男はつらいよを映画館に見に行きました。
川崎の映画館で毎週作品を変えてやっているのですが、今回は夕焼けこやけということで、これだけは映画館で見てみてみたい作品の一つだったので、とても楽しみにしていました。
上の写真は、映画館に飾ってあった夕焼けこやけの時の写真です。渥美さんが私服でいて、頬を寄せている太地さんがきれいで・・・いい写真ですね。
ちょっと前にDVDで見たけれど、それでも、すごく楽しく見れました。
映画館の中はあまり人もいなくて、笑い声もあまり聞こえなかったけれど・・・・自分は結構笑ってました。みんなも笑ってたんじゃないかなあ・・・
人数がいっぱいだと、相乗効果でまた笑いも大きくなるんだろうけど…
満男の入学式の騒動で怒ってプイと飛び出した寅さん、とらやに電話すると、さくらが「反省してるから帰ってきて」と説得します。その後ろでおばちゃんが、「芋のにっころがしとがんもを作って待ってるから」と・・・そんな説得に「そうかあ?そこまで言うんなら…」となるわけですけど、思わず、子どもじゃあるまいし、食いもんでつられちゃって・・・と笑っちゃいました。
今回の寅さんは結構金持ってて…・
絵描きのおじいちゃんの飲み代も一緒に払ったり、しぶしぶではありますけど、ウナギ代も払ったり(たぶん・・・というのは払ったかどうかまでは映像ではわかりません)、満男の入学祝もつつもうと思ったり…(たぶん、直後の大騒動で結局包んでないような気もしますが・・・)最後も源ちゃんにラーメン御馳走したり・・・ぼたんさんががお金問題で困っていると財布を出してみたり…
御前様の水をまいている元気な姿も見ることができます。
ぼたんさんが元気で、声もおっきくて、なんかすごいエネルギーがあるんです。その明るいぼたんさんと、借金を踏み倒されて悔しがるぼたんさんのギャップがいいんです。その落ち込んだり疲れているのに、無理に元気にふるまおうとする姿がいいのです。
そして、ボタンをこんなに苦しめるやつは許せないと、犯罪覚悟で勢いよく飛び出して行った寅さん・・さすがに殺してやるとまでは言わなかったところがやさしいところかもしれませんが・・・あそこまで寅さんを怒らせた悪い奴が出てきたというのもあまり記憶にありません。
そこでのぼたんさんが「おとこのひとのこんなきもち、初めて知った」と、大きな目に涙をいっぱいためて泣くもんだから、もう、もらい泣きしてぼろぼろと涙があふれてくるんです。
話はまだ終わりません。
寅さんは、絵描きのおじいちゃんのところに、絵を描いてもらって200万円の代わりにぼたんにあげてくれって言うんです。
絵描きのおじいちゃんは、芸術は金のためじゃない!と断ります。
ここのやり取りも好きで、芸術家としては金のために絵を描いてるのではない。でも、絵で食べている。という矛盾みたいなものもあるんだけど、でも、逆に、金のために描いているんじゃなければ、何のために描くのかですよね。
ここでは、ぼたんという一人の若い女性が一生懸命にためたお金を取られて悲しんでいる。その人のために、あなたの力・・・能力で、その人を助けてあげられないのか?という寅さんの熱い気持ちです。寅さんは金を工面しようという申し出には「たかりじゃないんだから」と断るんです。ここがすごいところで、普通だったら、ありがとうとなってしまいかねない・・・寅さんだって、最初はお金を出そうとしたんだから。でも、その絵描きさんに対して、自分が金をもらいに来たと思われることはすごく嫌がるわけですよね。そういうことで付き合いを持ったわけじゃないということなのでしょう。
でも、この人なら、自分の気持ち、ぼたんの気持ちを理解してくれる。だから、その力を借りようとしたんですね。
