◆ 「会場はガラガラ」欧米メディアが冷笑する
日本のイヴァンカとトランプ報道 | BUSINESS INSIDER JAPAN
The hall is half empty as Ivanka Trump gives a speech in Tokyo at the Japanese government’s “World Assembly for Women” (WAW!) (略)
ロサンゼルス・タイムズは両首脳の「褒め合戦」を淡々と報じたが、多くの各国首脳とはうまくいっていないトランプ氏が、異例の扱いを受けていることが際立つ。さらに首脳同士の関係と日本人の米大統領に対する感情は、大きく隔たっている。
◆ ガラガラだったイヴァンカ氏のイベント
米調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、日本人の米大統領に対する信頼度は、2016年のオバマ大統領時代の78%から24%と、54ポイントも下落している。
同様に、アメリカに対する好感度も72%から57%と落ち込んだ。
また、トランプ政権下、日米関係が「良くなる」と答えた人は17%にとどまり、「悪化する」と答えた人が41%と大きく上回った。
ニューヨーク・タイムズは、ピューの数字を大統領の長女で大統領補佐官のイヴァンカ・トランプ氏の来日記事で引用した。安倍首相と出席した「国際女性会議WAW!」の座席がガラガラだったのも、この数字が背景にあるのでは、と報じている。
同紙はまた、日本のテレビコメンテーターが、イヴァンカ氏のピンクのスカートが大統領補佐官として、短すぎると報じていたことも伝えた。アメリカでは「スカートの長さ」などどうでもいいことだとも。
イヴァンカ氏の成田国際空港到着時の様子からレストランでの食事内容まで、「メジャー・ニュース」として伝えた日本メディアの過熱ぶりと、メインイベントの会議では集客につながらなかったことの対比を際立たせていた。
実際日本ではほとんど報じられなかったが、イヴァンカ氏のイベントは会場後ろ半分がガラガラだったことはアメリカでは話題を集めていた。
英紙ガーディアンも、「ガラガラ会場に迎えられたイヴァンカ」とするビデオを編集し、報じた。
イヴァンカさんが、セクハラを含めた女性差別の撲滅を訴えたことに対しては、twitterで「まず、自分の父親を何とかして欲しい」という批判が集まった。選挙戦中を通して、トランプ氏の女性蔑視発言や、過去のセクハラを訴える女性が複数出現したからだ。
◆ 習近平との「プレジデント同士の関係は最高」
日本を離れ韓国に向かうにあたり、米メディアは一斉に「トランプ氏のアジア政策とは一体何なのか?」と、急所をついている。安倍首相と日本政府は多くのパフォーマンスを準備したが、日米関係のビッグピックチャーは読み取れない。
トランプ大統領にとって、アジア歴訪のクライマックスは中国だ。トランプ氏の米国内の支持率が30%台後半と過去最低レベルで低迷する中、北朝鮮問題、アジアの安全保障問題、通商問題のいずれを取っても、有権者向けに最大の成果を得られるのは、対中国だ。
トランプ氏はアジア歴訪に先立ち、習近平・中国国家主席について、こう発言している。
「ブロマンス(ブラザーとロマンスの造語)」「バディ・ムービー(男の友情映画)」とみられた2日間の訪日の締めくくりがこれだった。中曽根首相とレーガン大統領、小泉首相とブッシュ大統領に続くかと思われた安倍ートランプの関係は、あまりにも危うい。
(文・津山恵子)
『BUSINESS INSIDER JAPAN』2017/11/8
https://www.businessinsider.jp/post-106908
日本のイヴァンカとトランプ報道 | BUSINESS INSIDER JAPAN
The hall is half empty as Ivanka Trump gives a speech in Tokyo at the Japanese government’s “World Assembly for Women” (WAW!)
