法務大臣 岩城光英 殿
外務大臣 岸田文雄 殿
1,「日の丸・君が代」強制を巡る懲戒処分は延べ474人、その数は今も年々増え続けている。
東京都では2003年「10・23通達」以来延べ474人の教職員が、学校行事における国歌斉唱時の不起立等を理由に懲戒処分を科され今も絶えることがない。この事案が「思想及び良心の自由の間接的な制約」に当たることは最高裁も認めており、ただちに国連勧告パラ22を適用すべき事案が今も進行中である。
2,国連の勧告は、東京都の学校行事における事例そのものである。
第6回日本審査において自由権規約委員会が、規約18条・19条に関する『事前質問17』で不起立不斉唱が制裁の対象になっている事例を質問したのに対して、日本政府は東京都教職員の不起立事案である2011年最高裁判決を引用して回答した。このことから、規約18条・19条に関して勧告されたパラグラフ22の対象が、東京都の学校行事における人権制約事案であることは明らかである。<別添資料1~3>
3,締約国の怠慢
ところが、このパラ22勧告の実行を当局に迫ったところ、文部科学省も東京都教育委員会も、自らの所管であることを否定した。その結果、勧告から1年が経過しても、どの部署も何のアクションも起こしていない<別添資料4~5>。
「強く要請(urge)」されたにも関わらず、所管すら定めず放置していることは、パラ22勧告を軽視するものとして非難されなければならない。
4,勧告の具体的内容とは
勧告の「強い要請(urge)」とは、自由権規約18条3項の「厳しい条件」を満たさない限り「思想・良心・宗教の自由」に対する「如何なる制約をも課すことを控える」ことである。
具体的には、自由権規約18条3項を裁判規範として適用することであり、同時に現に規約の許容を超える制約を教職員に科し続けている「10・23通達」を直ちに撤回することに他ならない。
5,国際社会で尊敬され信頼される日本人であるために
『学習指導要領』国旗国歌条項では、国旗国歌を尊重する態度が「国際社会において尊敬され信頼される」ために必要としているが、それ以上に人権理事国の地位にあるわが国にとって、国際社会における真の尊敬と信頼を勝ち得るために求められていることは、国内における国際水準の人権実現であり、勧告を無視し黙殺することは逆に尊敬も信頼も損ってしまうものである。
批准した条約を遵守し、国際機関の勧告を尊重することは国際社会の一員として当然の義務であり、とりわけ国際人権を推進すべき責任官庁である貴省には、率先して模範を示していただきたい。
◎ 東京・教育の自由裁判をすすめる会要請書 別添資料
【資料1】 2013年11月 国連人権委員会第6回日本審査『リストオブイシュー』(CCPR/C/JPN/Q/6)パラグラフ17
Freedom of religion, opinion and expression (arts. 18 and 19)
17. 委員会の前回最終勧告(CCPR/C/JPN/CO/5、パラ10)に照らし、「公共の福祉」の概念を定義し、かつ「公共の福祉」を理由に、宗教、意見及び表現の自由に科される制約が本規約の下で許容されている制約を超えることがない旨明記する立法をとることを予定しているか否か、明らかにしていただきたい。教員及び学校職員が、学校行事の際、国歌の起立斉唱を拒んだために、減給、停職及び解雇を含む制裁の対象となってきたという報告に関してコメントを願いたい。
【資料2】 2014年2月 『リストオブイシュー』17に対する『日本政府回答』パラグラフ187~190
187. 入学式・卒業式において、教職員が国歌を起立斉唱するよう職務命令を発することは、教育委員会及び校長の権限上認められるものである。
188. そして、最高裁の判例は、公立高等学校の校長が教職員に対し卒業式等の式典における国歌斉唱の際に国旗に向かって起立し国歌を斉唱することを命じた旨の職務命令の適法性が問題となった事案において、当該職務命令の目的及び内容並びにこれによってもたらされる制約の態様等を総合的に衡量すれば、当該職務命令については、当該教職員の思想及び良心の自由についての間接的な制約を許容しうる程度の必要性及び合理性が認められると判示している(2011年6月6日最高裁第一小法廷判決)。なお、「公共の福祉」は、本件における思想及び良心の自由の間接的な制約とはされていない。
189. 一般に、教育公務員は、住民全体の奉仕者として法令等及び上司の職務上の命令に従わなければならない立場にある。