協力してくれない絵描きさんに、寅さんは、自分があんたを世話してやった時は、見返りを期待しようなんてちっとも思わなかったし、あんたが望めばずっと、居させてやろうと思った。困っている人がいて、それを自分の力で何とかしてあげられるなら、何とかしようと思うのが寅さんです。いま、自分にはぼたんを助ける力がない。その力ををあなたが持っているのに何で助けようとしないんだ!?という感じで迫ります。(ちょっとおしつけがましいセリフなんだけど、寅さんが言うと、それがすんなり入ってくるんです)
それに対して絵描きさんも、怒るでもなく、寅さんの気持ちも分かりながら、金のために絵を描くことはできないと、拒むわけです。玄関先で小さくしゃがみこんだママの姿が、すごくその悩んだ様子を映し出しています。
まだ話が終わらないところがすごいんです。
寅さんがボタンのところに様子を見に行ってみると、なんと絵描きのおじいちゃんから絵が届いていたんです。
200万で買うという人がいたけれど、ぼたんさんは売りませんでした。そのおかねの値段以上のものを大切にしました。
それは、200万のために寅さんが本気になっておこっれ暮れ、何とかしようとしてくれた大きな価値と同じように、何でそれが贈られてきたかはぼたんさんにはその真相は明らかになっていませんが、それでも、200万円というお金以上のものをその絵に付けたわけです。
芸術は金のためにやるんじゃない。
という、絵描きの言った言葉が、ここでまたなるほどと思うのですが・・・
芸術は、人に何かを感じさせる、そのひとなりの価値を作品に与えるということなんでしょうか。
たまたま、それが、お金という基準で図られることがあるかもしれませんが、それは、たまたまであり、作品一つ一つの価値というのは、それを作った人や見た人にとってそれぞれの気持ちという別の基準の価値も持つんでしょうね。
・・・・うまく言えませんが・・・
そんなことを感じました。
なんにしても、人の優しさを感じられるすばらしい作品でした。
川崎の映画館で毎週作品を変えてやっているのですが、今回は夕焼けこやけということで、これだけは映画館で見てみてみたい作品の一つだったので、とても楽しみにしていました。
上の写真は、映画館に飾ってあった夕焼けこやけの時の写真です。渥美さんが私服でいて、頬を寄せている太地さんがきれいで・・・いい写真ですね。
ちょっと前にDVDで見たけれど、それでも、すごく楽しく見れました。
映画館の中はあまり人もいなくて、笑い声もあまり聞こえなかったけれど・・・・自分は結構笑ってました。みんなも笑ってたんじゃないかなあ・・・
人数がいっぱいだと、相乗効果でまた笑いも大きくなるんだろうけど…
満男の入学式の騒動で怒ってプイと飛び出した寅さん、とらやに電話すると、さくらが「反省してるから帰ってきて」と説得します。その後ろでおばちゃんが、「芋のにっころがしとがんもを作って待ってるから」と・・・そんな説得に「そうかあ?そこまで言うんなら…」となるわけですけど、思わず、子どもじゃあるまいし、食いもんでつられちゃって・・・と笑っちゃいました。
今回の寅さんは結構金持ってて…・
絵描きのおじいちゃんの飲み代も一緒に払ったり、しぶしぶではありますけど、ウナギ代も払ったり(たぶん・・・というのは払ったかどうかまでは映像ではわかりません)、満男の入学祝もつつもうと思ったり…(たぶん、直後の大騒動で結局包んでないような気もしますが・・・)最後も源ちゃんにラーメン御馳走したり・・・ぼたんさんががお金問題で困っていると財布を出してみたり…
御前様の水をまいている元気な姿も見ることができます。
ぼたんさんが元気で、声もおっきくて、なんかすごいエネルギーがあるんです。その明るいぼたんさんと、借金を踏み倒されて悔しがるぼたんさんのギャップがいいんです。その落ち込んだり疲れているのに、無理に元気にふるまおうとする姿がいいのです。