ロサンゼルス・タイムズは両首脳の「褒め合戦」を淡々と報じたが、多くの各国首脳とはうまくいっていないトランプ氏が、異例の扱いを受けていることが際立つ。さらに首脳同士の関係と日本人の米大統領に対する感情は、大きく隔たっている。
◆ ガラガラだったイヴァンカ氏のイベント
米調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、日本人の米大統領に対する信頼度は、2016年のオバマ大統領時代の78%から24%と、54ポイントも下落している。
同様に、アメリカに対する好感度も72%から57%と落ち込んだ。
また、トランプ政権下、日米関係が「良くなる」と答えた人は17%にとどまり、「悪化する」と答えた人が41%と大きく上回った。
ニューヨーク・タイムズは、ピューの数字を大統領の長女で大統領補佐官のイヴァンカ・トランプ氏の来日記事で引用した。安倍首相と出席した「国際女性会議WAW!」の座席がガラガラだったのも、この数字が背景にあるのでは、と報じている。
同紙はまた、日本のテレビコメンテーターが、イヴァンカ氏のピンクのスカートが大統領補佐官として、短すぎると報じていたことも伝えた。アメリカでは「スカートの長さ」などどうでもいいことだとも。
イヴァンカ氏の成田国際空港到着時の様子からレストランでの食事内容まで、「メジャー・ニュース」として伝えた日本メディアの過熱ぶりと、メインイベントの会議では集客につながらなかったことの対比を際立たせていた。
実際日本ではほとんど報じられなかったが、イヴァンカ氏のイベントは会場後ろ半分がガラガラだったことはアメリカでは話題を集めていた。
英紙ガーディアンも、「ガラガラ会場に迎えられたイヴァンカ」とするビデオを編集し、報じた。
イヴァンカさんが、セクハラを含めた女性差別の撲滅を訴えたことに対しては、twitterで「まず、自分の父親を何とかして欲しい」という批判が集まった。選挙戦中を通して、トランプ氏の女性蔑視発言や、過去のセクハラを訴える女性が複数出現したからだ。
◆ 習近平との「プレジデント同士の関係は最高」
日本を離れ韓国に向かうにあたり、米メディアは一斉に「トランプ氏のアジア政策とは一体何なのか?」と、急所をついている。安倍首相と日本政府は多くのパフォーマンスを準備したが、日米関係のビッグピックチャーは読み取れない。
トランプ大統領にとって、アジア歴訪のクライマックスは中国だ。トランプ氏の米国内の支持率が30%台後半と過去最低レベルで低迷する中、北朝鮮問題、アジアの安全保障問題、通商問題のいずれを取っても、有権者向けに最大の成果を得られるのは、対中国だ。
トランプ氏はアジア歴訪に先立ち、習近平・中国国家主席について、こう発言している。
「人々は、プレジデント同士の関係では最高だと言っている。なぜなら、(習近平国家主席も)プレジデントと呼ばれるからだ」(注:国家主席は、英語ではプレジデントになる)安倍首相との関係は、「稀なもの」ではあっても、「最高」ではない。安倍首相がいくら努力しても、合同記者会見での日本経済に関するトランプ氏の発言は、一瞬にして両者の「上下」関係を浮き立たせた。
「日本人は、健全だ。都市は繁栄している。そして、世界でも最も強靭な経済の一つとなるものを築いた。しかし、(安倍首相の方を向いて)日本経済は、米経済ほどではない。そうではないと自分は思う。そうだろ(OK)? そして、アメリカはその状態を保つことに努力する。あなた方は、2番手であり続ける」オーストラリアのABCニュースは、この場面について、「トランプ氏は、いじめっ子のようにみえた。安倍氏は、微笑んでごまかすしかなかった」と書いた。
「ブロマンス(ブラザーとロマンスの造語)」「バディ・ムービー(男の友情映画)」とみられた2日間の訪日の締めくくりがこれだった。中曽根首相とレーガン大統領、小泉首相とブッシュ大統領に続くかと思われた安倍ートランプの関係は、あまりにも危うい。
(文・津山恵子)
『BUSINESS INSIDER JAPAN』2017/11/8
https://www.businessinsider.jp/post-106908
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