昨日の夕方一本の電話を受けた 相手はお客様のL様
先日久しぶりの注文をいただいた
前回の伝票を確認すると19年の9月だから一年以上空いてる
これを100とあれを100
合計数万円になる仕事
今材料を切らしてますので入りましたらすぐにかかります
と言ったのが先月の31日でした
そして秋田の材木店から入荷したのが11日、約束通りすぐにかかりました
昨日仕上げて発送 今日向こうに着くと思います
昨日の夕方まだ着いてない時点での電話
「いつまでかかってるんだ もうキャンセルになっちまうぞ」
僕が今日発送しました という言葉を出してからのお言葉です
その間一度も状況の問い合わせなどなく 僕としても怒られる理由はないつもりだったのですが・・
う~~~ん 本当のところはカチンときたんです
約束通りなんの嘘もなく仕上げての発送でしたから。
このところ感じるのは、安くしろ という言葉
職人の価値が大暴落しています
それは主に中国という代わりがあるから
商人は物を右から左へ動かせば利益が出ます
でも僕たちは機械回して手を動かして初めて製品が出来上がりそれによっての対価ですから
おのずと一日にできる量は決まっていて一日に稼ぐ金額には限界がある
その限界を下げろと言われています
工場をやってゆくにはその地代なり賃貸料なり電気代もかかるのですがなかなか認められない現状
だんだん地位が下がるのが目に見えてる
馬鹿にされるというのは多少の語弊があるかもしれませんが
現実にはそういう風に見られることが増えてきました
ただここで僕が言いたいのは・・
そうやって見下すのは案外僕らの仲間である、消費者に一つ近い職人かもしれないということ
実は キャンセルになっちまうぞ という言葉は職人として最も聞きたくない言葉です
それを言った人は商人でもあるのですが もともと僕らより一つ消費者に近い職人さんでした
自分が聞きたくない言葉で自分より低い(と思ってる)職人を脅す
職人を一番バカにしてるのはやはり職人じゃないか
愕然としてしまいます
このお客さんは老舗の○○屋さんです
もう何代も続いてる所の社長の言葉
同業者との付き合いもありますが そちらの社長は僕らの仕事を認めてくださって丁寧に対応して下さいます
この老舗が何もかも悪いと言ってるわけじゃない
支払いは当然ながら堅い 振込料まで負担してくださってきちんと行われます
盆暮れの挨拶もお客様でありながらきちんと心遣いをしてくださる
ただ、社長の言葉を聞かされると なんでそんなにバカにするの? って言いたくなるんですよね
きっとうちにだけじゃないはず
絶対自分が損すると思う
ほんの少し自分を抑えれば 職人なんて山どころか木にでも登っちゃうのになぁ
何が一番大切なのか
僕はカチンを心の中にしまい込んで言った
「申し訳ありませんでした」
BEGIN/島人ぬ宝