今日、頑張って早起きして観たのは、「メアリーの総て」です。
「フランケン・シュタイン」の作者、メアリー・シェリーの物語です。
新宿の「シネマ・カリテ」という、本当に小さなミニ・シアター。
ロビーも、びっくりするくらいの狭さですが、映画愛を感じるシアターです。
こんな、ポップがお出迎えです。
映画を見に行こうと思い立つ理由はいろいろあるけれど、メアリーが墓地で母の墓石にもたれて物語を書く新聞広告の写真にひきつけられたのが、第一の理由。
まるでウオーター・ハウスの絵のようで、その美しさに目がとまりました。
この映画は、衣装や美術、19世紀のイギリスの風景など、映像には絵画的な美しさがあふれています。
だから、その第一印象は間違いではありませんでした。
けれども、もう一つの理由は「フランケンシュタイン」です。
再来年に再演が予定されている「フランケンシュタイン」は、陰惨すぎて私には辛いミュージカルでした。
歌はすごいけど、どうにも物語に入り込めなくて、私の中では微妙だったのですね。
その「フランケンシュタイン」をわずか18歳の若さで書いた女性がこの映画の主人公、メアリー。
「フランケンシュタイン」のパンフレットには、バイロンの邸を訪れた際に怪奇小説をみんなで書いて発表したとしか書かれていなくて、遊びで書いたのか、みたいな印象でした。
ところが、この映画を見て、怪物とメアリーの孤独が繋がっていたんだいうことに気がつき、なんだか、再演が待ち遠しくなりました。
メアリーが「フランケンシュタイン」を書くためには、どれだけたくさんのものを失わなくてはならなかったか。
喪失と絶望、深い孤独。
メアリーは、それを物語を書くことで昇華させていったのですね。
孤独な怪物の叫びが、ストンと腑に落ちました。
そして、ホント、男って最低よね!ってことも。
楽しい映画ではないかもしれないけど、心に残る映画でした。
頑張って早起きしてよかった。
シネマカリテでの上映は21日まで。22日からは、これまた観たい!「シシリアン・ゴースト・ストーリー」です。
(「メアリーの総て」は、1月中旬までやるみたいです)