190. そして、教職員の職務命令違反について、懲戒権者は、懲戒処分をすべきかどうか、また懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択すべきかを決定する裁量権を有しており、懲戒権じゃにおいて、その権限と責任に基づき適切に判断するものと考えている。もっとも最高裁の判例によれば、教職員に対する懲戒処分は、懲戒事由に該当すると認められる行為の原因、動機、態様、結果、影響等の他、当該教職員の上記行為の前後における態度、懲戒処分等の処分歴、選択する処分が他の公務員及び社会に与える影響等、諸般の事情に照らし、その判断が社会通念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、またはこれを濫用したと認められる場合には、違法となるものと解されている(2012年1月16日最高裁第一小法廷判決)。
【資料3】 2014年7月 国連人権委員会第6回日本審査『総括所見』(CCPR/C/JPN/CO/6)パラグラフ22
「公共の福祉」を理由とした基本的自由の制約
22 本委員会は、「公共の福祉」の概念は、曖昧で、制限がなく、規約の下で許容されている制約を超える制約を許容するかもしれないという懸念を改めて表明する。(2条、18条、19条)
委員会は、以前の最終所見(CCPR/C/JPN/CO/5、パラ10)を想起し、規約18条・19条のそれぞれ第3項に規定された厳しい条件を満たさない限り、締約国が、思想・良心・宗教の自由や表現の自由の権利に対していかなる制約を課すことをも差し控えるように強く要請する。
【資料4】 都教委の責任回避と勧告無視 (2015年4月14日五者卒業式・入学式対策本部の質問への回答から)
Q1~2:五者卒業式・入学式対策本部 A1~2:東京都教育委員会指導部指導企画課
Q1:「職務命令は・・・憲法19条に違反するものではない」とあるが、わが国は「自由権規約」を批准しており、その規約の有権的解釈である「総括所見パラグラフ22」を尊重すべき立場にあることを認めること。
A1:日本政府の見解について答える立場にない。
Q2:「総括所見パラグラフ22」で、「いかなる制約も控えるように」とある「いかなる制約」には、自由権規約委員会が日本政府に宛てた「List of Issues17」にある「減給、停職、及び解雇を含む制裁」及び「再発防止研修」が含まれることを認めること。
A2:日本政府の見解について答える立場にない。
【資料5】 文科省の責任回避と勧告無視
(2015年8月3日「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会における文科省回答から)
Q3~9:全国学習・交流集会実行委員会
A3~6,9:文科省大臣官房国際課、A7~8:文科省初等中等教育局初等中等教育企画課
Q3:このパラグラフ22は、いくつかの省庁の所管事項に関わっていると思われるが、その1つに文科省も含まれると理解して間違いないか。
A3:ご指摘のパラグラフ22については、自由権規約委員会が作成したものであり、またその内容を鑑み、関係する省庁を直截に申し上げることは困難でございまして、しかしいずれにせよ、自由権規約委員会から日本政府に対して出された最終見解につきましては、法的拘束力を有するものではございませんが、政府として、内容を十分検討の上、引き続き適切に対処していきたいと思っております。
Q4: このパラグラフ22は、東京都の所管にも関わっていると理解して間違いないか。
A4: 東京都の所管に関わっているかどうか、必ずしも明らかでありませんが、ご指摘のパラグラフ22については、自由権規約委員会が作成したものであり、お尋ねについて何ら言及はしておりませんことから、そのような中で、今回の所管等に関して政府としてお答えすることを差し控えさせていただくとともに、いずれにせよ政府として、内容を十分検討の上、適切に対処していきたいと思っております。
Q5: 上記『リスト・オブ・イシュー』「問17」と『政府回答』「パラ184~190」とのやりとりに対する委員会の見解が、『最終見解』「パラグラフ22」“『公共の福祉』を理由とした基本的自由の制限”に示されていると理解して間違いないか。
A5: 自由権規約委員会は、各国の政府報告の審査に際してNGOなどによる人権状況に対する意見を広く募集し参考にしていると承知しております。政府として同委員会がいかなる情報に基づいて、お尋ねのパラグラフを作成するに至ったかについて、直接この場で申し上げることを、差し控えさせていただきます。
