【新春アピール】
☆ 原子力発電、火力発電と決別し、自然工ネルギーのみで成り立つ社会を!
老朽原発うこかすな!実行委員会
☆ 原発は現在の科学技術で制御できません
原発を現在の科学技術で制御できないことは、過去45年間に3回も起こった原発過酷事故【スリーマイル島原発(1979年)、チェルノブイリ原発(1986年)、福島第一原発(2011年)】が、証明しています。
原発は、冷却水を失えば暴走し、過酷事故に至ります。過酷事故の被害は甚大で、長期におよびます。発生後もうすぐ14年の東電福島第一原発事故の現地は、未だに「原子力緊急事態宣言」下にあり、事故炉の処理も全く進んでいません。汚染水は、垂れ流しです。
☆ 地震や津波に脆弱な原発
昨年は、大地震が多発しました。中でも、2024年1月1日の能登半島地震は、原発は地震に脆く、地震に伴って過酷事故が起これば、避難も屋内退避も困難を極めることを再認識させました。
地震多発、津波多発の日本に、原発はあってはなりません。
☆ 危険で、行き場のない使用済み核燃料の発生源・原発
原発を動かすと使用済み核燃料が発生します。使用済み核燃料は、発生直後には膨大な放射線と熱を発するため、燃料プールで水冷保管して、放射線と発熱の減少を待たなければなりません。
プールが満杯になれば原発を運転できなくなるため、電力会社や政府は、放射線量と発熱量が減少した使用済み核燃料を乾式貯蔵に移して、プールに空きを作ることに躍起です。
ところが、乾式貯蔵には2つの問題があります。
一つは、乾式貯蔵に移すことによって出来た燃料プールの空間に、膨大な放射線を発し、発熱の著しい新しい使用済み核燃料を入れた場合、その燃料プールが崩壊すれば、大惨事に至ることです。
他は、乾式貯蔵に移した使用済み核燃料の行き場がないことです。
関電や政府は、行き場として青森県の再処理工場の稼働を願望していましたが、昨年8月23日、日本原燃は27回目の再処理工場の完成延期を発表しました。
完成する見通しはありませんから、使用済み核燃料は行き場を失ったことになります。(万が一稼働すれば、大事故に至る可能性が大です。)
危険極まりなく、行き場もない使用済み核燃料の発生源・原発は全廃しなければなりません。
☆ 「原発依存社会」へ向かって暴走する政府と電力会社
原発推進に変節した石破首相
石破首相は、8月の総裁選出馬時には、「原発をゼロに近づけていく」と表明しながら、首相になって以来、岸田政権のエネルギー政策をほぼ踏襲して「原発依存社会」に向かっています。経団連や経済同友会の主張に迎合・屈服し、人の命や生活を犠牲の上に、電力会社、原発産業などの大企業に税金と電気料金を垂れ流すための政策です。
野党の中にも、原発容認、原発推進を掲げる政党もあります。とくに、労使協調路線の電力総連を支持母体とし、政権の行方にキャスティングポートを握る国民民主党は、原発推進を先導すると懸念されます。
☆ 原発推進法(GX脱炭素電源法)、
第7次工ネルギー基本計画で暴走を加速
自公政権が、昨年5月末に数を頼んで成立させた「GX脱炭素電源法」の完全施行は、原発運転延長認可の基準の整備などが終了する本年6月6日とされています。完全施行されれば、原発運転期間を「原則40年、最長60年」とした規定を原子炉等規制法(環境省の外局組織「原子力規剃委員会槻制委)」の所管)から電気事業法(経産省・資源エネルギー庁の所管)に移し、運転延長を経産相が認可するようになります。
また、規制委による再稼働審査の期間や裁判所による仮処分命令での原発停止期間などを「原発運転期間」から除外・上乗せすることで、原発の60年超え運転を可能にしています。
なお、「GX脱炭素電源法」の施行によって、電力会社が原発の30年超え運転を行う場合には、現行制度での運転延長認可は受けていても、最長10年ごとに劣化状況を評価し、「長期施設管理計画」を作成して、改めて規制委の認可を受けることを義務付けています。
一方、自公政権は、「GX脱炭素電源法」の実態化のために、「原発の最大限活用」を目指した第7次工ネルギー基本計画(案)を作成・発表し、パブコメを求めています(12月27日)。
この基本計画では、既存原発の再稼働、40年超え運転を加速し、60年超え運転の拡大、原発建て替え、新設も画策しています。
☆ 矢継ぎ早の原発再稼働
政府の後押しを受けた電力会社は、昨年、加圧水型原発に加えて、沸騰水型原発である女川原発2号機、島根原発2号機まで再稼働させました。
今後、日本原電の東海第二原発、東京電力の柏崎刈羽6、7号機の再稼働も画策しています。
☆ 老朽原発で「原発依存社会」を支える
再稼働が画策されている原発の多くが、運転開始後40年を超える老朽原発です。高浜1、2号機、美浜3号機、東海第二、川内1号機は、すでに40年超えです。
2030年には、現在((2025年)稼働可能な原発(33基)の内の17基が老朽原発になります。
とくに、関西電力では、稼働可能な原発7基の内の5基が、今年中に老朽原発となります。すでに50年を超えた高浜1号機、もうすぐ50年超えの高浜2号機、美浜3号機は超老朽原発です。老朽原発運転の暴挙を許してはなりません。
なお、高浜1号機について、規制委は、昨年10月16日、今後10年間の管理方針を定めた保安規定を認可しました。初めての50年超え原発の運転認可です。
人の命や生活を軽視し、政府、電力会社、財界に忖度した暴挙です。
また、関電は、「GX脱炭素電源法」下での高浜1、2号機の運転延長の認可を得るために、昨年10月24日、12月25日に、両機の「長期施設管理計画」を規制委に提出しています。
☆ 関西電力に、約束を履行させ、全ての老朽原発を廃炉に!
