今日、美しい人のDVDが発売されまして、早速買って観ました。
今回もやっぱり、最後の2つ、8と9が泣けました。
8つ目のやつはなんでしょうか・・・女の人の落ち着かないところから鎮静剤で落ち着いていって眠ってしまうところまでの演技もすごいんだけど、旦那さんの包み込む愛というかなんというか・・・イライラをぶつけられても、それを包み込む感じがなんとも「美しい人」でありました。
奥さんの意識がなくなって行くところの「わかっているわ・・・」と何度かつぶやくところで思わず涙が・・・
9つ目は、「もうつかれた」と言って、娘に膝枕してもらって・・・そこからカメラがグルーっと動き出すところでまたぐググーっと涙が・・・これは一回観たからかもしれませんが・・・過去に縛られてる感じが切なかったです。
6つか7つめぐらいでなんとなくこの映画のテーマが結びついてきます。人はそれぞれどこかでつながっている。どこかで影響しあって生きているわけですね。
人の生も死も影響してつながって行くのかもしれません。
テレビ番組は映像のつぎはきで都合のいいように作られてるみたいなセリフは、この映画が、ワンカットで一つのお話をやっりきったところとも結びついてくるのかもしれません。
人もつながってるけれど、時間もつながっている。その時間のつながりを大切にしたのかもしれません。
しかし、そうはいっても、これは大変な仕事ですよ。よくみんなやり遂げました。すばらしい。
今回、ワンカットでとっていることが気になって、お話に入れないかんじもありました。知ってしまうのもいいことばかりじゃないです。タイミングとか、人の配置とか、とても気になっちゃうんです。
みんないいけど、一番は8つ目かな。
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2007.1.10
原題は「9lives」です。猫は9回生き返るみたいな迷信から多分その題がついたんでしょうけど、9つの短編で9人の女の人の生き様を描いているわけです。それで、その人たちが微妙に結びついていたりして・・・
それぞれが傷ついたりいろいろいいことばかりじゃないわけですが、でも、やっぱり、愛で支えていたり支えられてたりするんですねえ・・・
プログラムに書いてある言葉がわかりやすいかも。
1話 サンドラ 娘に愛をそそぐ人
2話 ダイアナ 今手にしている愛を見出す人
3話 ホリー 愛をぶつける人
4話 ソニア お互いの弱さを知る人
5話 サマンサ かけがえのない人
6話 ローサ 愛を求められる人
7話 ルース 家族があることの喜びを知る人
8話 カミール 夫の愛の深さを知る人
9話 マギー 神の祝福を受ける人
・・・全然わからないか。
なんにしても、すべての話が面白いし、でも、それぞれの人が何でそうなったのかとか、そういうところがよくわからなかったりするわけですけれども、よく考えてみたら、人間なんて、相手がどのような人生を歩んでいて何に悩んでいるかはわからないもんですもんね。
愛している人や愛してもらいたい人といつも円満なわけじゃなく、時には傷ついたり傷つけたり、なんとなく相手にイライラしたり・・・愛を求めたいときに求められない歯がゆさとかもあるし。そんなところがうまく描けているんじゃないかと思いました。
1話は娘との愛が痛々しいです。
2話はスーパーでの2人の熱い愛情がすごいです。離れては近づいて離れては近づいて繰り返していくたびに2人の思いが激しくなっていきます。でも、2人の出した結論はやっぱりわかれることです。
3話は妹との会話でこの子に何があったのかを想像させてくれます。子どものころの傷とか憎さといらつき、いかり、愛と懐かしさ。いろんな感情が噴出しています。
4話は友達の前での痴話げんかの気まずさが良い。金持ちなのが気に入らない。
5話はお父さんとお母さんの直接の会話はなく、娘が全部仲介役という組み立てになっていて、やさしさとめんどくささみたいのが出ててとてもよかったです。
6話はああ、やっちゃいましたか!って感じです。人の生と死がテーマになっている感じでしょうか。自殺した奥さんの葬式の会場で・・・だもんね。男の人が女の人を引っ張って人気のないところを探すシーンがとても印象的でした。音もないし。キーンとした音があったかな?なくてもそう感じるような感覚・・・
7話はこの辺で、物語全体が結びついたような感じになりました。子どもの声を聞いて現実に立つ感じがいいです。
8話は面白い。変に人にあたっちゃうほど不安ででも、鎮静剤をうたれてなんか悟った感じが美しいです。会話が成立しないところに安心感と愛を感じた。
9話、ダコタファ二ングがかわいいです。
・・・映画館では気付かなかったんですが、プログラムを見ていたら、娘は死んでたんですね。娘の墓参りだったとは・・・なんか、今ジーンときちゃいました。(普通気付く?)
そういえば、子どもを木に登らせたあとにそのまま戻ってきてしまうところとか、こどもと話してると思ったら、思い出したようにその子どもと離れて水筒の飲み物を飲むところとか、あれ?と思った謎はそこだったんですね。親子の歳がはなれすぎてるとか、そこに疑問をもったまま最後のぐるっと景色が一周してそこで「ああ!そうか!」とならなくちゃいけなかったんですね。
それと、ひとつのお話はワンカットで撮ってるんだそうです。それも気付きませんでした。(ほんと、気付かない人だねえ・・・)役者さんも撮る側も、すごいですね。
これはすごい映画です。