◆ 公民教科書記述の点検結果
<基本となる憲法16条・請願法の規定>
全国の皆さま 高嶋伸欣です
最近の政治情勢を見るにつけても、憲法16条が保障している「請願権」について、憲法施行から68年の間、なぜ私たちはこれが国民主権の原則を体現し、行動で示せることの保障であるという認識を広く持てなかったのだろうか、と悔やまれます。
そこで、今からでも遅くないし、今年の教科書採択問題にも役立つ一面がありそうなので、「請願権」を教科書ではどう説明をしているのか検証しながら、その説明不備の状況が広がった原因などについての検討を、”あきらめず”に進めることにしました。
例の如く長文になって、MLによっては拒否されるかもしれませんが、その場合はご容赦下さい。
皆さんからもご意見やご教示を頂ければ幸いです。
<第1回>は、この夏に採択の対象となる中学公民教科書の「請願権」に関する記述の状況一覧にその教科書の現行版の記述との対比も付記したものです。(文責は高嶋、転載・拡散は自由)
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<「請願権」検証・1> 公民教科書見本本の点検結果
<基本となる憲法16条・請願法の規定>
● 日本国憲法 第16条 (請願権)
● 請願法 (1947年3月13日 法律13号)
*7冊ある教科書について、しっかりと記述しているものから並べていきます。「評価」は私(高嶋)のコメントです。
1)教育出版 (p60)
「<参政権>--また、私たちは住民として、国や地方公共団体に直接要望を訴えることができます。年齢、国籍を問わず、日本に住むすべての人に認められているこの権利を、請願権といいます。」
*現行版(56p)=上記と同じ本文記述
評価=
極めて簡潔な表現であるものの、必要な内容を盛り込んだ記述となっていて、「国民だけの権利」ではなく「定住外国人」にも保障されている権利であることを、明確に示している。
しかし、差別問題(49p)や地方自治への住民参加(110~111p)などの記述の部分では、定住外国人に憲法が保障している権利として請願権が存在していることや、地方自治への参画(住民の参政権)に請願権が含まれていることなどについての説明が欠落している(現行版も同様)。
上記の簡潔な本文記述だけでは印象付けが希薄になる可能性が高いので、外国人差別問題や地方自治への住民参加の項目でも再度「請願権」の意味づけをするならば、効果は大きいと思われる。
この点は、教育出版以外の各社公民教科書にも共通して改善が期待される事柄でもある。
ちなみに、高嶋の手元にある各社の中学公民の教科書では、1977年度用以後のもので、請願権が年齢や国籍に関係なく日本に居住する人すべてに保障された権利であると記述したものは、見当たらない。1977年度用より古いものについては未調査であるが、もしかするとこの教育出版の公民教科書現行版(2012~’15年度用)が「請願権」を正しく説明した最初の教科書ということになるのかもしれない。そのことをどう評価すべきか? 悩ましい。
2)清水書院 (50p)
「<請願権>請願とは、国民が国や地方公共団体の政治について要求や異議を出したり、公務員の罷免、法律や規則の制定や改正、廃止を求めたりすることをいう。
憲法は請願権を人権として認め、請願をしたことによっていかなる差別や不利益をも受けないことを定めている。請願権は、国民みずからが直接に政治的意思を示すという、直接民主主義的な意義があり、参政権のような役割も果たす重要な権利である(注3)。
注3=請願権は参政権と異なり、未成年者や外国人にも保障されている。
図(写真)4=「請願のようす(兵庫県)」県に署名簿をそえた請願書を提出する市民グループ。国や地方公共団体はそれらを受けとり、誠実に処理する義務がある。」
*現行版(46p)=注記・図版はなし。 <本文>は、末尾の部分が「--意義があり、選挙のほかに国民が政治に参加できる重要な権利である。」とされている。
評価=
本文で「国民が」としている点で憲法16条の「何人(なんびと)も」の規定に反した説明になっている。見本本では、注記などで憲法16条や請願法に合わせた説明をしているが、本文で「国民が」としている点の不整合がそのままになっている。
また定住外国人差別問題や地方自治への住民参加の記述部分には請願権に関する説明がない(現行版も)。
3)東京書籍 (56p)
「<参政権>--国民が政治に参加する権利が参政権です。--国や地方の機関に要望をする請願権も、広い意味での参政権の一つといえます(注)。これらの権利は、国民主権を確保し、政治が国民の意志に基づいて行われるようにするために不可欠なものです。」
注1(写真)=市議会で路上喫煙の禁止を訴える中学生(静岡市 2005年)
注2(写真)=条例可決を伝える新聞記事(2006年)
注3(写真)路上喫煙禁止地区を示す(静岡市の)ロゴマーク