Q6: パラグラフ22中の「いかなる制約を課すことも差し控えるように」に言う「いかなる制約」には、『リスト・オブ・イシュー』「問17」の「減給、停職及び解雇を含む制裁」が含まれていると理解して間違いないか。
A6: ご指摘のパラグラフ22については、自由権規約委員会が説明したものであり、ご質問については、何ら言及されていないところからお答えすることは差し控えさせていただきます。
Q7:『政府回答』が引用した「最高裁判決」(2011年6月6日)は、『最終見解』「パラグラフ22」に言う「規約18条・19条のそれぞれ第3項に規定された厳しい条件」を満たしていると理解しているか。
A7:ご指摘の点に関しましては、自由権規約委員会が、判断するということでございまして、文科省としてコメントする立場ではないので、差し控えさせていただきます。
Q8:この勧告を受けて、文科省は都教委に対して、具体的な指導・助言を何か行ったか。
A8:特段の指導は行っておりません。
Q9: パラグラフ22に関わる回答は、ほとんどが「お答えすることを差し控えさせていただきます」だった。しかし、これら勧告は委員会がどう解釈しているかではなくて、それを向けられた日本政府がそれを受けてどう対応するかだと思う。しかもこのパラグラフ22は、“urge”という、“should”よりも強い「火急を要する」という動詞が使われている唯一パラグラフなのに、1年経って政府の統一見解は出来ていないのか、それとも文科省が知らないのか。所管はどこになるのか、どこに聞けば、答えてくれるのか。それを再度質問する。
A9: お答えの難しいのが多くて申し訳ございませんが、質問のパラ22については、個別具体的に関係省庁を示すのが非常に難しい内容でございますので、担当としては、外務省の方から、政府の見解を申し上げることが適切かと思いますので、文科省からの回答は差し控えさせていただいているところでございます。
外務大臣 岸田文雄 殿
◎ 国連勧告パラグラフ22を尊重し、東京都の教育現場に
国際標準の「思想・良心・宗教の自由」の保障を求める要請書
国際標準の「思想・良心・宗教の自由」の保障を求める要請書
2015年12月4日
東京・教育の自由裁判をすすめる会
東京・教育の自由裁判をすすめる会
1,「日の丸・君が代」強制を巡る懲戒処分は延べ474人、その数は今も年々増え続けている。
東京都では2003年「10・23通達」以来延べ474人の教職員が、学校行事における国歌斉唱時の不起立等を理由に懲戒処分を科され今も絶えることがない。この事案が「思想及び良心の自由の間接的な制約」に当たることは最高裁も認めており、ただちに国連勧告パラ22を適用すべき事案が今も進行中である。
2,国連の勧告は、東京都の学校行事における事例そのものである。
第6回日本審査において自由権規約委員会が、規約18条・19条に関する『事前質問17』で不起立不斉唱が制裁の対象になっている事例を質問したのに対して、日本政府は東京都教職員の不起立事案である2011年最高裁判決を引用して回答した。このことから、規約18条・19条に関して勧告されたパラグラフ22の対象が、東京都の学校行事における人権制約事案であることは明らかである。<別添資料1~3>
3,締約国の怠慢
ところが、このパラ22勧告の実行を当局に迫ったところ、文部科学省も東京都教育委員会も、自らの所管であることを否定した。その結果、勧告から1年が経過しても、どの部署も何のアクションも起こしていない<別添資料4~5>。
「強く要請(urge)」されたにも関わらず、所管すら定めず放置していることは、パラ22勧告を軽視するものとして非難されなければならない。
4,勧告の具体的内容とは
勧告の「強い要請(urge)」とは、自由権規約18条3項の「厳しい条件」を満たさない限り「思想・良心・宗教の自由」に対する「如何なる制約をも課すことを控える」ことである。
具体的には、自由権規約18条3項を裁判規範として適用することであり、同時に現に規約の許容を超える制約を教職員に科し続けている「10・23通達」を直ちに撤回することに他ならない。
5,国際社会で尊敬され信頼される日本人であるために
『学習指導要領』国旗国歌条項では、国旗国歌を尊重する態度が「国際社会において尊敬され信頼される」ために必要としているが、それ以上に人権理事国の地位にあるわが国にとって、国際社会における真の尊敬と信頼を勝ち得るために求められていることは、国内における国際水準の人権実現であり、勧告を無視し黙殺することは逆に尊敬も信頼も損ってしまうものである。
