唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密

2012年06月24日 | アニメ
タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密 ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]
クリエーター情報なし
角川書店


たまに本物の人かと思ってドキッとします。もしかしてこれは役者さんの動きに合わせて絵をつけていったのでしょうか。

それでもマンガチックにしてるからいいけど、本当にリアルにしようと思ったらどれぐらい実写に近づけるのでしょうか。
でも、近付いたところでそれをする意味もないんですけどね。


タンタン・・・・ティンティン・・・


コクリコ坂から

2012年06月23日 | アニメ
コクリコ坂から [Blu-ray]
クリエーター情報なし
スタジオジブリ


ゲドがむちゃくちゃだったので、正直あまり期待しないでみました。

最初の方はそういう気持ちもあってか、すべての動きに意味をもたせたような無駄に真剣なしぐさ、動作や、相変わらずこっけいなほどきちんと話すセリフ、どこかのジブリ作品のようなシーン、看護師さんの女の人の口紅など、いやなところがめにつくことが多かったのですが、だんだん物語りに引き込まれていきました。日常あまり接してなくて、別なことをお互いがしていても意識している感じがリアルで良かったです。

旗を毎日揚げるのも切ないですねえ・・・。旗を揚げることをやめることが、お父さんを記憶から消してしまいそうでいやだったのかもしれないですね。お父さんは帰ってこなかったけれども、お父さんがいろんなものをつなげてくれたのかもしれないですね。できればお父さん、全部やってからでなく、お母さんに子どもをみせてからいろいろ始めればよかったのに。そうすれば、ややこしいこともなく、最初から今の両親の戸籍になってたんじゃないのかな?と思いますが。
弟(?)と母が印象薄いのと、きれいにした建物もそれほどおお!という感じでもなかったですが、それはそれで。

朝鮮戦争はとなりの国の戦争ではなかったんですね。戦争でいろいろ儲かったとか、アメリカの前線基地になったのかなぐらいにしか思ってなかったけど、これに日本人がどう関わったかも知りたくなりました。
なかなかに心温まるいい作品だったのではないでしょうか。

宮崎駿さんっぽいジブリ顔はちょっと飽きてきたかな。

ふしぎなキリスト教  / 橋爪 大三郎,大澤 真幸 / 講談社

2012年06月16日 | 
ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)
橋爪 大三郎,大澤 真幸
講談社


ユダヤ教とキリスト教の関係、キリスト教と他の宗教との違いなど、ぶっちゃけた感じで対談しています。信者の皆さんにはちょっと聞き捨てならん!みたいなところももしかしたらあるかもしれないけれど、結構なるほどって思うところがあって、信じるというところからのアプローチでないので、自分にとっては入りやすいです。

三浦綾子さんの本だと、神に対して疑問を持つこと自体がいけないこと、という感じで一刀両断されるところを、神(GOD)と人間との関係で、なぜ神が絶対なのかもユダヤ教の歴史からも語ってくれています。
安保条約にたとえて、守ってもらうかわりにへりくだってしおらしくしているのと同じみたいに言ってるところはなるほどって思いました。もともと安保が日本を守るためのものかどうかは別としても、アメリカに従属する日本の姿が思い浮かんできて面白い。だから、矛盾があっても、それに対して文句を言ってはいけない。神もアメリカも絶対なんだということですね。

つらつら読み進めていって、結構入ってこない文章がありましたが、なんとなく、この題になっているキリスト教の不思議が少しだけわかったかな・・・というか、よんでも少ししかわからない自分が不思議なのかも。

キリスト教の神が創った「自然」は、神の作った「物」としてみるので自然科学を発展させることになり、法律的なものも縛りがないから民主主義を発展させる土台にもなったことなどが書かれていて、なるほどと思うところもあって。違ったらごめんなさいね。

実際にキリスト教が全体の流れになっている地域で哲学的な考察をするときにキリスト教的な発想というのはあると思うし、人間は良くも悪くもその環境に影響を受けるものなのでそれは理解できるんだけど…
なぜかマルクスが出てくるとちんぷんかんぷんになってくる。マルクスは神を否定しておきながらその手法はキリスト教的だということを言ってるんだけど、それをなぜ否定的にとらえるのかがよくわからない。「宗教はアヘン」という言葉にすごくこだわっているし、お金の偶像化のこともなんとなく否定的にとらえているのは、なんかしっくりこない。

