心もなく、身体もなく、からだもなく、心もなく、
一切が “ ある ” が “ まま ” に脱落する。
それを “ そのまま ” と云う。
「 そのそのまま 」 と云うような言葉は
外国語には翻訳が困難である。
外国語に翻訳が困難であると云うのは、
それに適当した観念がないと云うことである。
“ そのまま ” は不来(ふらい)であり、不去(ふこ)である。
そのままにして肉体無しと悟る。
敢(あ)えて肉体の抹殺を必要とせず今、此処に、
無時・無空間の生命の実在を悟るのである。
これをキリストの十字架の真義とする処に、
西洋哲学と東洋哲学との一致を見出(みいだ)す。
『 生長の家 』 誌 昭和二十三年二月号
十八日の法語 谷 口 雅 春 先 生