コラム=<静岡市の路上喫煙被害等防止条例=2005年、静岡市の中学1年生が、路上喫煙を禁止する条例の制定を求めて、市議会に請願を提出しました。請願を受けた市議会は全会一致でこの請願を採択し、翌年9月に路上喫煙被害等防止条例を可決しました。
*現行版(52p)=注1~3、コラムはまったく同じ。
<本文>は「<人権を確保するための権利>=「--政治が国民の意志にもとづいて民主的に行われるために、国民が政治に参加する権利が参政権です。--国や地方公共団体の機関に要望をする請求権も参政権の一つといえます。ーー」
#巻末資料の憲法条文で、東書版は「何人」に「なにびと」のルビを付けている。他社のルビは「なんびと」。
評価=
中学生による請願の事例を詳しく説明しているが、本文で「国民が」という表現でをしているために「何人も」の意味を「未成年でも」という程度の意味にしか読み取れない。定住外国人の権利保障である視点が抜け落ちている。
ついでながら、静岡市の条例制定の経過が注1~3の写真をたどることで経過(ストーリー)を読み取れるようになっている点で、このページの編集はよくできている。しかし、それらの写真に添えられた経過説明文のコラムで、そうした読み取りの楽しみが一気にを奪われている。推理小説の犯人捜しをしようとしている時に、脇から「犯人は○○だよ」と言われてしまった時の味気無さ、怒りを思い起こさせるものだ。
自習用の参考書ではない教科書では、ことの顛末をすべて説明されてしまったのでは、生徒の知的関心の喚起はできない。教科書をつまらなくする記述・編集の典型的な事例であり、それが現行版から改定版(見本本)にも続いて載っているのは不思議! 東書版を使用している学校の教員からは意見が挙がっていない? そういうことに教員は関心もなく、意欲もない?
もしもそうであるならば、「請願権の記述そのものに間違いがある」という指摘を現場の教員に期待するのは、もともとない物ねだりか?
なお上記のように、静岡市で中学1年生の請願権行使によって条例制定に至った実例の経過を詳細に紹介しているが、地方自治の節(104~111p)では、そのことに全く触れていない。その一方で住民が条例の制定を要求できる権利として直接請求権の事例説明を盛り込み、それには住民の50分の1以上の署名が必要と言う法規定の内容を展開している。静岡市の事例を思い起こさせる工夫がされてない。やはり「請願権」の憲法の規定やその権利の保障の重みについて、執筆者たちは関心が極めて薄いように思われる(現行版も同じ)。
4)日本文教出版 (57p)
「<参政権>日本国憲法は、基本的人権を私たちに保障するだけで
なく、それを実際に政治の場で実現するために、参政権や請願権を
保障しています。--日本国憲法は、選挙を通じて政治に参加するだけでなく、国民が
自ら重要なことがらを決定する制度も保障しています。
--国や地方公共団体に対して、苦情や法律の制定などの希望を述べ
る請求権(第16条)も、参政権の一つです(注)。--」
(注・写真)=<請願を提出した中学生(静岡市)>ぜんそくをもつ中学生が、たばこの煙で発作が起きたことをきっかけに、路上喫煙を禁止する条例を求めた請願を市議会に提出しました。請願は全会一致で採択され、条例が制定されました。」
*現行版(58p)=注・写真は「請願権・(国会の議員面会所の前で)国会議員に請願書を手渡しているようすです」とあるものだけ。
本文=「<参政権>日本国憲法は、これまで学習したような基本的人権を私たちに保障するだけでなく、それを実際に政治や裁判の場で実現するために、参政権や請求権を保障しています。--日本国憲法は、選挙を通じて政治に参加するだけでなく、国民が自ら重要なことがらを決定する制度も保障しています。--また、国や地方公共団体に対して希望を述べる請願権(第16条)も、参政権の一つです。--」
評価=
現行版の本文で「それを実際に政治や裁判の場で実現するために、参政権や請求権を保障しています」とあるところが、見本本では「それを実際に政治の場で実現するために、参政権や請願権を保障しています」とし、さらに注記で中学生による請願の実例を示している。請願権についての強調が見られるが、やはり定住外国人の権利保障であることを示していない点で、重要なポイントが欠けている。
東京書籍版と同様に、静岡市の中学生の請願による条例制定の事例を「請願権」のページで紹介しながら地方自治の節の住民参加の部分ではまるで触れていない。
「定住外国人」への差別問題の記述部分(53p)でも、結論として「わが国にある差別の問題を解決するには、私たち一人一人が基本的人権を理解し、多様な文化や社会を認めて、すべての人の市民的権利を保障していくことがたいせつです」と明記しているが、私にはまるでブラックユーモアを読まされている思いになる。「基本的人権を理解し」「すべての人の市民的権利を保障していくこと」に不可欠な正しい「市民的権利」の説明を公民教科書に掲載する責任を果たしていないのが、この教科書執筆者たち自身ではないのだろうか?