マルクス自身がその時代の人間であり、ヘーゲルやそのほかの哲学者や経済学者などなど、そういったそれまで人類が築きあげてきたものを受け入れて発展させようとするマルクスのアプローチからすれば、キリスト教的であってもちっともおかしくないと思うのだけれど、なんか、マルクスだって所詮キリスト教の一派なんですみたいな感じに受けたのはなんなんですかね。

2人がよほどマルクスが嫌いで意識的にそうしているのか、ただ無知なのか、それとも、自分が無知なだけなのか。読み違いか?マルクスが出てくると、おかしくなる気がしました。

あと、カタカナ文字がちょくちょく出てくるのと、漢字にふり仮名が少ないのが・・・

宗教を知るには、宗教の教えだけでなく歴史的背景も大事なんだと思いました。旧約聖書や新約聖書の成り立ちや宗教と国家の関係、歴史的背景がわからないと、理解したことにはならないようです。
宗教という観点から歴史の教科書に書いてあった出来事がどういう意味を持つのかを整理できると、歴史がまた面白いかもしれません。
いろいろこの本でも説明してくれているんだけど、あまりにも自分はしらなすぎると感じました。

ステキな金縛り

2012年06月16日 | 映画 さ行
ステキな金縛り Blu-rayスタンダード・エディション
クリエーター情報なし
東宝



深津絵里さんがとても素敵でした。はまりました。だから、とても楽しく最後まで見ることができました。

周りの役者さんたちが、有名な人たちが無駄にいっぱい出てて驚きです。イベント的な感じですかね。それが映画全体を明るくしてますね。

大笑いはしないけれど、思わず笑ってしまって、そのあとにそんなにおかしかった?と冷静に振り返ってしまいました。雰囲気が良かったんでしょうね。


パッション

2012年06月14日 | 好きな映画・良かった映画
パッション

東宝

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三浦綾子さんの本を読んでまた観たくなったので観ましたが、やっぱりすごいです。何度観ても重苦しい。大工だったころの身軽さや教えを説くシーンの穏やかさが別人のように、悩み、苦しみ、痛めつけられている、そんなイエスをずっと見せ付けられます。苦しみつつも、なぜあれだけ神に忠実でいられるのか、人に対して愛を向けられるのか、考えてしまいます。

自分はできないですよ。人に傷つけられて、ああ、この人はこういう人なんだと切り捨て、その人とまともに口を利く気にもなれないし、毎日がつらいとなんで自分だけが?と思ってふてくされちゃうし、長々だらだらした会議なんかに出ちゃうとすごいイライラしちゃうし、これはよく言われますが、小さい人間なんですよね。でも、その感情はなかなか拭い去れない。拭い去ろうという努力もしてないですけど。

イエスは死ぬことによって自分の存在意義を示したような気がします。磔にされるまでのあいだに、何度も助かる道はあったけれど、自分が死をもって背負わなければならないものを自覚していたのでしょうね。あえて生きるという選択を自ら無くしていった気がします。苦しくてもつらくても痛くてもイエスは死ななければならなかったのでしょう。

今回も、母親が床に飛び散ったイエスの血をぬぐうところと、十字架を背負って倒れるところで子どものころとオーバーラップするところなど、母親が出てくるところで涙が出てしまいました。
あと、金具のついた鞭であばらのところが引き剥がされるシーンは思わずうなってしまいました。

人間のおろかさを象徴するように、鞭打ちで傷つく人がいても笑っていたり、酒に酔いながら十字架を運ぶイエスを痛めつけたりする兵隊たちがいますが、それは、その場にいない人たちも、その後、時を越えて現代に至っても、世界の戦争や紛争、日本でも今の政治で苦しめられている人たちがいる中でもそれを知らずに傍観している自分たちのようにも思えました。

映画を観ただけではわからないのは、ユダが裏切り者とされるところで、ただイエスの居場所を教えただけだと思うんだけど、そのときのイエスは、別に隠れていたわけではないだろうに。ユダが教えなくても、どの道そうなったような気がするのです。そこのシーンだけでなく、もっと最初の計画の段階から、深く関与していたということなのかもしれませんね。三浦さんの本では民衆を恐れてかなり秘密裏に裁判なんかもやられたらしいので、いついつの夜中にイエスを捕まえて、民衆を組織して、裁判をやって刑を執行してもらうという短時間で事を運ぶためにかなり綿密に計画されていて、計画は最初の段階からユダが関わっていたということなのかもしれません。