批准した条約を遵守し、国際機関の勧告を尊重することは国際社会の一員として当然の義務であり、とりわけ国際人権を推進すべき責任官庁である貴省には、率先して模範を示していただきたい。
以上
◎ 東京・教育の自由裁判をすすめる会要請書 別添資料
【資料1】 2013年11月 国連人権委員会第6回日本審査『リストオブイシュー』(CCPR/C/JPN/Q/6)パラグラフ17
Freedom of religion, opinion and expression (arts. 18 and 19)
17. 委員会の前回最終勧告(CCPR/C/JPN/CO/5、パラ10)に照らし、「公共の福祉」の概念を定義し、かつ「公共の福祉」を理由に、宗教、意見及び表現の自由に科される制約が本規約の下で許容されている制約を超えることがない旨明記する立法をとることを予定しているか否か、明らかにしていただきたい。教員及び学校職員が、学校行事の際、国歌の起立斉唱を拒んだために、減給、停職及び解雇を含む制裁の対象となってきたという報告に関してコメントを願いたい。
【資料2】 2014年2月 『リストオブイシュー』17に対する『日本政府回答』パラグラフ187~190
187. 入学式・卒業式において、教職員が国歌を起立斉唱するよう職務命令を発することは、教育委員会及び校長の権限上認められるものである。
188. そして、最高裁の判例は、公立高等学校の校長が教職員に対し卒業式等の式典における国歌斉唱の際に国旗に向かって起立し国歌を斉唱することを命じた旨の職務命令の適法性が問題となった事案において、当該職務命令の目的及び内容並びにこれによってもたらされる制約の態様等を総合的に衡量すれば、当該職務命令については、当該教職員の思想及び良心の自由についての間接的な制約を許容しうる程度の必要性及び合理性が認められると判示している(2011年6月6日最高裁第一小法廷判決)。なお、「公共の福祉」は、本件における思想及び良心の自由の間接的な制約とはされていない。
189. 一般に、教育公務員は、住民全体の奉仕者として法令等及び上司の職務上の命令に従わなければならない立場にある。
190. そして、教職員の職務命令違反について、懲戒権者は、懲戒処分をすべきかどうか、また懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択すべきかを決定する裁量権を有しており、懲戒権じゃにおいて、その権限と責任に基づき適切に判断するものと考えている。もっとも最高裁の判例によれば、教職員に対する懲戒処分は、懲戒事由に該当すると認められる行為の原因、動機、態様、結果、影響等の他、当該教職員の上記行為の前後における態度、懲戒処分等の処分歴、選択する処分が他の公務員及び社会に与える影響等、諸般の事情に照らし、その判断が社会通念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、またはこれを濫用したと認められる場合には、違法となるものと解されている(2012年1月16日最高裁第一小法廷判決)。
【資料3】 2014年7月 国連人権委員会第6回日本審査『総括所見』(CCPR/C/JPN/CO/6)パラグラフ22
「公共の福祉」を理由とした基本的自由の制約
22 本委員会は、「公共の福祉」の概念は、曖昧で、制限がなく、規約の下で許容されている制約を超える制約を許容するかもしれないという懸念を改めて表明する。(2条、18条、19条)
委員会は、以前の最終所見(CCPR/C/JPN/CO/5、パラ10)を想起し、規約18条・19条のそれぞれ第3項に規定された厳しい条件を満たさない限り、締約国が、思想・良心・宗教の自由や表現の自由の権利に対していかなる制約を課すことをも差し控えるように強く要請する。
【資料4】 都教委の責任回避と勧告無視 (2015年4月14日五者卒業式・入学式対策本部の質問への回答から)
Q1~2:五者卒業式・入学式対策本部 A1~2:東京都教育委員会指導部指導企画課
Q1:「職務命令は・・・憲法19条に違反するものではない」とあるが、わが国は「自由権規約」を批准しており、その規約の有権的解釈である「総括所見パラグラフ22」を尊重すべき立場にあることを認めること。
A1:日本政府の見解について答える立場にない。