「請願権」の正確な意味の説明と行使の手ほどきなどを、日本国憲法制定時からの68年間に学校教育で徹底して実行していたならば、現在のような政治家たちの劣化ももう少し防げたはずと思えるし、最近の安倍政権の暴走も早い段階で阻止できたのではないかと、思えてならない。 ただしこの件の最大の責任者は、憲法16条の民主主義的な意味とその実際的な効果などについて、教職関連講義や一般社会向けの啓蒙活動などで、明確に強調しなかったどころか、「請願権」を「国民に限って保障された権利」という誤った認識を今なお広げ続けている法律家たちであるし、そうした誤った認識の拡散を事実上放置している現在までの法曹界であると、私は考えている。
「そこまで言うのか」と思う人は、『広辞苑』など主要国語辞典で『請願権』を引いてみて欲しい。「国民がーーを申し出る権利」とある。法律用語辞典類も同様だが、それらの問題については稿を改めて指摘したい。 ともあれやはり「請願権」についての教科書執筆者たちの認識は中途半端でしかないように、思える。
日本文教出版の場合、それでも現行版の「政治参加」の解説(本文・82p)には、「政治参加には、議員など公職者を選ぶための選挙、政治的な要望を伝えるための陳情や請願、大衆運動、住民運動、条例制定を求める直接請求、まちづくり計画を作成するための会合への参加など、さまざまな方法があります」とある。それが見本本では「現代のように社会の規模が大きくなり、複雑な対立を調整することが必要になると、国民が直接参加して政治を行うことは困難になるため、国の政治では関節民主制が中心になります」と強調したものに変わり、上記の説明は全く消されてしまっている。この変化を安倍首相が知ったらなら、小躍りをすることだろう。
同書の場合は「請願権」の認識が浅薄であるというだけではないようにも思える。
5)帝国書院 (55p)
「<人権を守る為の権利>--国民がみずから政治に参加するための
権利を、参政権といいます。--そして、国や地方公共団体に自分たちの希望を述べる請願権も保障され、請願したことによって差別を受けないとされています。」
*現行版(54p)=<本文>「--国民がみずから政治に参加するための権利を参政権といいます。--そして、国や地方公共団体に自分たちの希望を述べる請願権も保障され、請願したことによって差別を受けないことも保障されています。」
<別掲のコラム・99p>『持続可能な社会をめざして・中学生の政治参加』=静岡市で路上喫煙等を禁止する条例の制定を請願して、条例制定を実現させた中学生の取り組みを、1pを費やして詳しく紹介しているもの」
評価=
現行版では1ページ分のコラムで紹介していた静岡市の中学生の請願行動のことが、見本本では全く触れられていない。見本本の「私たちと政治参加」の節(100,101P)でも、投票権がらみの話題に終始してしまい、「請願権」が定住外国人も持つ権利であることどころか未成年も持つ権利であることを示すものになっていない。
その投票権がらみの説明部分でも、選挙の際の投票に向けて政治に関心を持とう、というありきたりの呼びかけをしているにすぎない。その上「中学生にとっては、今すぐ政治に参加し、取り組める場面は少ないかもしれません。しかし、近い将来に大人になってからーー」と、意欲に水を差すような記述が登場している。執筆者たちは、道徳の教科書でも書いているつもりではないだろうか? 「請願権」が未成年者にも保障されていることさえ、執筆者たちの念頭にはまるでないということなのだろう。それどころか、この記述に添えられている表「さまざまな政治参加の方法」の中に「請願権」が表示されていない。「大人」の「政治参加の方法」にさえ、「請願権」行使を含めない執筆者たちが「私たちには社会を変える力があることを自覚しましょう」などと呼びかけている。呼び掛けの前に、教科書の中身に責任を持ってもらいたい。
帝国書院の現行版では、上記のように静岡市の中学生の請願から条例制定に至った事例が1ページ分のカラムで詳しく紹介されている。そのコラムが見本本では全く消えている。その一方で、現行版でもこのコラムの前ページ「私たちと政治参加」の項は、見本本よりもさらに道徳教育的な投票率向上をめざす呼び掛け文そのもののような本文で埋められている。おまけに、見本本と同じ表「さまざまな政治参加の方法」が添えられている。
帝国書院版の執筆者たちには、憲法16条の条文を今一度、初心に戻って読み直してもらいたい。
6)育鵬社 (74p)
「<参政権>--また憲法は、議員や首長の選出以外でも国民が政治に参加できる道を開いています。例えば、憲法改正にあたって実施される国民投票(96条)や、最高裁判所の裁判官がふさわしいかどうかを判断する国民審査(の要求を79条)、特定の地域に適用される法律に対して住民の意志を問う住民投票(96条)の権利、政治上の要求を国や地方の機関に訴える請願権(16条)などがそれにあたります。」
*現行版(62p)=上記の見本本・本文と同一の記述のみ。(68~69)
「<外国人差別>--外国人にも人権は保障されますが、権利の性質上、参政権など日本国民に与えられた権利は、外国人には保障されません。ーーただし、外国人であっても日本国籍を取得すれば、日本国民として選挙権をはじめとするすべての権利が保障されます」
