上役(うわやく)のうちには、給料を払っている以上は、何時から何時までは
彼らの生命を 金で買ってあるのだから使わねば損だと思っているような
仕向(しむ)け方(かた)をする人もあるようだが、これは全然 考え方が間違っている。
「 生命 」 は 金より貴(とうと)いのだ。
金は 「 生命 」 を生かすための便宜(べんぎ)のために出来ているのであって、
「 生命 」 を しばるためには 出来ていないのだ。
ただ便宜のために金というものが 「 生命 」 をある時間だけ
買ったような相(すがた)になっている。
だが、それは表面の仮りの相である。
「 生命 」 は 金で買われるには余りに貴い。
神の子を金で買ったと思うことを恥じよ。
「 生命 」 は 互(たがい)に愛をあらわし、互の生存と生長とを
扶(たす)け合うために その能力に応じ、長所に応じて、
互に奉仕し合っているのが 本当のすがたであるのだ。
この生命の実相(ほんとのすがた)を見よ。
実相を見て仮の相にとらわれるな。
勉強して伸びたいと思っている者の邪魔をするな。
これが働く青少年の上に立つ者の愛の道であるのだ。
『 新編 生命の實相 』 ( 第12巻 生活篇 29頁~30頁 )
谷 口 雅 春 先 生