Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

演奏会

2008-03-06 20:04:42 | コンサート

モーツァルトの二台のピアノのための協奏曲。昨日の演奏会でのソリストの一人は、我オケのトップチェリスト。ヴァイオリンを弾きながらも、彼の手元が良く見えた。その美しいことといったら!どうしたら人間の指があんなに素早く動くのだろう?また、丁寧にフレーズの最後の音を弾く指は、まるでお習字の「止め」を大切にする時のよう。見惚れ、聞き惚れ、何度演奏に入り損ねたことだろう(本番も含めて。。。ごめんなさい)。

演奏会の後、彼と話をすることができた。彼は、弁護士であり、プロ並みのピアニストであり、チェロも弾く。学生時代にはスポーツにも秀でていたとのこと。すごいですね、と言うと、いやいや、才能に恵まれただけですよ、と答えた。自分の才能を、こんなに気持ちよく認める方には久しぶりに出会った。確かにこれだけ明らかに才能に恵まれているのに謙遜するのは却って傲慢な態度かもしれない。憧れや羨ましさを超えて、清々しさを感じる。

今は、ピアノを演奏することを心から楽しんでいる、と仰っていた。久しぶりに美しい人に出会った(残念ながら見た目はイギリス人であるが)。帰りの地下鉄の中で、かつて数え切れないほど繰り返し聴いたショパンのピアノコンチェルト第一番第二楽章が頭の中で鳴っていた。