*現行本(56p)=上記の引用部分は同一の記述。(116~117)
「<地方自治と住民参加>地方公共団体の住民は選挙権以外にも、条例の制定・廃止・改正、地方議会の解散、首長や議員の解職(リコール)などを求める直接請求権をもっています。また、住民の苦情に基づき、政治が適正に行われているかを監視するオンブズマン制度を導入するところも増えつつあります。--」
*現行版(99p)=上記の引用部分の本文冒頭が「地方公共団体の住民は」が「住民は」である点以外、引用部分と同一。
評価=
憲法条文にある「国民は」と「何人も」との区別が全くできていない。そのことは<参政権>に「請願権」が含まれるとしながら、<外国人差別>についての説明で<参政権>は外国人に認める訳にはいかないもの、と説明している点から証明されている。
育鵬社版公民教科書の「請願権」認識は、明らかに憲法16条の規定に反している。
また事例の冒頭に、憲法改正のための「国民投票(96条)」を示しているところに、この教科書の編集意図が透けて見える。
7)自由社 (70~71p)*現行版のみ
「<参政権>ーー以上のような議員と首長の選出と被選出以外にも、憲法は、憲法改正にあたって実施することが規定されている国民投票(96条)、最高裁判所裁判官の国民審査(79条)、特定の地域に実施される法律の可否について住民の意志を問う住民投票(95条)、国民が政治的な要求を国や地方の機関に直接訴える請願権(16条)など、国民が政治についての意志を表明し政治に参加する権利を広く定めています。これらの諸権利が、参政権と呼ばれるものです。 添付図版・写真=「拉致被害者救出の署名目録の担当大臣への提出(請願権)」(102~103p)
「<地方公共団体の役割・住民意志の反映>ーー住民は、首長や議会に対し陳情したり、紹介議員の署名を得て請願を行うことができます。ーー」
*自由社は公民教科書の改定版を検定申請しないで、現行版を採択の見本本としている。ただし、訂正申請による記述変更はしてある。
評価=
憲法16条が「何人も」と明示している点について全く注目せず、「国民が政治についての意志を表明しーー」と本文で明記したままである点で、「何人も」の意味を全く理解していない記述になっている。請願権行使の事例を示した添付写真が「拉致被害者教出のーー」であるので、著者たちは日本国民の人権保障のみに関心が集中していて、彼らの念頭には「請願権」が定住外国人も保障されている権利であるという認識はまるでない、と思われる。明らかに日本国憲法に反した記述。
また地方自治体の説明部分で「住民は、首長や議会に陳情したり、紹介議員の署名を得て請願を行うことができる」とあるが、「紹介議員の署名を得て」という条件が付けられているのは、議会への請願の場合に限られている。「請願権」がより広い範囲の人々に保障された権利で、その行使についての制約条件としては、国会と地方議会への請願の際に紹介議員の署名が必要とされているにすぎないことを、本書の執筆者は正しく認識しないままに、誤った認識を生徒に与えている。
※公民教科書の「請願権」記述の総点検のまとめ
*憲法16条「請願権」保障の規定を正確に表示しているもの
教育出版版『中学校公民 ともに生きる』 公民930
*憲法16条「請願権」保障の規定の説明に多少の混乱があるもの
清水書院版『中学公民 日本の社会と世界』 公民931
東京書籍版『新編新しい公民』 公民929
*憲法16条「請願権」保障の規定の説明に大きな問題があるもの
日本文教出版『中学社会 公民的分野』 公民
帝国書院版 『社会科公民 より良い社会を目指して』公民932
*憲法16条「請願権」保障の規定を歪めて記述しているもの
育鵬社版『新編新しいみんなの公民」 公民934
自由社版『中学社会 新しい公民教科書』公民927
以上 転載・拡散は自由です
<基本となる憲法16条・請願法の規定>
全国の皆さま 高嶋伸欣です
最近の政治情勢を見るにつけても、憲法16条が保障している「請願権」について、憲法施行から68年の間、なぜ私たちはこれが国民主権の原則を体現し、行動で示せることの保障であるという認識を広く持てなかったのだろうか、と悔やまれます。
そこで、今からでも遅くないし、今年の教科書採択問題にも役立つ一面がありそうなので、「請願権」を教科書ではどう説明をしているのか検証しながら、その説明不備の状況が広がった原因などについての検討を、”あきらめず”に進めることにしました。
例の如く長文になって、MLによっては拒否されるかもしれませんが、その場合はご容赦下さい。
皆さんからもご意見やご教示を頂ければ幸いです。
<第1回>は、この夏に採択の対象となる中学公民教科書の「請願権」に関する記述の状況一覧にその教科書の現行版の記述との対比も付記したものです。(文責は高嶋、転載・拡散は自由)
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<「請願権」検証・1> 公民教科書見本本の点検結果
<基本となる憲法16条・請願法の規定>
● 日本国憲法 第16条 (請願権)
