◆ <資料紹介>「マレーシアにも『慰安所』の日本軍資料」記事 (1993年4月8日「中国新聞」)
皆さま 高嶋伸欣です
突然ですが、古い資料類を整理していたところ、1993年4月8日の中国新聞記事(共同通信発?)が出てきました。
当時の防衛庁防衛研修所図書館(東京・恵比寿)の所蔵資料「馬来(マレー)軍政監部」の「軍政月報」などに「軍専用特殊慰安所」に「衛生サック」「7万5千個ヲ配給ス」などと記述されていることが判明した、というものです。
見つけたのは大阪人権歴史資料館の学芸員の方で、当時出版された『金学順さんの証言』(解放出版)の中で紹介されているそうです。
ちなみに従軍慰安婦問題で日本政府と日本軍の責任を認めた「河野談話」が公表されたのはこの年1993年8月4日です。この記事が出た4月には政府の調査がかなり進んでいたはずですが、この資料については政府が確認をしていない模様だと、指摘されています。
安倍晋三氏や櫻井よしこ氏それに「産経」などがしきりに「河野談話」批判をしていますが、政府の調査自体の杜撰さが改めて証明される話題といえます。
それに朝鮮半島からの「強制連行」の有無はともかくとして、「軍専用特殊慰安所」を占領地に開設していたという事実を裏付けているものでもあります。
すでにご存知の方が多いかと思いますが、念の為に紹介することにした次第です。
以上ご参考までに 文責は高嶋です
拡散・転送は自由です
※記事の文字起こし
『中国新聞』1993年(平成5年)4月8日
◆ マレーシアにも「慰安所」
防衛庁所蔵資料で確認
大阪人権資料館員
旧日本軍が占領していたマレー(現マレレシア)に軍専用の「特殊慰安所」と「慰安婦」が存在していたことを裏付ける「軍政月報」など新たな防衛庁所蔵資料が七日までに見つかった。
この資料について、政府側の調査を統括する総理府内閣官房外政審議室は把握しておらず「事実関係を調査したい」としているが、専門家は「政府調査のずさんな一面が明らかになった」と指摘している。
新資料を発見したのは、大阪人権歴史資料館(大阪市浪速区)の宮前千雅子学芸員(二八)。このほど出版されたソウル在住の元従軍慰安婦の証言集「金学順さんの証言」(解放出版社)の中で、紹介している。
新資料は「馬来(マレー)軍政監部」による「戦時月報(軍政関係)」の昭和十八年七月三十一日付、同八月三十一日付、同九月三十日付、「軍政月報」の昭和十九年二月二十九日付の四点。
「軍政月報」では、「衛生」の項目に、医薬品衛生材料配給状況(十九年二月分)として「軍専用特殊慰安所料理店倶楽部用一ケ月分トシテ衛生サック七万五千個、過マンガン酸加里七びんヲ各州市向二慰安婦数二応ジテ配給ス」(原文のまま)と「慰安所」「慰安婦」の存在を明記。
また残り三点の「戦時月報」では「衛生サック ペナン州三万個」などの地域別の記述があり、軍が関与した衛生サック(コンドーム)の配給状況を記している。
日本政府は昨年七月、外政審議室がまとめた防衛庁など六省庁の資料調査結果を発表し、公式に国・軍のかかわりを認め、その後も、調査中。
同審議室は「これまでの調査に基づくリストの中に今回の資料は見当たらない」という。
中央大学の吉見義明教授(日本現代史)は「これまで防衛庁は八十六点の資料を確認したが、今回見つかった四点の資料は全く新しい資料だ。政府は予算をつけて本格的な調査をしていないところが問題だ。韓国など諸外国から誠意ある真相究明を強く求められていることをもっと認識する必要がある」と、政府の姿勢を批判している。
◆ 簡単に閲覧できた
宮前千雅子大阪人権歴史資料館学芸員の話
原剛・防衛庁防衛研究所
皆さま 高嶋伸欣です
突然ですが、古い資料類を整理していたところ、1993年4月8日の中国新聞記事(共同通信発?)が出てきました。
当時の防衛庁防衛研修所図書館(東京・恵比寿)の所蔵資料「馬来(マレー)軍政監部」の「軍政月報」などに「軍専用特殊慰安所」に「衛生サック」「7万5千個ヲ配給ス」などと記述されていることが判明した、というものです。