DVDの付録でQ&Aを読みましたが、旧約聖書にでてくるメシアの到来が、イエスだとするのがキリスト教で、メシアはまだ訪れないというのがユダヤ教・・・みたいな事を書いてありました。インターネットで見たら、イスラム教は、モハメッドもイエスも預言者で神の名前がアラーという神なんだそうで、もともとのルーツは一緒なんですね。
 
そんなこんなで、いろいろ勉強になりました。

三浦綾子さんの本には預言者は予言者じゃないよって書いてありました。預言者とは神の声を語る人みたいです。
ユダヤ今日の人が自分の服をびりっと破くところとか、片耳を切りおとすところとか、砂に線を引いて云々するシーンとか、ロバにまたがってるシーンとか三浦さんの本や安彦さんのマンガを読んだところがでてくると知った気になってうれしくなります。あくまで知った気で、ここに書こうとすると、また自分の知識の無さが邪魔をして、うまく表現できなくなってしまいますが。


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2010/7/20
よかったとか、いい映画とかいうより、すごい映画です。

映像でうったえるという点で、この映画はすごい力を持っています。
最初のシーンからイエスはこれから起こることに恐怖し、おびえています。
そして、なぜ神は私を見捨てたのか嘆きもします。安彦良和さんのイエスでも、苦悩するイエスは印象的でした。
この映画を見てあらためて、イエスの人間らしい弱い部分に感動します。安彦さんがあとがきで書いているからその影響がつよいですけど・・・

弟子に対しても、裏切り、救おうともしない態度は、心の中では、うらんでいたかもしれません。自分にそれまで寄せていた忠誠はなんだったのかと。それは彼が求めたものでなく、一方的に押し付けられた忠誠だったとしても、いや、そうであればなおさら、利用されていた自分を感じてしまうのではないかと思うのです。
あの、忠誠を誓うペドロに「私を3度知らないというだろう」というシーンはドキッとするシーンですが、それは預言者としてすごいということでなくて、弟子に対する不信というか、言葉の軽さに対する苛立ちを感じるのです。言わずにいられなかったというか・・・
最初のシーンも、自分がこんなにつらい思いをしているのに、平気で寝ていられる弟子への苛立ちにも見えます。

人間の社会の中で、人間の汚い部分を人一倍感じることができ、その世界を嘆きながらも、それらを救うために、純粋に神の御心にわが身をささげる姿が、人間としてとても尊敬できる姿なのではないかと思ったのです。
悟りきった超人が何の迷いもなく死んでいく物語だったら、自分は感動しないと思います。
苦悩しながらも、自分の信念、正しいと思う道をすすむ、それがたとえ自分の死の道だったとしても、その死に向かう恐怖におびえながら、苦しみながら、それを全うする姿に感動するんだと思いました。

神を信じない立場からの感じ方ですが・・・

そこで疑問が出てきます。
イエスが死んだあと弟子によって広げられたキリスト教は、イエスの教えを忠実に守ったものなのか。イエスを利用して自分の利益のために弟子たちが都合よく作り上げてしまった可能性もあるのかな・・などと思いつつ・・・
でも、友達が言ってました。弟子たちも時の権力に殺されてるらしいですね。

みながら、弟子たちを嫌悪してしまう感情が沸きつつも、それが人間なんだよなあ・・・とも思ってしまいます。イエスが愛した人間の姿なのかもしれませんね。自分がその状況になったときに、どういう道を選択するのか。いくら崇高な理念を並べ立てていても、そのときになってみないと、人間の行動はわかりません。だからこそ、イエスの選ぶ道が感動させるわけですが・・・

あと、その中で美しいのが女性ですね。
母親の愛も感動です。磔られたあとに、「婦人よ」といったのは少し寂しい気がしましたが、イエスの使命がそうさせたのだと思いますが・・・
自分の生んだ子はほかの誰とも違うのに、それは、人間のエゴで、人類みな兄弟みたいなことを言ってのけちゃうんだから。いや、ヨハネに「母親を頼んだよ」ということなのかもしれませんが・・・

もうひとつ、最後の復活のシーンは必要だったのかが疑問でした。
自分にとっては、人間イエスの物語としては死ぬまででよかったのですが・・・
でも、実は、キリスト教にとっては、この「復活」が重要らしいです。よくわかりませんが・・・