「何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない」(憲法の他の条文のように「国民は」でなく「何人も」としていることから、国民以外の定住外国人を含み、年齢制限もないと解釈されるもののはずです=高嶋注)
● 請願法 (1947年3月13日 法律13号)
これらの規定によって保障されている「請願権」を、中学公民教科書がどれだけ正確に記述しているか。最新版で現在の採択対象でもある見本本と現行版について、点検することにしました。
第1条 請願については、別に法律の定める場合を除いては、この法律の定めるところによる。
(請願について別に定めている法律は国会法と地方自治法だけで、国会と地方議会の議長への請願には所属議員の紹介を必要とするとしている=高嶋注)
第2条 請願は、請願者の氏名(法人の場合はその名称)及び住所(住所のない場合はその居所)を記載し、文書でこれをしなければならない。
第3条 請願者は請願の事項を所管する官公署にこれを提出しなければならない。天皇に対する請願書は、内閣にこれを提出しなければならない。
請願の事項を所管する官公署が明らかでないときは、請願書は、これを内閣に提出することができる。
第4条 請願書が誤って前条に規定する官公署以外の官公署に提出されたときは、その官公署は、請願者に正当な官公署を指示し、又は正当な官公署にその請願書を送付しなければならない。
第5条 この法律に適合する請願は、官公署において、これを受理し誠実に処理しなければならない。
第6条 何人も、請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。
附則 この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。
*7冊ある教科書について、しっかりと記述しているものから並べていきます。「評価」は私(高嶋)のコメントです。
1)教育出版 (p60)
「<参政権>--また、私たちは住民として、国や地方公共団体に直接要望を訴えることができます。年齢、国籍を問わず、日本に住むすべての人に認められているこの権利を、請願権といいます。」
*現行版(56p)=上記と同じ本文記述
評価=
極めて簡潔な表現であるものの、必要な内容を盛り込んだ記述となっていて、「国民だけの権利」ではなく「定住外国人」にも保障されている権利であることを、明確に示している。
しかし、差別問題(49p)や地方自治への住民参加(110~111p)などの記述の部分では、定住外国人に憲法が保障している権利として請願権が存在していることや、地方自治への参画(住民の参政権)に請願権が含まれていることなどについての説明が欠落している(現行版も同様)。
上記の簡潔な本文記述だけでは印象付けが希薄になる可能性が高いので、外国人差別問題や地方自治への住民参加の項目でも再度「請願権」の意味づけをするならば、効果は大きいと思われる。
この点は、教育出版以外の各社公民教科書にも共通して改善が期待される事柄でもある。
ちなみに、高嶋の手元にある各社の中学公民の教科書では、1977年度用以後のもので、請願権が年齢や国籍に関係なく日本に居住する人すべてに保障された権利であると記述したものは、見当たらない。1977年度用より古いものについては未調査であるが、もしかするとこの教育出版の公民教科書現行版(2012~’15年度用)が「請願権」を正しく説明した最初の教科書ということになるのかもしれない。そのことをどう評価すべきか? 悩ましい。
2)清水書院 (50p)
「<請願権>請願とは、国民が国や地方公共団体の政治について要求や異議を出したり、公務員の罷免、法律や規則の制定や改正、廃止を求めたりすることをいう。
憲法は請願権を人権として認め、請願をしたことによっていかなる差別や不利益をも受けないことを定めている。請願権は、国民みずからが直接に政治的意思を示すという、直接民主主義的な意義があり、参政権のような役割も果たす重要な権利である(注3)。
注3=請願権は参政権と異なり、未成年者や外国人にも保障されている。
図(写真)4=「請願のようす(兵庫県)」県に署名簿をそえた請願書を提出する市民グループ。国や地方公共団体はそれらを受けとり、誠実に処理する義務がある。」
*現行版(46p)=注記・図版はなし。 <本文>は、末尾の部分が「--意義があり、選挙のほかに国民が政治に参加できる重要な権利である。」とされている。
評価=
本文で「国民が」としている点で憲法16条の「何人(なんびと)も」の規定に反した説明になっている。見本本では、注記などで憲法16条や請願法に合わせた説明をしているが、本文で「国民が」としている点の不整合がそのままになっている。
また定住外国人差別問題や地方自治への住民参加の記述部分には請願権に関する説明がない(現行版も)。
3)東京書籍 (56p)
「<参政権>--国民が政治に参加する権利が参政権です。--国や地方の機関に要望をする請願権も、広い意味での参政権の一つといえます(注)。これらの権利は、国民主権を確保し、政治が国民の意志に基づいて行われるようにするために不可欠なものです。」
