《 君が代強制反対に刑事罰!? 》 板橋高校「君が代」刑事裁判(2)
◎ 最後の卒業式に何とか出たかった
14:38再開。
二人目の証人は、被告人藤田勝久さん本人。尋問担当は、主に大迫恵美子弁護士と締めくくりに加藤文也弁護士。
時間の流れに沿った簡潔な質問に、訥々ながらキッパリと要を得た答を重ねて行く。最後の卒業式にかける藤田さんの思いがひしひしと伝わると同時に、悪いのは校長・教頭や都議の対応の仕方であることがよく分かるやりとりだった。

〔動機〕
・参列しようと思ったきっかけは2月末~3月初頃、元同僚からIちゃんがみんなが選んだ卒業の歌の伴奏をすると聞いた。現職最後の年の1年生は、直接関わった最後の生徒。私にとっても最後となる卒業式にぜひ参列したいと思った。
・当時の仕事はガードマン。勤務の割り振りは前月の20日に決める。既に卒業式当日は勤務日になっており変更は困難だったが、同僚に頭を下げて何とか替わってもらえ出られるようになった。
〔卒業生にお祝いの言葉を〕
・当日、Iちゃんは早く来ることが分かっていたので、真っ先に3年の教室に行き「失敗は気にせず、気楽にやれよ」と声をかけた。大半の生徒はもっと後に来るので、一旦相談室に戻ってから、9時頃にもう一度3年生の教室を回った。(その時の一人の女子生徒とのツーショットのスナップ写真を証拠提出)。自分が担任をした生徒の妹。喜んで、記念に写真を撮りたいと言ってきた。
〔保護者席でコピー配布〕
・『サンデー毎日』のコピーを配ろうと思いついたのは4~5日前。「10・23通達」で学校にどのようなことが起こっているのか知らない人が相当いるので、分かってもらい、考えてもらいたいと思った。
・7年間卒業式の係をやっていたので、保護者への来校時間通知は9時半、開式まで30分手持ちぶさたの時間があるのを知っていた。その間に知ってもらおうと思った。
〔配布制止行動はなかった〕
・誰からも制止されなかった。万一止められたら、そのまま自分の席に着いたろう。
〔呼びかけをしたのは時間があったから〕
・配り終えて、例年だと来賓の入場までまだ間がある時間だったので、コピーの内容を説明した。
〔従来の卒業式では保護者が考える機会を与えられていた〕
・前年までは、司会から「内心の自由があるので、一人一人で判断して欲しい。国歌斉唱は強制ではありません」とお断りしていた。
・この年はそのコメントを厳しく禁じられたと聞いている。開会の辞で起立するとそのまま国歌斉唱になるので、保護者は考えるゆとりが与えられない。
・私の呼びかけ「出来ましたら着席お願いします」が、考える機会になればと思った。
〔呼びかけ制止行為もなかった〕
・さえぎられたら話は続けられない。教頭がずっと傍についていたこともない。もし止められれば、直ちに止めて席に着かなければならない。
〔そのまま式典に参加したら国歌斉唱を妨害しただろうか〕
・ありえない。個々の判断だから、関与する気持ちはない。板橋高校戦後の歴史で初めて起立斉唱したのは私の担任の生徒。歌手志望で「歌って良いか」と聞きに来たので自分の判断に任せた。
〔しのびない退去〕
・呼びかけを終えた直後、教頭・校長が来て「退去しなさい」と言った。
・最後の卒業式、ようやく休暇を取って、Iちゃんの伴奏をぜひ聞きたくて、早朝高速道路を走らせてきた。なんとか出席に持って行けないかと思った。
・「おとなしくする。静かにする」と言ったら教頭が「約束するか」と言うので「約束する」と答えた。話が成立したと思って、校長にも「静かにするから」と言って席に向かった。誰もついてこなかった。
・そこに2人が立ちふさがった。1人は都議だと後で知った。間に校長が入ってきたので「教頭と話がついた」と言うと、都議が「管理者は校長だ」と遮って言った。一瞬間が空いて校長は「退去しなさい」と言った。これで完全にダメだと思って、そこで退室した。
・時間は1~2分のこと。
〔都立高校の学校運営の変化〕
・最後の数年管理が厳しくなった。東京新聞で「コンビニのよう」と評された。校長はまるで本部の指示通りに動くしかない支店長みたい。みんな平等で自由に意見を戦わせた自由闊達な雰囲気はなくなってきていた。
・それは気にはなっていたが、その年の1月に父が亡くなり忙殺されていた。
〔最後に一言あれば〕
・誰かから止められたらやめている。来賓入場が予想より早かった。いつも整列待機している生徒の脇をかきわけて入ってくるのだが、この日はTV取材のため卒業生は100mも離れた場所に並んでいた。開式の遅れが私のせいにされたのを心外に思っている。
・公正な審理をお願いします。
検察の反対尋問なし。
15:10終了
裁判長のまとめ
弁138(スナップ写真)採用します。その他の証人は却下します。
(一段と声を張り上げて)
◆ 次回は、3月13日(木)13:30~15:30
各々弁論を。口頭なら各々1時間で。弁論要旨は週の初めまでに。
(一審の時は、検察・弁護人とも各々口頭で陳述を行っている。)
傍聴人は退席して下さい。
15:15終了
(終)
