が義務付けられた、
②都教委は、それ以来一貫してその実現のために指導してきた、
③しかし、なかなか徹底しなかった、
④1999年の『国旗国歌法』制定でも不十分だった、
⑤それで、適正実施のために、2003年『10・23』通達を出し、
⑥それでも違反した教員たちがいたので「処分」し、「再発防止研修」も課し、再任用・再雇用職員は「任用しない」とした、
⑦なお、生徒の中にも不起立があったので「適正」指導をさらに徹底した、
という、<判断の前提となる事実関係>というより*<都教委の言い分>を、そのままなぞっただけだったのです。
しかしここには、都教委や裁判所の本音・体質が良く出ています。
次回から<争点>の批判に入ります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『第2回 8・12~13「日の丸・君が代」裁判 全国学習・交流集会』
<場 所> 社会文化会館(メトロ永田町下車徒歩6分)
<内 容>
・8月12日(金)
13時 社会文化会館第2会議室集合
14時~17時 諸行動(最高裁要請、文部科学省交渉など)
17時30分~19時30分 交流集会 (社文地下食堂)
・8月13日(土) 社会文化会館第1会議室
9時30分~12時30分 1、諸行動の報告
2、各地からの報告
13時30分~17時 3、討論
*********************************************************
「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
http://kenken.cscblog.jp/
「千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
http://homepage3.nifty.com/hinokimi/
・「都教委包囲首都圏ネットワーク」・「千葉高教組」・「新芽ML」の渡部です。
本日(7月28日)都教委は、無記名投票で、
①「都立中学校及び中等教育学校」10校が来年度使用する<歴史>と<公民>教科書に、いずれも「育鵬社」の教科書を採択しました。
②「都立特別支援学校(中学部)」には、<歴史>は「育鵬社」、<公民>は「自由社」の教科書を採択しました。
(新たな)戦前回帰の動きがさらに強まってきました。
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(東京地裁判決批判4回目です)
今回は「第4 争点に対する判断(56~154頁)」のうち、
<1 判断の前提となる事実関係>の
(4)東京都における国旗・国歌の指導状況等(平成13~14年まで)
(5)東京都における国旗・国歌の指導状況等(平成15~16年まで)
(6)東京都における国旗・国歌の指導状況等(平成17年以降)
を取り上げます。
(4)について
ここでも、
・文部省の『学校における国旗及び国歌に関する指導について(通知)』(平成13年(2001年)5月25日)
・平成12年度卒業式の「国旗・国歌の実施率」の表
・平成13年度入学式の「 〃 」の表
・都教委の『学校における国旗及び国歌に関する指導について(通知)』(平成13年6月12日)
・文部省の『学校における国旗及び国歌に関する指導について(通知)』(平成14年7月31日)
・平成13年度卒業式の「国旗・国歌の実施率」の表
・平成14年度入学式の「 〃 」の表
・都教委の『入学式及び卒業式における国旗掲揚及び国歌斉唱の指導の徹底について(通知)』(平成14年11月1日)
などが繰り返し記述されています。
そのなかで、平成13年(2001年)初め頃の都教委の認識について、次のように紹介しています。
(都立高校における国旗・国歌の実施率は)「平成12年(2000年)度の卒業式から100%となったものの、国旗を掲揚した三脚を舞台袖の見えないところに置く、国歌斉唱を式次第に明記しない、国歌斉唱は単にCD等により曲を流すだけである。国歌斉唱時には、多くの教員が式典会場の外におり、国歌斉唱が終ってから、外にいた教員が式典会場の外におり、国歌斉唱が終ってから、外にいた教員が式典会場内に入ってくる、国歌斉唱時に教員が起立しないなどの実態があり、都教委は、その実施方法に課題があると考えていた。」
これは明らかに、『10・23通達』の正当性を引き出すための<事実関係?>を、都教委の資料にもとづいて記入したものです。
もちろん、当時の多くの教員の認識はここでは全く紹介されていません。
(5)(平成15~16年まで)について
ここでも、(4)と同じように、この期間の
・文部科学省の出した(照会)(平成15年(2003年)3月5日)
・それにもとづいて都教委の出した調査(依頼)ー国旗掲揚・国歌斉唱の方法ー
