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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「原子力の平和利用」の、「平和」は「商業」にまぶした偽装語だった

2021年03月10日 | フクシマ原発震災
 ◆ ダメなものはダメ (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 原発はもういらない、という人が76%また深刻な事故が起きると感じている人が90%を占める。日本世論調査会が実施した調査の結果だ。
 福島第一原発事故から十年、危険を感じながらも、原発がなくなると電気が足りなくなる、地球温暖化に必要、地元経済に役立つ、と考えている人たちが22%ほど。
 広島、長崎、第五福竜丸。三度も被爆を体験しながら、地震多発の日本列島に五十四基も建設、「原発大国」になったのは、アイゼンハワー米大統領の国連演説「アトムズ・フォー・ピース」の影響が大きい。そのあと濃縮ウランと原発の売り込みがはじまった。
 「平和」は「商業」にまぶした偽装語だった。
 それに「絶対安全」「安い」「クリーン」が上塗りされた。
 福島事故の惨事がその全ての虚飾を剥ぎ取った。

 が、今十年を節目にして、政府や財界は「脱炭素化」の流れに、原発再稼働を紛れ込ませようと腐心している。
 十年たっても
 事故や津波で自宅を追われた福島の人たちの三万五千人以上が避難したまま。
 燃料デブリは取りだせない。
 廃炉作業は進まない。
 核廃棄物の捨て場はない。
 使用済み核燃料再処理工場の完成の見通しは暗い。

 それでも老朽原発を動かそうとするのは集団的自殺行為だ。
 脱原発を宣言したメルケル首相の叡智(えいち)と英断。政治家の倫理性が問われている。
『東京新聞』(2021年3月9日【本音のコラム】)


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