そして、ボタンをこんなに苦しめるやつは許せないと、犯罪覚悟で勢いよく飛び出して行った寅さん・・さすがに殺してやるとまでは言わなかったところがやさしいところかもしれませんが・・・あそこまで寅さんを怒らせた悪い奴が出てきたというのもあまり記憶にありません。
そこでのぼたんさんが「おとこのひとのこんなきもち、初めて知った」と、大きな目に涙をいっぱいためて泣くもんだから、もう、もらい泣きしてぼろぼろと涙があふれてくるんです。
話はまだ終わりません。
寅さんは、絵描きのおじいちゃんのところに、絵を描いてもらって200万円の代わりにぼたんにあげてくれって言うんです。
絵描きのおじいちゃんは、芸術は金のためじゃない!と断ります。
ここのやり取りも好きで、芸術家としては金のために絵を描いてるのではない。でも、絵で食べている。という矛盾みたいなものもあるんだけど、でも、逆に、金のために描いているんじゃなければ、何のために描くのかですよね。
ここでは、ぼたんという一人の若い女性が一生懸命にためたお金を取られて悲しんでいる。その人のために、あなたの力・・・能力で、その人を助けてあげられないのか?という寅さんの熱い気持ちです。寅さんは金を工面しようという申し出には「たかりじゃないんだから」と断るんです。ここがすごいところで、普通だったら、ありがとうとなってしまいかねない・・・寅さんだって、最初はお金を出そうとしたんだから。でも、その絵描きさんに対して、自分が金をもらいに来たと思われることはすごく嫌がるわけですよね。そういうことで付き合いを持ったわけじゃないということなのでしょう。
でも、この人なら、自分の気持ち、ぼたんの気持ちを理解してくれる。だから、その力を借りようとしたんですね。
協力してくれない絵描きさんに、寅さんは、自分があんたを世話してやった時は、見返りを期待しようなんてちっとも思わなかったし、あんたが望めばずっと、居させてやろうと思った。困っている人がいて、それを自分の力で何とかしてあげられるなら、何とかしようと思うのが寅さんです。いま、自分にはぼたんを助ける力がない。その力ををあなたが持っているのに何で助けようとしないんだ!?という感じで迫ります。(ちょっとおしつけがましいセリフなんだけど、寅さんが言うと、それがすんなり入ってくるんです)
それに対して絵描きさんも、怒るでもなく、寅さんの気持ちも分かりながら、金のために絵を描くことはできないと、拒むわけです。玄関先で小さくしゃがみこんだママの姿が、すごくその悩んだ様子を映し出しています。
まだ話が終わらないところがすごいんです。
寅さんがボタンのところに様子を見に行ってみると、なんと絵描きのおじいちゃんから絵が届いていたんです。
200万で買うという人がいたけれど、ぼたんさんは売りませんでした。そのおかねの値段以上のものを大切にしました。
それは、200万のために寅さんが本気になっておこっれ暮れ、何とかしようとしてくれた大きな価値と同じように、何でそれが贈られてきたかはぼたんさんにはその真相は明らかになっていませんが、それでも、200万円というお金以上のものをその絵に付けたわけです。
芸術は金のためにやるんじゃない。
という、絵描きの言った言葉が、ここでまたなるほどと思うのですが・・・
芸術は、人に何かを感じさせる、そのひとなりの価値を作品に与えるということなんでしょうか。
たまたま、それが、お金という基準で図られることがあるかもしれませんが、それは、たまたまであり、作品一つ一つの価値というのは、それを作った人や見た人にとってそれぞれの気持ちという別の基準の価値も持つんでしょうね。
・・・・うまく言えませんが・・・
そんなことを感じました。
なんにしても、人の優しさを感じられるすばらしい作品でした。
![]() | 第17作 男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け HDリマスター版 [DVD]松竹このアイテムの詳細を見る |