《月刊救援から》
◆ 辺野古基地建設変更申請は不承認
政府はただちに工事を中止せよ!
玉城デニー沖縄県知事は一一月二五日、沖縄防衛局から出されていた辺野古新基地建設の設計変更申請を不承認とすることを表明した。これで、少なくとも大浦湾側の工事については着手することは出来ない。
政府・防衛省は、完成の見込みのない工事計画そのものを撤回すべきだ。私たちは沖縄の人々の意思を受け止め、岸田政権に対する「辺野古新基地建設を許さない!」の声を更に大きくしていこう。
辺野古新基地建設予定地の大浦湾側には「マヨネーズ並み」と言われる軟弱地盤が広く存在していることは二〇一三~二〇一四年の地質調査て既に分かっていた。
しかし防衛局は長く認めず、二〇一九年一月になり安倍首相がやっと認め、翌年四月、地盤改良工事を含む設計変更申請提出を余儀なくされたのだった。
計画では、約六六ヘクタールの範囲に七一〇〇〇本もの砂杭を打ち込むとしているが、深い箇所で水深九〇mにも及ぶ軟弱地盤を改良する技術や設備は国内外にはなく、多くの専門家や技術者から実現が疑問視されている。
しかも同海域には二つの活断層かあり、「震度1程度」の地震で基地か崩壊するとまで言われている。
また、この海域を生活環境としていたジュゴンも埋め立て工事が始まるとともに姿を消し、生存が危ぶまれている。
希少な海洋生物であるサンゴも「移植」されているが、生存率が2割とも言われ、既に移植したサンゴの一部の死滅も報告されているのだ。
計画にはまた、激しい沖縄戦で亡くなった犠牲者の遺骨が今もなお埋まっている南部の土砂を埋め立てに使うことも含んでいる。
戦争のための基地建設に遺骨混じりの土砂を使うことは死者への冒涜であり、断して許すことは出来ない。
防衛局の変更申請書は、最も深い地点の地盤調査すら行っていないなど、数多くの疑問点、問題点に答える内容になっておらず、不承認は当然だ。
法的にも、中請許可権者てある知事の不承認が行われた以上、大浦湾の地盤改良工事予定区域の工事は行うことが出来ない。
その工事か出来ないなら基地建設自体が不可能だ。完成の見込みかなく、日々税金を垂れ流し続けている埋め立て工事を直ちに中止すべきだ。
しかし政府・防衛局は、「改良工事区域外だ」として地盤改良区域と密接する護岸の工事を続け、大浦湾に流れ込んでいる美謝川の水路を基地の北側に変更する工事も開始している。
豊かな養分を多く含んた美謝川は多様性に富む大浦湾の生態系を支えており、県との協議も行わずに工事を進めることは許されない。
一一月二六日、玉城知事の不承認を受けて、政府・防衛省に対して即時の工事中止を求める辺野占への基地建設を許さない実行委員会呼びかけの緊急行動が衆議院第二議員会館前で行われた。
発表翌日の緊急行動にもかかわらず約一〇〇名の人々か参加し、政府・防衛省に怒りの声を上げた。また、沖縄現地からオール沖縄会議の福元事務局長や伊波洋一参議院議員から発言が中継された。
沖縄では一方で自衛隊の暴挙が続いている。
一一月一四日、陸上自衛隊が宮古島の「保良訓練場」に地対空・地対艦ミサイルなど弾薬を搬入した。
同島平良港に着岸した海上自衛隊の輸送船から弾薬の入ったコンテナが三〇台の軍用トラックに積み込まれ、平和な島の市街地を走行した。
平良港や訓練場周辺では市民団体が座り込みなど抗議行動を繰り広げたが、県警は自衛隊を守る一方で市民を強制的に排除したのだ。
宮古島には昨年一月、「対中国戦略」に基づく南西諸島(琉球弧)の軍事要塞化の一環として新たに地対艦・地対空ミサイル部隊が配備され、住民の安全が脅かされている。