注1(写真)=市議会で路上喫煙の禁止を訴える中学生(静岡市 2005年)
注2(写真)=条例可決を伝える新聞記事(2006年)
注3(写真)路上喫煙禁止地区を示す(静岡市の)ロゴマーク
コラム=<静岡市の路上喫煙被害等防止条例=2005年、静岡市の中学1年生が、路上喫煙を禁止する条例の制定を求めて、市議会に請願を提出しました。請願を受けた市議会は全会一致でこの請願を採択し、翌年9月に路上喫煙被害等防止条例を可決しました。
*現行版(52p)=注1~3、コラムはまったく同じ。
<本文>は「<人権を確保するための権利>=「--政治が国民の意志にもとづいて民主的に行われるために、国民が政治に参加する権利が参政権です。--国や地方公共団体の機関に要望をする請求権も参政権の一つといえます。ーー」
#巻末資料の憲法条文で、東書版は「何人」に「なにびと」のルビを付けている。他社のルビは「なんびと」。
評価=
中学生による請願の事例を詳しく説明しているが、本文で「国民が」という表現でをしているために「何人も」の意味を「未成年でも」という程度の意味にしか読み取れない。定住外国人の権利保障である視点が抜け落ちている。
ついでながら、静岡市の条例制定の経過が注1~3の写真をたどることで経過(ストーリー)を読み取れるようになっている点で、このページの編集はよくできている。しかし、それらの写真に添えられた経過説明文のコラムで、そうした読み取りの楽しみが一気にを奪われている。推理小説の犯人捜しをしようとしている時に、脇から「犯人は○○だよ」と言われてしまった時の味気無さ、怒りを思い起こさせるものだ。
自習用の参考書ではない教科書では、ことの顛末をすべて説明されてしまったのでは、生徒の知的関心の喚起はできない。教科書をつまらなくする記述・編集の典型的な事例であり、それが現行版から改定版(見本本)にも続いて載っているのは不思議! 東書版を使用している学校の教員からは意見が挙がっていない? そういうことに教員は関心もなく、意欲もない?
もしもそうであるならば、「請願権の記述そのものに間違いがある」という指摘を現場の教員に期待するのは、もともとない物ねだりか?
なお上記のように、静岡市で中学1年生の請願権行使によって条例制定に至った実例の経過を詳細に紹介しているが、地方自治の節(104~111p)では、そのことに全く触れていない。その一方で住民が条例の制定を要求できる権利として直接請求権の事例説明を盛り込み、それには住民の50分の1以上の署名が必要と言う法規定の内容を展開している。静岡市の事例を思い起こさせる工夫がされてない。やはり「請願権」の憲法の規定やその権利の保障の重みについて、執筆者たちは関心が極めて薄いように思われる(現行版も同じ)。
4)日本文教出版 (57p)
「<参政権>日本国憲法は、基本的人権を私たちに保障するだけで
なく、それを実際に政治の場で実現するために、参政権や請願権を
保障しています。--日本国憲法は、選挙を通じて政治に参加するだけでなく、国民が
自ら重要なことがらを決定する制度も保障しています。
--国や地方公共団体に対して、苦情や法律の制定などの希望を述べ
る請求権(第16条)も、参政権の一つです(注)。--」
(注・写真)=<請願を提出した中学生(静岡市)>ぜんそくをもつ中学生が、たばこの煙で発作が起きたことをきっかけに、路上喫煙を禁止する条例を求めた請願を市議会に提出しました。請願は全会一致で採択され、条例が制定されました。」
*現行版(58p)=注・写真は「請願権・(国会の議員面会所の前で)国会議員に請願書を手渡しているようすです」とあるものだけ。
本文=「<参政権>日本国憲法は、これまで学習したような基本的人権を私たちに保障するだけでなく、それを実際に政治や裁判の場で実現するために、参政権や請求権を保障しています。--日本国憲法は、選挙を通じて政治に参加するだけでなく、国民が自ら重要なことがらを決定する制度も保障しています。--また、国や地方公共団体に対して希望を述べる請願権(第16条)も、参政権の一つです。--」
評価=
現行版の本文で「それを実際に政治や裁判の場で実現するために、参政権や請求権を保障しています」とあるところが、見本本では「それを実際に政治の場で実現するために、参政権や請願権を保障しています」とし、さらに注記で中学生による請願の実例を示している。請願権についての強調が見られるが、やはり定住外国人の権利保障であることを示していない点で、重要なポイントが欠けている。
東京書籍版と同様に、静岡市の中学生の請願による条例制定の事例を「請願権」のページで紹介しながら地方自治の節の住民参加の部分ではまるで触れていない。
「定住外国人」への差別問題の記述部分(53p)でも、結論として「わが国にある差別の問題を解決するには、私たち一人一人が基本的人権を理解し、多様な文化や社会を認めて、すべての人の市民的権利を保障していくことがたいせつです」と明記しているが、私にはまるでブラックユーモアを読まされている思いになる。「基本的人権を理解し」「すべての人の市民的権利を保障していくこと」に不可欠な正しい「市民的権利」の説明を公民教科書に掲載する責任を果たしていないのが、この教科書執筆者たち自身ではないのだろうか?