今回はいろんな知識がある友人と見たので、それまでの感想よりも、ちょっと進歩したかな?
まあ、いろいろ考えさせられました。仕事が始まるのでこの辺で・・・


2006/12/15

自分は無神論者ですし、聖書のことも歴史的なことも知らない人間なので、その教え自体が正しいかとか、史実に合っているかとか、そういう事は抜きにして一人の人間が無実の罪を負わされて、何らかの政治的な思惑も絡んで命を落としたという話というだけで、かなり重いテーマであると思います。

一番心に来るのは母親の子に対する愛情です。十字架を落として倒れる時に子どものころとダブりながら走り寄るシーンは見ていてつらいものがあります。

キリストの目がこわい。目の色が恐い。傷つけられた体が恐い。回想シーンできれいな顔のキリストが出てくるので、それと見比べてまたまた恐くなる。何を考えているのかがわからないのもちょっと恐い。

最初から最後まで目をそむけたくなるようなシーンの連続ですが、画面から目が離せなくなってしまいます。

お母さんも傷ついていく息子の姿はみていられないでしょう。でも、最後まで見届けます。それがお母さんです。たぶん・・・・

あのムチは反則わざです。でも、そういう拷問の道具が事実としてあったということに人間の恐ろしさを感じます。そして、それは2000年前の過去の話ですといえない現代の世界でも同じような人間の狂気があるわけです。

でも、一方で、正しい心や理性は、2000年分成長しています。そこに希望をみたいと思います。

教育基本法が今日変えられました。これは日本の歴史の逆流であり、権力の力によって理性や正しいものを押さえつけられた結果なわけですが、いっぽうで、なぜそこまで世論を無視して急いで成立させなければならなかったのかを考える必要があります。本当に正しい法案であったら、ゆっくり時間をかけて審議すればいいのを急がざるを得なかったところに安倍内閣の基盤の弱さというか大義のなさを感じたわけです。

そして、じゃあ、通してしまったらそれで喜んでいられるか・・・そう簡単ではないと思います。無茶をすればそれだけ反発は大きくなると思います。そして、火種は必ず大きク燃え上がります。チャングムもきっと這い上がってくれるでしょう!

パッションの話でした・・・

・・・またあと一年はみたくない・・・・


2005/08/07 03:45

キリスト教のことは知りません。信じてもいませんし・・
キリストが何を皆に教えたのかもわかりません。正しいかどうかも知りません。十字架にかけた人たちがキリストの何に憎しみや恐怖を持ったのかも知りません。
この物語には、キリストが何をしてきたのかは描かれていません。つかまってから磔にされて死ぬまでが描かれているだけです。

この物語は、人間が描かれており、人間の社会の構図が描かれていると思います。

キリスト教が本当に正しいかどうかは別として、「正しい」ことが必ずしも社会の大勢とならないし、正しいものが迫害を受け、それを貫くには、まさに命をかけなければならないことがあるということを感じました。
体制は力によって大衆の思想をコントロールできてしまう。その思想的な支配によって体制を維持するわけです。

そして人間は環境によって、人間をさげすみ、残虐になることができることも思いました。この映画でショックなのは、キリストを磔にしたのは、大衆でもあるというところですね。

人間の強さ、弱さ、やさしさ、冷酷さ、この12時間にいろいろなものが凝縮されているような気がしました。

ストーリーは最初から同じテンポで進んでいきます。でも、退屈にはなりません。重苦しい感じがどんどんのしかかってくるような感じでした。

鞭打ちのシーン、十字架を担ぐシーン、釘を打たれるシーンは、もう、凝視するしかないって感じでした。(・・・っていうか、目を背けろよってかんじですか?)