Q2:「総括所見パラグラフ22」で、「いかなる制約も控えるように」とある「いかなる制約」には、自由権規約委員会が日本政府に宛てた「List of Issues17」にある「減給、停職、及び解雇を含む制裁」及び「再発防止研修」が含まれることを認めること。
A2:日本政府の見解について答える立場にない。
【資料5】 文科省の責任回避と勧告無視
(2015年8月3日「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会における文科省回答から)
Q3~9:全国学習・交流集会実行委員会
A3~6,9:文科省大臣官房国際課、A7~8:文科省初等中等教育局初等中等教育企画課
Q3:このパラグラフ22は、いくつかの省庁の所管事項に関わっていると思われるが、その1つに文科省も含まれると理解して間違いないか。
A3:ご指摘のパラグラフ22については、自由権規約委員会が作成したものであり、またその内容を鑑み、関係する省庁を直截に申し上げることは困難でございまして、しかしいずれにせよ、自由権規約委員会から日本政府に対して出された最終見解につきましては、法的拘束力を有するものではございませんが、政府として、内容を十分検討の上、引き続き適切に対処していきたいと思っております。
Q4: このパラグラフ22は、東京都の所管にも関わっていると理解して間違いないか。
A4: 東京都の所管に関わっているかどうか、必ずしも明らかでありませんが、ご指摘のパラグラフ22については、自由権規約委員会が作成したものであり、お尋ねについて何ら言及はしておりませんことから、そのような中で、今回の所管等に関して政府としてお答えすることを差し控えさせていただくとともに、いずれにせよ政府として、内容を十分検討の上、適切に対処していきたいと思っております。
Q5: 上記『リスト・オブ・イシュー』「問17」と『政府回答』「パラ184~190」とのやりとりに対する委員会の見解が、『最終見解』「パラグラフ22」“『公共の福祉』を理由とした基本的自由の制限”に示されていると理解して間違いないか。
A5: 自由権規約委員会は、各国の政府報告の審査に際してNGOなどによる人権状況に対する意見を広く募集し参考にしていると承知しております。政府として同委員会がいかなる情報に基づいて、お尋ねのパラグラフを作成するに至ったかについて、直接この場で申し上げることを、差し控えさせていただきます。
Q6: パラグラフ22中の「いかなる制約を課すことも差し控えるように」に言う「いかなる制約」には、『リスト・オブ・イシュー』「問17」の「減給、停職及び解雇を含む制裁」が含まれていると理解して間違いないか。
A6: ご指摘のパラグラフ22については、自由権規約委員会が説明したものであり、ご質問については、何ら言及されていないところからお答えすることは差し控えさせていただきます。
Q7:『政府回答』が引用した「最高裁判決」(2011年6月6日)は、『最終見解』「パラグラフ22」に言う「規約18条・19条のそれぞれ第3項に規定された厳しい条件」を満たしていると理解しているか。
A7:ご指摘の点に関しましては、自由権規約委員会が、判断するということでございまして、文科省としてコメントする立場ではないので、差し控えさせていただきます。
Q8:この勧告を受けて、文科省は都教委に対して、具体的な指導・助言を何か行ったか。
A8:特段の指導は行っておりません。
Q9: パラグラフ22に関わる回答は、ほとんどが「お答えすることを差し控えさせていただきます」だった。しかし、これら勧告は委員会がどう解釈しているかではなくて、それを向けられた日本政府がそれを受けてどう対応するかだと思う。しかもこのパラグラフ22は、“urge”という、“should”よりも強い「火急を要する」という動詞が使われている唯一パラグラフなのに、1年経って政府の統一見解は出来ていないのか、それとも文科省が知らないのか。所管はどこになるのか、どこに聞けば、答えてくれるのか。それを再度質問する。
A9: お答えの難しいのが多くて申し訳ございませんが、質問のパラ22については、個別具体的に関係省庁を示すのが非常に難しい内容でございますので、担当としては、外務省の方から、政府の見解を申し上げることが適切かと思いますので、文科省からの回答は差し控えさせていただいているところでございます。
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