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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

握りつぶされた告発

2007年07月13日 | ノンジャンル
 ● 握りつぶされた告発
斎藤学(さいとうさとる)

 社保庁を見るまでもなく、官は腐敗しやすい

 少数の頑固者による内部告発だけが腐敗の進行を止めると思うのだが、そうした人は上長から疎まれ「狂人」呼ばわりされたりする。
 うつ病で通院しているある男性の場合を例に挙げよう。彼は東京都の職員で、某市にある総合精神保健福祉センターが勤務先である。

 そこで総務的な仕事をしていて、あることに気づいた。「清掃と警備等」で業務委託した先の業者の仕事ぶりがあまりにひどいので、業者を追及したところ、会社が別の会社に業務を丸投げしていたというのだ。都の落札額と丸投げ先の請負額との間には一千万円以上の差があったという。

 彼は施設の事務長に報告したのだが、この上司は彼の仕事ぶりを褒めて裏契約を調査するということをしなかった。それどころか、「この丸投げ契約を承認する」という趣旨の文書まで作り、この不正を支持した。
 その際、この事務長は業務委託を行っている業者への「成績評価報告書」なるものを書き換えろとの「職務命令」を下した。

 男性がこの命令に応じないでいると、事務長は勝手に訂正した成績評価を東京都の財務局に提出したという。

 このやりとりで疲弊した男性は今、精神科への通院を余儀なくされているわけだが、こんなわかりやすい事実を精神科に通う「おかしな人」の世まい言にされてしまってはたまらない。 (精神科医)

『東京新聞』(2007/7/11「本音のコラム」)

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