実際に首を切る・・・解雇を通告する専門家がいるのだろうかと思ったら、いるみたいですね。
今の不況はそういった人たちのかせぎ時なわけですけど…
首を切っては飛行機に乗り、次の解雇宣告の場へと転々として、根なし草で、その生活を自分の生き方の選択として疑問にも思っていないわけです。
そんなところにも、効率化の波が押し寄せ・・・解雇もわざわざ現地に行かなくてもインターネットを使えば簡単にできるってんで、そこから話が進んでいきます。
直接面と向かって会った方が人間的だ・・・なんて、途中考えてましたが、良く考えたら、その仕事自体が人間的でないわけで、いくら、表面上その人を気遣っているように見えたとしても、結局は、冷たい宣告をすることだけが仕事なわけで…そこに心を入れ過ぎてしまうと、やっていけなくなるわけです。
ネットで解雇しようが、直接会って華麗な話術で解雇しようが、おんなじですね。
ひとりひとりの生活や家族のことを考えたら、それがどんなに残酷なことなのかがわかります。
若い女の人の導入しようとしていた効率化は、この冷酷な仕事の具体化というか、発展形態だったかもしれません。その作業に人間味はいらないのだから。むしろ、直接出向かない分、解雇を宣告する側にしてみれば、テレビゲームのような感覚で、大量の解雇をできるのかもしれません。
しかし現実には、ひとりひとりの人生なんですよね。
会社にとってはただの金・・・数字であっても・・・
その若い女性は自分が買い越した人の自殺をきっかけにその会社を辞めてしまいます。
人間は頭でいろいろ考えてシステムをつくるのですが、結局のところ、現場に行かないと現実はわかりません。
今の日本の政治家たち(一部を除いて)のくだらない議論は現場を知らない頭だけの議論だから、あんな無責任な話ができるわけで…
そして、主人公だって、旅先(?)で出会った女性といい関係になって、今までの自分の生き方に疑問を持ち、本当の心のゆとりというか、幸せの意味を考え、彼女と一緒にいたいと思うわけですが…
まあ、観てのお楽しみということで・・・・
いろいろ考えさせられます。やり取りが楽しくて、時間をあまり感じさせません。
インタビューに出ている解雇された人たちは、本当に解雇された人たちだということです。