「請願権」の正確な意味の説明と行使の手ほどきなどを、日本国憲法制定時からの68年間に学校教育で徹底して実行していたならば、現在のような政治家たちの劣化ももう少し防げたはずと思えるし、最近の安倍政権の暴走も早い段階で阻止できたのではないかと、思えてならない。 ただしこの件の最大の責任者は、憲法16条の民主主義的な意味とその実際的な効果などについて、教職関連講義や一般社会向けの啓蒙活動などで、明確に強調しなかったどころか、「請願権」を「国民に限って保障された権利」という誤った認識を今なお広げ続けている法律家たちであるし、そうした誤った認識の拡散を事実上放置している現在までの法曹界であると、私は考えている。
「そこまで言うのか」と思う人は、『広辞苑』など主要国語辞典で『請願権』を引いてみて欲しい。「国民がーーを申し出る権利」とある。法律用語辞典類も同様だが、それらの問題については稿を改めて指摘したい。 ともあれやはり「請願権」についての教科書執筆者たちの認識は中途半端でしかないように、思える。
日本文教出版の場合、それでも現行版の「政治参加」の解説(本文・82p)には、「政治参加には、議員など公職者を選ぶための選挙、政治的な要望を伝えるための陳情や請願、大衆運動、住民運動、条例制定を求める直接請求、まちづくり計画を作成するための会合への参加など、さまざまな方法があります」とある。それが見本本では「現代のように社会の規模が大きくなり、複雑な対立を調整することが必要になると、国民が直接参加して政治を行うことは困難になるため、国の政治では関節民主制が中心になります」と強調したものに変わり、上記の説明は全く消されてしまっている。この変化を安倍首相が知ったらなら、小躍りをすることだろう。
同書の場合は「請願権」の認識が浅薄であるというだけではないようにも思える。
5)帝国書院 (55p)
「<人権を守る為の権利>--国民がみずから政治に参加するための
権利を、参政権といいます。--そして、国や地方公共団体に自分たちの希望を述べる請願権も保障され、請願したことによって差別を受けないとされています。」
*現行版(54p)=<本文>「--国民がみずから政治に参加するための権利を参政権といいます。--そして、国や地方公共団体に自分たちの希望を述べる請願権も保障され、請願したことによって差別を受けないことも保障されています。」
<別掲のコラム・99p>『持続可能な社会をめざして・中学生の政治参加』=静岡市で路上喫煙等を禁止する条例の制定を請願して、条例制定を実現させた中学生の取り組みを、1pを費やして詳しく紹介しているもの」
評価=
現行版では1ページ分のコラムで紹介していた静岡市の中学生の請願行動のことが、見本本では全く触れられていない。見本本の「私たちと政治参加」の節(100,101P)でも、投票権がらみの話題に終始してしまい、「請願権」が定住外国人も持つ権利であることどころか未成年も持つ権利であることを示すものになっていない。
その投票権がらみの説明部分でも、選挙の際の投票に向けて政治に関心を持とう、というありきたりの呼びかけをしているにすぎない。その上「中学生にとっては、今すぐ政治に参加し、取り組める場面は少ないかもしれません。しかし、近い将来に大人になってからーー」と、意欲に水を差すような記述が登場している。執筆者たちは、道徳の教科書でも書いているつもりではないだろうか? 「請願権」が未成年者にも保障されていることさえ、執筆者たちの念頭にはまるでないということなのだろう。それどころか、この記述に添えられている表「さまざまな政治参加の方法」の中に「請願権」が表示されていない。「大人」の「政治参加の方法」にさえ、「請願権」行使を含めない執筆者たちが「私たちには社会を変える力があることを自覚しましょう」などと呼びかけている。呼び掛けの前に、教科書の中身に責任を持ってもらいたい。
帝国書院の現行版では、上記のように静岡市の中学生の請願から条例制定に至った事例が1ページ分のカラムで詳しく紹介されている。そのコラムが見本本では全く消えている。その一方で、現行版でもこのコラムの前ページ「私たちと政治参加」の項は、見本本よりもさらに道徳教育的な投票率向上をめざす呼び掛け文そのもののような本文で埋められている。おまけに、見本本と同じ表「さまざまな政治参加の方法」が添えられている。
帝国書院版の執筆者たちには、憲法16条の条文を今一度、初心に戻って読み直してもらいたい。
6)育鵬社 (74p)
