◎ 「君が代」不起立処分及びそれに係る「服務:事故再発防止研修」の中止を求める要請書
都教委が10・23通達を発出し、「君が代」不起立処分を始めて11年が経ちました。11年を経てもなお、不利益を覚悟して「君が代」不起立をする教員が存在する意味を、都教委の教育委員・事務局諸氏は考えたことがあるでしょうか。
弾圧を加えれば誰もが屈するのではありません。どんなに弾圧をされても、間違ったことを看過してはいけないと己の責任を感じ行動する人はいるのです。
国を信じ、その指示に進んで従う子どもたちをつくってしまった戦前・戦中の教育に対する反省から、戦後の教育は、国家のための教育から、子どもたち一人ひとりの人格的発達を保障する教育に変わりました。
自民党政権は常に戦前回帰をはかり、第1次安倍政権は2006年、教育基本法を変えてしまいましたが、その改定教育基本法でさえも、「個人の尊厳を重んじ」る教育を謳わざるを得ませんでした。しかし、都教委が強行する「君が代」処分は、「個人の尊厳」を否定した、誤った戦前の教育そのものです。
教員を処分で脅し起立させ、全教員が起立する姿を見せることによって子どもたちに「君が代」起立を体で覚えさせ、指示には考えずに従うことを教え込む、「特定の意見のみを教授」する教育であり、子どもたちの学ぶ権利、思想及び良心形成の権利、思想及び良心の自由、信教の自由を奪っています。
旭川学テ最高裁判決が教育の本質的要請について、「教師が公権力によって特定の意見のみを教授することを強制されない」「子どもの教育が教師と子どもとの間の人格的接触を通じ、その個性に応じて行われなければならない」と判示していることに照らし合わせると、都教委の「君が代」不起立処分の犯罪性は明白です。
今年の7月24日に発表された国連自由規約委員会第6回審査所見では、パラ22において、「公共の福祉」を理由とする制約が基本的自由の制約にかかわる問題であることを指摘し、「思想・良心・宗教の自由、意見及び表現の自由に対するいかなる制約をも課すことを控えるよう強く要請する」と、日本政府に向けて発表しました。最高裁判決が言うところの、「君が代」起立の職務命令が「間接的な制約」となることについても、断罪したということです。
次に「服務事故再発防止研修」についてです。都教委は他の処分とは違い、「君が代」不起立・不伴奏についてのみ、処分とセットで「服務事故再発防止研修」なる思想の転向強要を行ってきました。
「服務事故再発防止研修」について東京地裁は、「…自己の思想,信条に反すると表明する者に対して、…自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容されている範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生じる可能性がある」(2004年7月23日東京地裁決定)と判示し、違憲違法の恐れを指摘しました。この時点での「服務事故再発防止研修」は、1回の処分に対し、1~2回の受講を定めたものでしたが、それでも地裁決定は、違憲違法の問題を指摘しました。
そうした指摘を受け止めずに都教委は2012年3月には、その「服務事故再発防止研修」の内容、回数を拷問ともいえるひどいものに変えました。
卒業式・入学式ともに「君が代」不起立を貫いた田中聡史さんに対しては、今年は4月から10月にわたり、教職員研修センターに呼び出しての「服務事故再発防止研修」を3回(うち、1回はこれから)、都教委が学校に押しかけてのそれを4回、他に校長によるそれを週1回の割合で強行しました。
この「服務事故再発防止研修」は、屈服するまで転向を迫る違法不当なものであるとともに、最高裁判決が違法とした累積加重処分を正当化するための実績づくりにしていることは、非常に大きな問題です。
2013年卒業式で不起立した田中さんに対し、都教委は減給処分を発令し、その理由について「最高裁判決を踏まえて判断した。戒告では秩序の維持が困難」(朝日新聞)と言いました。十数回の「服務事故再発防止研修」を用意したにもかかわらず反省はせず、したがって「不起立前後の態度等」がよくなく、戒告では秩序維持が困難としたということです。最高裁判決に倣えば、不起立だけでは戒告止まりであるはずです。違法不当な「服務事故再発防止研修」を直ちにやめるべきです。
こうした状況の中、私たちは以下のことを要請します。
河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会(連絡先○○○)
都教委が10・23通達を発出し、「君が代」不起立処分を始めて11年が経ちました。11年を経てもなお、不利益を覚悟して「君が代」不起立をする教員が存在する意味を、都教委の教育委員・事務局諸氏は考えたことがあるでしょうか。