見つけたのは大阪人権歴史資料館の学芸員の方で、当時出版された『金学順さんの証言』(解放出版)の中で紹介されているそうです。
ちなみに従軍慰安婦問題で日本政府と日本軍の責任を認めた「河野談話」が公表されたのはこの年1993年8月4日です。この記事が出た4月には政府の調査がかなり進んでいたはずですが、この資料については政府が確認をしていない模様だと、指摘されています。
安倍晋三氏や櫻井よしこ氏それに「産経」などがしきりに「河野談話」批判をしていますが、政府の調査自体の杜撰さが改めて証明される話題といえます。
それに朝鮮半島からの「強制連行」の有無はともかくとして、「軍専用特殊慰安所」を占領地に開設していたという事実を裏付けているものでもあります。
すでにご存知の方が多いかと思いますが、念の為に紹介することにした次第です。
以上ご参考までに 文責は高嶋です
拡散・転送は自由です
※記事の文字起こし
『中国新聞』1993年(平成5年)4月8日
◆ マレーシアにも「慰安所」
防衛庁所蔵資料で確認
大阪人権資料館員
旧日本軍が占領していたマレー(現マレレシア)に軍専用の「特殊慰安所」と「慰安婦」が存在していたことを裏付ける「軍政月報」など新たな防衛庁所蔵資料が七日までに見つかった。
この資料について、政府側の調査を統括する総理府内閣官房外政審議室は把握しておらず「事実関係を調査したい」としているが、専門家は「政府調査のずさんな一面が明らかになった」と指摘している。
新資料を発見したのは、大阪人権歴史資料館(大阪市浪速区)の宮前千雅子学芸員(二八)。このほど出版されたソウル在住の元従軍慰安婦の証言集「金学順さんの証言」(解放出版社)の中で、紹介している。
新資料は「馬来(マレー)軍政監部」による「戦時月報(軍政関係)」の昭和十八年七月三十一日付、同八月三十一日付、同九月三十日付、「軍政月報」の昭和十九年二月二十九日付の四点。
「軍政月報」では、「衛生」の項目に、医薬品衛生材料配給状況(十九年二月分)として「軍専用特殊慰安所料理店倶楽部用一ケ月分トシテ衛生サック七万五千個、過マンガン酸加里七びんヲ各州市向二慰安婦数二応ジテ配給ス」(原文のまま)と「慰安所」「慰安婦」の存在を明記。
また残り三点の「戦時月報」では「衛生サック ペナン州三万個」などの地域別の記述があり、軍が関与した衛生サック(コンドーム)の配給状況を記している。
日本政府は昨年七月、外政審議室がまとめた防衛庁など六省庁の資料調査結果を発表し、公式に国・軍のかかわりを認め、その後も、調査中。
同審議室は「これまでの調査に基づくリストの中に今回の資料は見当たらない」という。
中央大学の吉見義明教授(日本現代史)は「これまで防衛庁は八十六点の資料を確認したが、今回見つかった四点の資料は全く新しい資料だ。政府は予算をつけて本格的な調査をしていないところが問題だ。韓国など諸外国から誠意ある真相究明を強く求められていることをもっと認識する必要がある」と、政府の姿勢を批判している。
◆ 簡単に閲覧できた
宮前千雅子大阪人権歴史資料館学芸員の話
修士論文作成のため、防衛庁防衛研究所の図書館で資料を探していたところ、今回の慰安所の存在を示す「軍政月報」「戦時月報」があるのが見つかった。「軍政月報」などは簡単に閲覧でき、政府によって確認されていなかったのが不思議な気がする。もっと徹底した調査をしてほしい。◆ 全体調査は未実施
原剛・防衛庁防衛研究所
図書館員の話これまで確認している資料は約九十点。図書館には膨大な量の資料があり、全部を調査するには至っていないが、一般公開はしている。ただ(真相究明に)大きな影響を与える資料はないと思う。
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