「<参政権>--また憲法は、議員や首長の選出以外でも国民が政治に参加できる道を開いています。例えば、憲法改正にあたって実施される国民投票(96条)や、最高裁判所の裁判官がふさわしいかどうかを判断する国民審査(の要求を79条)、特定の地域に適用される法律に対して住民の意志を問う住民投票(96条)の権利、政治上の要求を国や地方の機関に訴える請願権(16条)などがそれにあたります。」
*現行版(62p)=上記の見本本・本文と同一の記述のみ。(68~69)
「<外国人差別>--外国人にも人権は保障されますが、権利の性質上、参政権など日本国民に与えられた権利は、外国人には保障されません。ーーただし、外国人であっても日本国籍を取得すれば、日本国民として選挙権をはじめとするすべての権利が保障されます」
*現行本(56p)=上記の引用部分は同一の記述。(116~117)
「<地方自治と住民参加>地方公共団体の住民は選挙権以外にも、条例の制定・廃止・改正、地方議会の解散、首長や議員の解職(リコール)などを求める直接請求権をもっています。また、住民の苦情に基づき、政治が適正に行われているかを監視するオンブズマン制度を導入するところも増えつつあります。--」
*現行版(99p)=上記の引用部分の本文冒頭が「地方公共団体の住民は」が「住民は」である点以外、引用部分と同一。
評価=
憲法条文にある「国民は」と「何人も」との区別が全くできていない。そのことは<参政権>に「請願権」が含まれるとしながら、<外国人差別>についての説明で<参政権>は外国人に認める訳にはいかないもの、と説明している点から証明されている。
育鵬社版公民教科書の「請願権」認識は、明らかに憲法16条の規定に反している。
また事例の冒頭に、憲法改正のための「国民投票(96条)」を示しているところに、この教科書の編集意図が透けて見える。
7)自由社 (70~71p)*現行版のみ
「<参政権>ーー以上のような議員と首長の選出と被選出以外にも、憲法は、憲法改正にあたって実施することが規定されている国民投票(96条)、最高裁判所裁判官の国民審査(79条)、特定の地域に実施される法律の可否について住民の意志を問う住民投票(95条)、国民が政治的な要求を国や地方の機関に直接訴える請願権(16条)など、国民が政治についての意志を表明し政治に参加する権利を広く定めています。これらの諸権利が、参政権と呼ばれるものです。 添付図版・写真=「拉致被害者救出の署名目録の担当大臣への提出(請願権)」(102~103p)
「<地方公共団体の役割・住民意志の反映>ーー住民は、首長や議会に対し陳情したり、紹介議員の署名を得て請願を行うことができます。ーー」
*自由社は公民教科書の改定版を検定申請しないで、現行版を採択の見本本としている。ただし、訂正申請による記述変更はしてある。
評価=
憲法16条が「何人も」と明示している点について全く注目せず、「国民が政治についての意志を表明しーー」と本文で明記したままである点で、「何人も」の意味を全く理解していない記述になっている。請願権行使の事例を示した添付写真が「拉致被害者教出のーー」であるので、著者たちは日本国民の人権保障のみに関心が集中していて、彼らの念頭には「請願権」が定住外国人も保障されている権利であるという認識はまるでない、と思われる。明らかに日本国憲法に反した記述。
また地方自治体の説明部分で「住民は、首長や議会に陳情したり、紹介議員の署名を得て請願を行うことができる」とあるが、「紹介議員の署名を得て」という条件が付けられているのは、議会への請願の場合に限られている。「請願権」がより広い範囲の人々に保障された権利で、その行使についての制約条件としては、国会と地方議会への請願の際に紹介議員の署名が必要とされているにすぎないことを、本書の執筆者は正しく認識しないままに、誤った認識を生徒に与えている。
※公民教科書の「請願権」記述の総点検のまとめ
*憲法16条「請願権」保障の規定を正確に表示しているもの
教育出版版『中学校公民 ともに生きる』 公民930
*憲法16条「請願権」保障の規定の説明に多少の混乱があるもの
清水書院版『中学公民 日本の社会と世界』 公民931
東京書籍版『新編新しい公民』 公民929
*憲法16条「請願権」保障の規定の説明に大きな問題があるもの
日本文教出版『中学社会 公民的分野』 公民
帝国書院版 『社会科公民 より良い社会を目指して』公民932
*憲法16条「請願権」保障の規定を歪めて記述しているもの
育鵬社版『新編新しいみんなの公民」 公民934
自由社版『中学社会 新しい公民教科書』公民927
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