弾圧を加えれば誰もが屈するのではありません。どんなに弾圧をされても、間違ったことを看過してはいけないと己の責任を感じ行動する人はいるのです。
国を信じ、その指示に進んで従う子どもたちをつくってしまった戦前・戦中の教育に対する反省から、戦後の教育は、国家のための教育から、子どもたち一人ひとりの人格的発達を保障する教育に変わりました。
自民党政権は常に戦前回帰をはかり、第1次安倍政権は2006年、教育基本法を変えてしまいましたが、その改定教育基本法でさえも、「個人の尊厳を重んじ」る教育を謳わざるを得ませんでした。しかし、都教委が強行する「君が代」処分は、「個人の尊厳」を否定した、誤った戦前の教育そのものです。
教員を処分で脅し起立させ、全教員が起立する姿を見せることによって子どもたちに「君が代」起立を体で覚えさせ、指示には考えずに従うことを教え込む、「特定の意見のみを教授」する教育であり、子どもたちの学ぶ権利、思想及び良心形成の権利、思想及び良心の自由、信教の自由を奪っています。
旭川学テ最高裁判決が教育の本質的要請について、「教師が公権力によって特定の意見のみを教授することを強制されない」「子どもの教育が教師と子どもとの間の人格的接触を通じ、その個性に応じて行われなければならない」と判示していることに照らし合わせると、都教委の「君が代」不起立処分の犯罪性は明白です。
今年の7月24日に発表された国連自由規約委員会第6回審査所見では、パラ22において、「公共の福祉」を理由とする制約が基本的自由の制約にかかわる問題であることを指摘し、「思想・良心・宗教の自由、意見及び表現の自由に対するいかなる制約をも課すことを控えるよう強く要請する」と、日本政府に向けて発表しました。最高裁判決が言うところの、「君が代」起立の職務命令が「間接的な制約」となることについても、断罪したということです。
次に「服務事故再発防止研修」についてです。都教委は他の処分とは違い、「君が代」不起立・不伴奏についてのみ、処分とセットで「服務事故再発防止研修」なる思想の転向強要を行ってきました。
「服務事故再発防止研修」について東京地裁は、「…自己の思想,信条に反すると表明する者に対して、…自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容されている範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生じる可能性がある」(2004年7月23日東京地裁決定)と判示し、違憲違法の恐れを指摘しました。この時点での「服務事故再発防止研修」は、1回の処分に対し、1~2回の受講を定めたものでしたが、それでも地裁決定は、違憲違法の問題を指摘しました。
そうした指摘を受け止めずに都教委は2012年3月には、その「服務事故再発防止研修」の内容、回数を拷問ともいえるひどいものに変えました。
卒業式・入学式ともに「君が代」不起立を貫いた田中聡史さんに対しては、今年は4月から10月にわたり、教職員研修センターに呼び出しての「服務事故再発防止研修」を3回(うち、1回はこれから)、都教委が学校に押しかけてのそれを4回、他に校長によるそれを週1回の割合で強行しました。
この「服務事故再発防止研修」は、屈服するまで転向を迫る違法不当なものであるとともに、最高裁判決が違法とした累積加重処分を正当化するための実績づくりにしていることは、非常に大きな問題です。
2013年卒業式で不起立した田中さんに対し、都教委は減給処分を発令し、その理由について「最高裁判決を踏まえて判断した。戒告では秩序の維持が困難」(朝日新聞)と言いました。十数回の「服務事故再発防止研修」を用意したにもかかわらず反省はせず、したがって「不起立前後の態度等」がよくなく、戒告では秩序維持が困難としたということです。最高裁判決に倣えば、不起立だけでは戒告止まりであるはずです。違法不当な「服務事故再発防止研修」を直ちにやめるべきです。
こうした状況の中、私たちは以下のことを要請します。
1,10・23通達を撤回し、これまでの処分を取り消し、当事者に謝罪すること。当会は貴職に、「7月10日及び7月24日に提出した質問・要請への9月3日付『回答』についての抗議」を9月22日に提出しています。これに対する回答も速やかにお願いします。
2,「服務事故再発防止研修」を直ちにやめること。
3,10月17日に予定している田中聡史さんに対するセンター研修を中止すること。「日の丸・君が代」の強制、「君が代」不起立処分、「服務事故再発防止研修」に反対する市民の声に耳を傾け、論議すること。
以上
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