・その結果の「表」
・その結果に対する①「都教委定例会」、②「都議会」における報告
①「依然としてこうした実態がございますので、大きな課題として受け止めまして、今後引き続き指導の徹底を図ってまいりたい」
②「卒業式等が学習指導要領に基づき適正に実施されるように指導を継続する」
などがあり、その後の動きとして、
・『都立学校等卒業式・入学式対策本部』の設置と「対策(案)(平成15年(2003年)6月25日)
・都議会(平成15年7月2日)での<土屋たかゆき議員>と<横山教育長>のやりとり
そして、
・『10・23通達』(2003年10月23日)の「作成」と「発出」
・説明会とその後の指導
と、かなり詳しく述べてあり、
最後に、
・平成15年度の周年記念式典、卒業式及び平成16年度入学式における「職務命令違反」(と処分)、「再発防止研修」に関する事実経過等、が、またしても都教委だけの立場で詳しく紹介されています。
要するに、東京地裁(青野裁判長)は、全面的に都教委の立場に立って、『10・23通知』と「処分」、そして「再発防止」は不可避のものであった、と紹介しているのです。
ところで、ここではとくに2003年7月以降の、<土屋たかゆき議員>、<横山教育長>、<近藤指導課長>、<臼井人事部長>、<賀澤高等学校教育指導課長>、<指導部の小林副参事>、<半澤主任指導主事>、らの言動がかなり詳しく述べられています。
私はこれを読んでいて、一瞬、「青野裁判長は、将来彼らが裁かれる時のために、証拠(十分なりうる)をまとめておいたのか?」、とも思いました。
(6)(平成17年(2005年)以降)について
ここでは
・都教委の『再任用及び再雇用職員の任用について(通知)』(平成17年1月24日)
・平成16年度卒業式、平成17年度入学式の処分について
・「再発防止研修」について
・都教委定例会での報告
・平成18年2月の『入学式・卒業式等の適正な実施について(通知)』
・平成17年度卒業式、平成18年度入学式の処分について
・平成18年3月の『入学式・卒業式における国旗掲揚及び国歌斉唱の指導について(通知)』
が紹介され、「再任用及び再雇用職員の任用」のことにも触れられています。
これは今回、その対象になる教員たちがいたからでしょう。
また、最後の『・・・指導について(通知)』の説明では、次のようなことが紹介されています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「今般、一部の都立高等学校定時制課程卒業式において、国歌斉唱時に学級の生徒の大半が起立しないという事態が発生した」として、本件通達及び平成16年3月11日付け通知(「入学式・卒業式の適正な実施について」)の「趣旨をなお一層徹底するとともに、校長は自らの権限と責任において、学習指導要領に基づき適正に児童・生徒を指導することを、教職員に徹底する」ことを求めた。
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つまり、「学習指導要領」に基づいて、教職員は生徒に「君が代」起立斉唱を徹底せよということです。
以上、<1 判断の前提となる事実関係>について長々と紹介してきましたが、結局のところ裁判所は、
①1989年「学習指導要領改訂」で「国旗掲揚・国歌斉唱」が義務付けられた、
②都教委は、それ以来一貫してその実現のために指導してきた、
③しかし、なかなか徹底しなかった、
④1999年の『国旗国歌法』制定でも不十分だった、
⑤それで、適正実施のために、2003年『10・23』通達を出し、
⑥それでも違反した教員たちがいたので「処分」し、「再発防止研修」も課し、再任用・再雇用職員は「任用しない」とした、
⑦なお、生徒の中にも不起立があったので「適正」指導をさらに徹底した、
という、<判断の前提となる事実関係>というより*<都教委の言い分>を、そのままなぞっただけだったのです。
しかしここには、都教委や裁判所の本音・体質が良く出ています。
次回から<争点>の批判に入ります。
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『第2回 8・12~13「日の丸・君が代」裁判 全国学習・交流集会』
<場 所> 社会文化会館(メトロ永田町下車徒歩6分)
<内 容>
・8月12日(金)
13時 社会文化会館第2会議室集合
14時~17時 諸行動(最高裁要請、文部科学省交渉など)
17時30分~19時30分 交流集会 (社文地下食堂)
・8月13日(土) 社会文化会館第1会議室
9時30分~12時30分 1、諸行動の報告
2、各地からの報告
13時30分~17時 3、討論
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