「レ・ミゼラブル」百六景〈新装版〉 (文春文庫) | |
鹿島 茂 | |
文藝春秋 |
ながーいレ・ミゼラブルのおいしいところの解説をしてくれるのでなるほどと思うことが結構ありました。
レミゼラブルの本自体を読んでいないのでジャンバルジャンが金持ちとして登場するところは何でなのかわからないとこ炉だったんだけど、それも空想的社会主義者の影響が表れているというのはなんか妙に納得だし、コゼットよりも死んじゃう女の人の哀愁を感じさせるのは何でかも気になっていたのだけれど、ユゴー自身のその辺の気持ちがちょっとわかった気がしたのはなんか良かった。
今だとパクリは大変なことだけど、この当時はお互いパクリあって物語を作っていたのかもしれないとも思いました。クラシックで、ヨハンシュトラウスなんかがそのときの流行の曲のメロディを曲の中に取り入れたりして、そういうことはその当時は当たり前にやられていたとどこかで読んだけど、文学もそうだったに違いないとなんとなく思いました。