世にある日々

現世(うつしよ)は 愛おしくもあり 疎ましくもあり・・・・

室生寺 灌頂堂

2018-08-13 | あおによし











奥の院に行く 石の階段を歩いているときに

この世での幸せって
そんなに求めたりする価値があるのかなぁ~

進んで 苦しみや悲しみの中に入るわけじゃないけど
苦しんだり 悲しんだりして
その中で 自分と出会ったり
優しくなれたり
真実をみつけたりすることが
この世での 一番の価値ではないかなぁ

だとすれば
この世での幸せって
それに執着しちゃって
それを追い求めるのって

そんなに意味のないことかもしれない

なんて 考えていた

きつい山道だったけどね・・・・









それで 帰ってきて
灌頂堂に入って
如意輪観音菩薩さまの前に座って
ぼーっと お姿をみていた


なんかね
ピンと張りつめているけど
お茶目に微笑んでいるお姿があって
でも
僕の こころを観ておられる




 オレと同じように法輪を人差し指の上に乗っけてみな

エキサイティングな転生を送れるぜ
もう 自分の幸せを求めるレベルは終わっているんだ

今の苦しみは 人様のこころを解るための苦しみだよ
今世だけの幸せに執着していると
この先 使いものにならないぞ


ってね・・・・


静かなお堂の中で たたずんでいたら
どこからともなく 偈(げ) のような韻を踏んだ声が聞こえてきた
小さく聞こえるんだけど
僕の耳は その声を追っていた

灌頂堂を出て 金堂に再び入ったら
先ほどの女性の住職さんの声だった