一一月末に全国規模て行われた二万人規模の自衛隊の統合演習では、シミュレーションによる模擬射撃が行われた。
同演習ては与那国島の祖納港と石垣島の石垣港に海上自衛隊の輸送艦艇が入った。統合演習で民間港を使うのは初めてだという。
住民を戦争に巻き込み生活を破壊するミサイル配備、全島軍事化は絶対に許すことは出来ない。
米軍の横暴も止まらない。
一一月一八日には米軍普天間飛行場で垂直離着陸輸送機MV22オスプレイによる物資のつり下げ訓練が行われた。同訓練では、本年七月にもCH53E大型輸送ヘリが高さ二・四メートルの鉄製コンテナを渡名喜村沖に落下させるなど、これまでも何度も落下事故を起こしてきた。
市街地に囲まれている普天間飛行場で実施することは、政府が唱える「危険性の除去」に逆行する。政府は米軍に訓練の中止を強く求めるべきだ。
現在も沖縄では、小笠原諸島の海底火山噴火による軽石の漂着により漁業が行えない状況だ。その中で辺野古の土砂投入など基地建設工事が進められているのは異常事態だ。
政府・防衛省は、工事を直ちに中止し、その予算を軽石除去などの対策に投入すべきだ。
玉城知事の不承認に対し、政府は、またもや「私人」に成りすまして国土交通大臣に「不服審査」の請求を行った。しかし、国土交通大臣が不承認を取り消しても知事が承認することはなく、政府は裁判に訴えることが考えられる。
私たちは、国策に従順な司法の動きに目を光らせなから、政府・防衛省に対し、辺野古の工事自体の即時中止を強く求めていかなくてはならない。
自らの未来をかけて自己決定権を行使し、政府の沖縄差別に抗する沖縄の人々に述帯し、「本土」=ヤマトの住民の責任として共に闘おう。
『月刊救援 632号』(2021年12月10日)
◆ 辺野古基地建設変更申請は不承認
政府はただちに工事を中止せよ!
中村利也/辺野古への基地建設を許さない実行委員会
玉城デニー沖縄県知事は一一月二五日、沖縄防衛局から出されていた辺野古新基地建設の設計変更申請を不承認とすることを表明した。これで、少なくとも大浦湾側の工事については着手することは出来ない。
政府・防衛省は、完成の見込みのない工事計画そのものを撤回すべきだ。私たちは沖縄の人々の意思を受け止め、岸田政権に対する「辺野古新基地建設を許さない!」の声を更に大きくしていこう。
辺野古新基地建設予定地の大浦湾側には「マヨネーズ並み」と言われる軟弱地盤が広く存在していることは二〇一三~二〇一四年の地質調査て既に分かっていた。
しかし防衛局は長く認めず、二〇一九年一月になり安倍首相がやっと認め、翌年四月、地盤改良工事を含む設計変更申請提出を余儀なくされたのだった。
計画では、約六六ヘクタールの範囲に七一〇〇〇本もの砂杭を打ち込むとしているが、深い箇所で水深九〇mにも及ぶ軟弱地盤を改良する技術や設備は国内外にはなく、多くの専門家や技術者から実現が疑問視されている。
しかも同海域には二つの活断層かあり、「震度1程度」の地震で基地か崩壊するとまで言われている。
また、この海域を生活環境としていたジュゴンも埋め立て工事が始まるとともに姿を消し、生存が危ぶまれている。
希少な海洋生物であるサンゴも「移植」されているが、生存率が2割とも言われ、既に移植したサンゴの一部の死滅も報告されているのだ。
計画にはまた、激しい沖縄戦で亡くなった犠牲者の遺骨が今もなお埋まっている南部の土砂を埋め立てに使うことも含んでいる。
戦争のための基地建設に遺骨混じりの土砂を使うことは死者への冒涜であり、断して許すことは出来ない。
防衛局の変更申請書は、最も深い地点の地盤調査すら行っていないなど、数多くの疑問点、問題点に答える内容になっておらず、不承認は当然だ。