関電は、「使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を福井県外に探す」と福井県に何度も約束しながら、全てを反故にしています。
2021年にも、「2023年末までに探せなければ全老朽原発を止める」と約束しましたが、未だに中間貯蔵地を確定できていません。老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機の再稼働への福井県知事の承認を得るための空約束でした。
関電は、約束期限が迫った2023年10月、いかにも近々使用済み核燃料の青森県の再処理工場への搬出が可能であるかのように見せかけた「使用済み核燃料対策ロードマップ((工程表)」を福井県に示しています。
しかし、昨年8月23日に再処理工場の完成延期が発表され、「工程表」は完全に破綻しました。
この事態を受けて関電は、「工程表を見直す。2024年度末までに実効性のある見直しができなければ、老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機を止める」と、またも、白々しい論弁を発し、原発の運転を継続しています。
関電は約束どおり、老朽原発を即時停止すべきです。
☆ 「原発依存社会」への暴走は、失敗の政治と企業経営のツケ
政権や電力会社は、福島第一原発事故の悲惨を経験しても、脱原発を目指しませんでした。
もし、彼らが、事故の教訓を生かして、原発ときっぱり決別し、自然エネルギーに切り替える政策をとっていたなら、今頃、化石燃料や、核燃料に依存することなく、電気を供給し、世界の自然エネルギーへの切り替えの流れをリードしていたでしょう。彼らは、資本主義の視点からも失敗しているのです。
政府は、今、その失敗を取り繕うために、膨大な税金や電気料金を垂れ流し、原発関連企業を救済しようとしています。
☆ 自然工ネルギーに全面切り替えを!
今、世界は原発縮小、自然エネルギーへと向かっています。自然エネルギーのみを利用すれば、
1.燃料費はほぼゼロですから、コストは原発に比べて圧倒的に安いのは当然です。
2.大地震が発生しても過酷事故に至りません。
3.地球環境の保全にも有効で、炭酸ガスを増やすこともありません。
そもそも、人類のエネルギーに対する欲望のために、原子核に閉じ込められた膨大なエネルギーを解放しようとするから、原発過酷事故が起こり、危険極まりない使用済み核燃料が発生するのです。
また、地球が数億年かけて地中に蓄えた化石燃料を100年程度で枯渇する勢いで使うから、炭酸ガスが増えるのです。
現在の焦眉の課題・気候問題は、太陽から現在届いている自然エネルギーのみを利用し、原子核や化石燃料に閉じ込められたエネルギーを解放しない社会の実現を求めています。
☆ 日本は、自然エネルギーの宝庫
日本は、
1.急流河川を多数有し、中小の水力発電に適しています。
2.太陽光に恵まれ、太陽光発電、太陽熱利用に適しています。また、生物資源(バイオマス)として利用する植物の生育に適しています。
3.海風を含む風が豊富で、風力発電に適しています。
4.海に囲まれていて、波力・潮力発電、海洋温度差発電などに適しています。
5.世界第3位の地熱を有し、原発20基分の地熱発電が可能と言われています。
これらの自然エネルギーを利用すれば、現在の日本の電力消費量の7.5倍の発電が可能であると、環境省が試算しています。
☆ 今年を原発全廃元年に!
老朽原発うこかすな!実行委員会は、本年、以下を掲げて、原発全廃を目指します。
1.関電に、使用済み核燃料に関する福井県との約束の完全履行を求め、実効性のある(「工程表」の見直しができなかった場合、全老朽原発の廃炉を実行させよう!
2.原発推進を加速する「第7次工ネルギー基本計画」の策定を阻止しよう!
3.老朽原発運転を常酬ヒする(「GX脱炭素電源法」)の完全施行を許すな!
原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会を目指す皆様のご助力をお願いします。
『月刊たんぽぽ No.349』(2025年1月)
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