この物語の面白さは、基本的に神が出てこないところだと思います。奇跡も起きないところ。(まあ、地震がおきて、手に穴のあいた人が立ち上がったりはするけれど・・・)人間が人間によって殺されていく姿をただ描いているところだと思います。


Icky Flix / The Residents

2012年06月09日 | 音楽
Icky Flix [DVD] [Import]
クリエーター情報なし
Mvd Visual


なんでしょうか。これ。
見終わった後に笑顔がつくれなくなります。
観ることにつかれる。疲れながらも観続けてしまいます。
ほんと、観終わった後疲れました。

この中に入っているthis is a man's man's man's worldは、ジェームスブラウンの曲ですが、これを高校のころだったか、ポッパーズMTVというピーターバラカンさんの音楽番組で流れていてすごく印象に残っていた曲です。
実はJBよりもこっちのが先に聴いたのでした。
にょろにょろしたやつがぼっと増えるのが面白いです。

コマーシャル・アルバム / the residents

2012年06月09日 | 音楽
コマーシャル・アルバム(紙ジャケット仕様)
クリエーター情報なし
バウンディ


すべての曲が一分でまとめられてて、奇妙な世界が広がります。気持ちが少し滅入りそうな音なのに、ユーモアも感じて、そんなに苦痛じゃないです。時間が短いのがいいのかな?
ボーナストラックのTHIS IS A MAN'S MAN'S MAN’S WORLDを聴きたくて買いました。

旧約聖書入門―光と愛を求めて (光文社文庫) / 三浦 綾子

2012年06月09日 | 
旧約聖書入門―光と愛を求めて (光文社文庫)
三浦 綾子
光文社


神の存在を信じていないので、神に祈ったこともありません。
神の意思は人間には計ることはできないので、自分にひどいことが降りかかってもただただ神を絶対的に信じるしかないというのは、結局現状を甘んじて受け入れることになってしまうのではないかと思えます。それが国家権力の支配に利用されたなら、世の中を変えようという立場には立てない気がします。

神の恩恵を受けたことがない中でその神を信じろということが考えにくいのだけれども、神を信じる立場からすれば、その考え自体が人間の傲慢さなのでしょうね。

もし、神がいるとすれば、それは「無」だと思います。無には絶対不可侵です。「有」になった瞬間に限界が生じ、神は神でなくなるんじゃないのかな。無いものを求めるからこそ「絶対的」になれるんじゃないでしょうかね。自分にとってはその無いものにすがることの方が無意味に思えます。

人間が傲慢になるたびにリセットボタンを押されてしまいます。
津波は天罰なんてひどいことを言った人もいますが、それ自体もこの世界では受け入れなければならない天罰なのでしょう。でも、なぜ、津波を起こしたのか。それは人間の傲慢さなのか。であるならばなぜ東北地方なのでしょうか。
天罰といえる人がいたら、よほど熱心な信者か、傲慢で人のことを思いやれない人間ですね。
様々な疑問を出すたびに、神のご意思は人間の考えの及ぶ範囲では理解できないと一刀両断されそうですが、そこで思考停止というのは、ある意味楽な考え方ですよね。

読み物としては面白そうな話がいっぱいありそうですが、すごい長そうですね。
そういえば書いてありました。旧約は39巻、新約は27巻だそうです。

天地創造

2012年06月08日 | 映画 た行
天地創造 [Blu-ray]
クリエーター情報なし
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


長い長い映画です。休けいが入る映画って言うのは、昔は当たり前だったんでしょうか。アダモとイブ・・・じゃないや。アダムとイブの話とか、ノアの箱舟、バベルの塔、ソドムの話とか、いろいろ観たり聞いたりしたことのある話が凝縮されています。

人の動きがぎこちないのはちょっと気になるところですが、映像はすごいです。ノアの箱舟が巨大なことがよくわかります。それで、違和感がないんです。

人は神に似せてつくったというところで、他の動物との区別にもなっているのでしょうか。でも、そうやって似たようにつくっといて、増長しちゃったらリセットボタンを押しちゃう神ってひどくないかとも思います。でもそれを言ってしまうと、神の考えは人間の考えの届かないところにあるといわれておしまいなのかもしれません。

理不尽なことがあっても、神様には人間では理解できない宇宙規模の考えなのだから、不満を言ってはいけないと、結局泣き寝入りで自分の現状を仕方がないと思ってしまう気もします。
国家が宗教を使って支配する、いい口実になりますね。

神を信じていれば、ちょっとした過ちぐらい、許してもらえるのかな?逆に神を信じない人がいくら言い人でも、それは何の意味もないことなのでしょうか。
宗教って結局、色分けをすることが宿命付けられているのでしょう。

十戒

2012年06月08日 | 映画 さ行
十戒 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
クリエーター情報なし
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


休けいが入る長い映画でした。
特殊撮影もすばらしい。超大作です。作り手の意気込みや金のかけようがが映像から伝わってきます。
それだけの意義込みを感じさせる最初のもったいぶりよう。