法的にも、中請許可権者てある知事の不承認が行われた以上、大浦湾の地盤改良工事予定区域の工事は行うことが出来ない。
その工事か出来ないなら基地建設自体が不可能だ。完成の見込みかなく、日々税金を垂れ流し続けている埋め立て工事を直ちに中止すべきだ。
しかし政府・防衛局は、「改良工事区域外だ」として地盤改良区域と密接する護岸の工事を続け、大浦湾に流れ込んでいる美謝川の水路を基地の北側に変更する工事も開始している。
豊かな養分を多く含んた美謝川は多様性に富む大浦湾の生態系を支えており、県との協議も行わずに工事を進めることは許されない。
一一月二六日、玉城知事の不承認を受けて、政府・防衛省に対して即時の工事中止を求める辺野占への基地建設を許さない実行委員会呼びかけの緊急行動が衆議院第二議員会館前で行われた。
発表翌日の緊急行動にもかかわらず約一〇〇名の人々か参加し、政府・防衛省に怒りの声を上げた。また、沖縄現地からオール沖縄会議の福元事務局長や伊波洋一参議院議員から発言が中継された。
沖縄では一方で自衛隊の暴挙が続いている。
一一月一四日、陸上自衛隊が宮古島の「保良訓練場」に地対空・地対艦ミサイルなど弾薬を搬入した。
同島平良港に着岸した海上自衛隊の輸送船から弾薬の入ったコンテナが三〇台の軍用トラックに積み込まれ、平和な島の市街地を走行した。
平良港や訓練場周辺では市民団体が座り込みなど抗議行動を繰り広げたが、県警は自衛隊を守る一方で市民を強制的に排除したのだ。
宮古島には昨年一月、「対中国戦略」に基づく南西諸島(琉球弧)の軍事要塞化の一環として新たに地対艦・地対空ミサイル部隊が配備され、住民の安全が脅かされている。
一一月末に全国規模て行われた二万人規模の自衛隊の統合演習では、シミュレーションによる模擬射撃が行われた。
同演習ては与那国島の祖納港と石垣島の石垣港に海上自衛隊の輸送艦艇が入った。統合演習で民間港を使うのは初めてだという。
住民を戦争に巻き込み生活を破壊するミサイル配備、全島軍事化は絶対に許すことは出来ない。
米軍の横暴も止まらない。
一一月一八日には米軍普天間飛行場で垂直離着陸輸送機MV22オスプレイによる物資のつり下げ訓練が行われた。同訓練では、本年七月にもCH53E大型輸送ヘリが高さ二・四メートルの鉄製コンテナを渡名喜村沖に落下させるなど、これまでも何度も落下事故を起こしてきた。
市街地に囲まれている普天間飛行場で実施することは、政府が唱える「危険性の除去」に逆行する。政府は米軍に訓練の中止を強く求めるべきだ。
現在も沖縄では、小笠原諸島の海底火山噴火による軽石の漂着により漁業が行えない状況だ。その中で辺野古の土砂投入など基地建設工事が進められているのは異常事態だ。
政府・防衛省は、工事を直ちに中止し、その予算を軽石除去などの対策に投入すべきだ。
玉城知事の不承認に対し、政府は、またもや「私人」に成りすまして国土交通大臣に「不服審査」の請求を行った。しかし、国土交通大臣が不承認を取り消しても知事が承認することはなく、政府は裁判に訴えることが考えられる。
私たちは、国策に従順な司法の動きに目を光らせなから、政府・防衛省に対し、辺野古の工事自体の即時中止を強く求めていかなくてはならない。
自らの未来をかけて自己決定権を行使し、政府の沖縄差別に抗する沖縄の人々に述帯し、「本土」=ヤマトの住民の責任として共に闘おう。
『月刊救援 632号』(2021年12月10日)
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