五十路の坂
若造のボクが言う
51歳なら充分だ
しっかり老いぼれている
今のボクは才気あふれて
全て余裕だよ
なのに なんでそんな歳になって
情熱を隠して
いちばんキツイ坂道を登るんだい?
今の僕が答える
オイ 生意気な若造よ
この坂道は
充分すぎるほどの坂道さ
鎧をつけて
自分を守りながら攻めいるオマエには
自分が重たくて登れまい
たしかに
みっともないくらい弱みをさらけ出して
なりふりかまわず登る姿は
オレのスタイルじゃない
それでもオレの人生には充分すぎるくらい充分さ
それも悪くない
でも 若造のボクには
そんな坂道を登ることは
知らないほうがいい
ボクだって
鎧を脱げば愛の溢れる人間さ
あなたが未来のボクなら
それはそれで充分ですよ
ともあれ 五十路の坂道一年目の夜だ
未来の老いぼれたボクはおもしろい
そんなあなたにお茶目あれ
2008.3.19 記