イスラエルの約束の地というのは歴史的な重みを感じます。
あと、モーゼの奥さんが神にモーゼを取られちゃったというところはなんとも悲しいですね。最後のお別れのときも、愛しているという奥さんの言葉に対してもすごくそっけなくて。神の声を聞く人は、人間のもつ執着から解き放たれてしまうんでようね。奥さんの愛してるの言葉はとても狭い意味での愛してるに聞こえました。でも、自分はその人間のおろかな執着が好きですけどね。

テルマエ・ロマエ

2012年06月01日 | 映画 た行
テルマエ・ロマエ - goo 映画

現代の日本に来たときのやり取りはとても面白かったのですが、古代ローマになると流れが無くなって、ちょっと退屈しました。日本のシーンも、阿部寛さんが出ないと同じように退屈なんですけどね。

行き来しないでずっと日本にいたほうが面白かったです。
最初の方は上戸さんとの絡みも少なく、もうちょっと前にすすめてほしいと思うところでいつも消えちゃうので欲求不満でした。

阿部寛さんはマジメにおかしいことをするのが本当に似合う人です。
上戸さんは、大画面で見てもとてもきれいな人だったけど、首が据わらないキャラ設定はもうちょっと何とかしてほしかったな。ローマに行ったら人が変わっちゃうし。

ありえない面白さを日本では感じて、面白くないリアルさ追求をローマでは感じてしまいました。だから、最後のまとめがローマだったことも不満です。

移動してしまう理由もなんかなあ・・・あのお父さんたち、そうだったっけ?って感じです。
その他のキャラのコミカルな演技が、結果的にただわざとらしいだけの演技になっていたのも残念です。

コーマ

2012年06月01日 | 好きな映画・良かった映画
コーマ [DVD]
クリエーター情報なし
ワーナー・ホーム・ビデオ


古い映画です。その映像のべったり感が怖さを増幅させます。
恋人さえも信じてくれない状況の中で、ひとりで命がけで巨悪に立ち向かう姿がすばらしい。見所もたくさんあって、曇りガラスの向うの裸体とか、エアロビシーンとか、窓から顔を出すところとか、はしごのパンチラとか、でも、いちばん美しいと思ったのは、手術室に向かう前の意識がもうろうとしながらも、真実を伝えようとする姿です。

マイケルダグラスさんは本とこの女の人を馬鹿にしているのかと思うくらい理解を示そうとしない。最後の最後で一生懸命走りましたが、それまでは本当にいらいらする男でした。しかし、もう体制側に組み込まれていると思っていたので、最後の行動は驚きでした。

たくさんの人間が釣られて保管(?)されているシーンはとても印象的でした。床ずれの心配がないといってましたが、支えてるところは相当後が付き添うな気がしました。
みんな裸なのも見所ですかね。

子どものころに映画館に行くと、入り口の階段のところとかに映画の写真が張ってあって、上映する前までその写真を見てどきどきした感覚を思い出させてくれました。

殺し屋に襲われそうになったとき、講義室に隠れていて、見つかりそうになったらあっさり顔を出すところが良かったです。あのまま見つかるよりもたしかに割り切って逃げた方がいいですもんね。

車への八つ当たりも面白かった。あれだけ激しくたたくとは。

理由

2012年06月01日 | 映画 ま・や・ら・わ行
理由 [DVD]
クリエーター情報なし
ワーナー・ホーム・ビデオ


自白を強要された冤罪事件。真相にぐんぐん近づいて行き見事釈放!と思いきや、そのあとの急展開にドキドキしました。
教養ある黒人、意志の強い祖母という設定にまず同情し、警察や街の雰囲気にさらにそれが増幅し、奥さんの過去の過ちで決定的になり、釈放されたときはちょっと涙が出ました。

警察の人が最初の印象よりも案外協力的なところも見せられていたし、釈放の時の軽さが何か次の展開を予感させて・・・なにより、それまでの流れがあまりにとんとん拍子に進んでいったのがちょっと気になっていましたが、そのとんとん拍子に進んでいったものがそう仕向けられていたこがわかってなるほどって感じで。