◎ 最後の卒業式に何とか出たかった
14:38再開。
二人目の証人は、被告人藤田勝久さん本人。尋問担当は、主に大迫恵美子弁護士と締めくくりに加藤文也弁護士。
時間の流れに沿った簡潔な質問に、訥々ながらキッパリと要を得た答を重ねて行く。最後の卒業式にかける藤田さんの思いがひしひしと伝わると同時に、悪いのは校長・教頭や都議の対応の仕方であることがよく分かるやりとりだった。

〔動機〕
・参列しようと思ったきっかけは2月末~3月初頃、元同僚からIちゃんがみんなが選んだ卒業の歌の伴奏をすると聞いた。現職最後の年の1年生は、直接関わった最後の生徒。私にとっても最後となる卒業式にぜひ参列したいと思った。
・当時の仕事はガードマン。勤務の割り振りは前月の20日に決める。既に卒業式当日は勤務日になっており変更は困難だったが、同僚に頭を下げて何とか替わってもらえ出られるようになった。
〔卒業生にお祝いの言葉を〕
・当日、Iちゃんは早く来ることが分かっていたので、真っ先に3年の教室に行き「失敗は気にせず、気楽にやれよ」と声をかけた。大半の生徒はもっと後に来るので、一旦相談室に戻ってから、9時頃にもう一度3年生の教室を回った。(その時の一人の女子生徒とのツーショットのスナップ写真を証拠提出)。自分が担任をした生徒の妹。喜んで、記念に写真を撮りたいと言ってきた。
〔保護者席でコピー配布〕
・『サンデー毎日』のコピーを配ろうと思いついたのは4~5日前。「10・23通達」で学校にどのようなことが起こっているのか知らない人が相当いるので、分かってもらい、考えてもらいたいと思った。
・7年間卒業式の係をやっていたので、保護者への来校時間通知は9時半、開式まで30分手持ちぶさたの時間があるのを知っていた。その間に知ってもらおうと思った。
〔配布制止行動はなかった〕
・誰からも制止されなかった。万一止められたら、そのまま自分の席に着いたろう。
〔呼びかけをしたのは時間があったから〕
・配り終えて、例年だと来賓の入場までまだ間がある時間だったので、コピーの内容を説明した。
〔従来の卒業式では保護者が考える機会を与えられていた〕
・前年までは、司会から「内心の自由があるので、一人一人で判断して欲しい。国歌斉唱は強制ではありません」とお断りしていた。
・この年はそのコメントを厳しく禁じられたと聞いている。開会の辞で起立するとそのまま国歌斉唱になるので、保護者は考えるゆとりが与えられない。
・私の呼びかけ「出来ましたら着席お願いします」が、考える機会になればと思った。
〔呼びかけ制止行為もなかった〕
・さえぎられたら話は続けられない。教頭がずっと傍についていたこともない。もし止められれば、直ちに止めて席に着かなければならない。
〔そのまま式典に参加したら国歌斉唱を妨害しただろうか〕
・ありえない。個々の判断だから、関与する気持ちはない。板橋高校戦後の歴史で初めて起立斉唱したのは私の担任の生徒。歌手志望で「歌って良いか」と聞きに来たので自分の判断に任せた。
〔しのびない退去〕
・呼びかけを終えた直後、教頭・校長が来て「退去しなさい」と言った。
・最後の卒業式、ようやく休暇を取って、Iちゃんの伴奏をぜひ聞きたくて、早朝高速道路を走らせてきた。なんとか出席に持って行けないかと思った。
・「おとなしくする。静かにする」と言ったら教頭が「約束するか」と言うので「約束する」と答えた。話が成立したと思って、校長にも「静かにするから」と言って席に向かった。誰もついてこなかった。
・そこに2人が立ちふさがった。1人は都議だと後で知った。間に校長が入ってきたので「教頭と話がついた」と言うと、都議が「管理者は校長だ」と遮って言った。一瞬間が空いて校長は「退去しなさい」と言った。これで完全にダメだと思って、そこで退室した。
・時間は1~2分のこと。
〔都立高校の学校運営の変化〕
・最後の数年管理が厳しくなった。東京新聞で「コンビニのよう」と評された。校長はまるで本部の指示通りに動くしかない支店長みたい。みんな平等で自由に意見を戦わせた自由闊達な雰囲気はなくなってきていた。
・それは気にはなっていたが、その年の1月に父が亡くなり忙殺されていた。
〔最後に一言あれば〕
・誰かから止められたらやめている。来賓入場が予想より早かった。いつも整列待機している生徒の脇をかきわけて入ってくるのだが、この日はTV取材のため卒業生は100mも離れた場所に並んでいた。開式の遅れが私のせいにされたのを心外に思っている。
・公正な審理をお願いします。
検察の反対尋問なし。
15:10終了
裁判長のまとめ
弁138(スナップ写真)採用します。その他の証人は却下します。
(一段と声を張り上げて)
◆ 次回は、3月13日(木)13:30~15:30
各々弁論を。口頭なら各々1時間で。弁論要旨は週の初めまでに。
(一審の時は、検察・弁護人とも各々口頭で陳述を行っている。)
傍聴人は退席して下さい。
15:15終了
(終)
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