今日は、明治座で「魔界転生」を見てきました。
映画は、沢田研二が天草四郎をやったバージョンを大昔に見たことがあります。けれども、正直好きにはなれないタイプの映画でした。
それでも見に行こうかなと思ったのは、「SHIROH」で益田四郎だった上川隆也さんが、柳生十兵衛をやるという、「SHIROH」好きなら思わず笑ってしまう趣向?だったからです。
「魔界転生」と「SHIROH」は一切関係ないのですが、それでも冒頭の島原の乱のシーンには、既視感がありました。つらい。
天草四郎役は溝端淳平くんで、とても麗しい四郎でした。エリザベス・カラー(っていうの?)に黒いマントといういでたちなのに、違和感がないのがすごいかも。
フライングの場面が多かったのですが、実に優雅に空を舞っていました。
正直、そんなに期待はしなかったのですが、意外と面白く、なんと休憩込みで4時間という長さを感じさせない舞台でした。
笑いもあり、涙もありの冒険活劇で、退屈しませんでした。
ちょっと難ありかなと思ったのは、冒頭の島原の乱のシーンに特に顕著だったのですが、映像が多用されていて少し鬱陶しかったことでしょうか?映像なしでも十分やれたんじゃないかと感じました。
映像が多すぎて、せっかくの転生シーンや殺陣のシーンでの映像効果が迫力がなくなったのではないかと思うのです。
松ケンさんも上川さんも、ものすごく殺陣がカッコいいし、全体的に運動能力が高めの人がたくさん出ていたので、映像に頼らなくても、という恨みが残りました。
さて、この舞台はつくづく明治座向きだなと思いました。
花道こそ使わないものの、歌舞伎的な演出や遊びごごろがあり、殺陣をじっくりみせたり、踊りがあったり。
幕間にお弁当や食事を楽しみ、お土産を買って帰るのに、ちょうどいい。
客席には、年配のご夫婦連れも多く、私がよく行く帝劇やクリエとはちょっと違う雰囲気でした。
こういうのもありかな、と思ったのは、私も歳をとったからかな?
こんな幟がよく似合う、そんな「魔界転生」でした。