犯人にだまされたというよりは映画の展開、音楽にだまされたとも言えるかもしれませんが、それでも、この展開の仕方はおもしろかったです。

ショーンコネリーがやっぱり凄い。最後の連続殺人犯の死刑囚とのやり取りでのセリフと表情が素晴らしい。かっこよすぎです。

奥さんが椅子に縛りつけられているときの背中がとってもセクシーでした。

疑わしきは罰せずというのは基本だと思います。その基本的な精神によって、凶悪犯罪が罰せられないとしたらそれはそれで残念な気もしますが、それでも、冤罪をつくらないということもとても大事なことです。

一方は犯罪のシナリオを納得させるために材料を集め、もう一方は無罪のシナリオを描いて材料を集め、どっちのシナリオがより納得できるのかを判断するというのが正しいやり方なのかな…と思っちゃいます。

必ずしも真実を追求するために裁判がおこなわれるわけではないということなのでしょうね。

でも、真実だけがすべてのものを縛っていると思うのです。それ以外の縛りがかかって真実がゆがめられるとしたら、人が人を裁くなんてことはしてはいけないのではないのか…と思うのですが…

主人公は客観的に物事を見て真実を探そうと思っているように見えますし、実際そう思っていたと思いますが、結局最初の印象がその客観性をくるわせる作用もすると思いました。
自分に都合のいい情報をつないでいくと一つのシナリオができて、それで自分の思うような結果が出る。それが真実と思いこむわけです。それでその落とし穴に見事にはめられてしまいました。
人間は自分が自覚している以上に客観的に物事がみれてないんだろうなと最近感じることがあります。自分が都合のいいように、真実をねじ曲げる・・・それは故意にウソをつくというだけでなく、本当にそれが事実と思いこんでしまうこともあるんでしょう。
客観的に物事を見るって大変です。自分は客観的にものごとをみることができると思い込んでいる時点で、そうできない人間であることの告白をしているような気もするし…
「…」が多いです。

こういう映画だからこそ、BGMは抑えてほしかったです。

ファミリー・ツリー

2012年06月01日 | 映画 は行
ファミリー・ツリー(ジョージ・クルーニー主演、第69回ゴールデングローブ賞受賞) [Blu-ray]
クリエーター情報なし
メーカー情報なし



いきなり音楽で驚きました。ギャビーパヒヌイさんの歌に動揺してしまって、聴き入ってしまって、ジョージクルーニーのナレーションが雑音に聞こえて邪魔でした。
音楽は、汗をかいて風呂に入った後の生ビールの一口目のような、山を歩いて渓流で足を入れて川のせせらぎを聞いているような、初めてデコポンを食べたときの感動のような、そんなさわやかで曇りもなく透き通った音でした。そのままハワイの景色を見ながらギャビーさんの音楽だけを聴いていた方が感動してすっきりして帰れるかもしれません。
ガラスの仮面で主人公をくっちゃう役者みたいなエピソードがあったけど、それですね。映画が音楽にくわれちゃってます。そうでないBGMがとてもにごって聞こえてしまい・・いい音楽を使うのも良し悪しだなと思いました。
ただ、これはにごってる!と思って聴いていたらギャビーさんの歌声が入ってきたので、まあ、自分の耳もその程度の耳でしかないんですけど。

映画のストーリーとしては、期待しちゃったんだけど、まあ、裏切らない程度にまとめてはいるのかなも思いましたが、音楽のようなすっきりした気持ちにはなりませんでした。20代後半から30代後半ぐらいの女性がひとりで観に来るような(勝手な思い込みですが)空気感は、それっぽい映画にはよくある空気感だし、今まで見てきたそういった映画と比べるとなんとなく中途半端な気がしました。

でも、妹の方が泣いたときの表情はやばいです。それまでの演技はそれっぽい演技で、無難な感じでこなしてましたが、あの泣き顔はやばいです。リアルでもらい泣きしてしまいました。リアルといえば、奥さんの延命装置を取ってからの表情がリアルすぎてひいてしまいました。その後に子どもの寝顔が写されたときは、これが生きているものと死に行くものの違いなんだなあ・・・って思いました。

最後の3人のソファーのシーンは予告でも見ちゃったので、あれが家族の絆なんだよなあ・・・ああなんだよなあ・・・と思わせたい気満々な感じが逆に鼻についていやでした。

そう。こうなんだよなあ・・・と思わせたいんだろうなあ・・・と思うところが結構あって、自然にそういうのを描こうという努力が逆に不自然さになってしまって、鼻に付いたところが結構あったような気がします。

いい作品になりえたのにちょっと残念という感じでしょうか。